麦わらの女の子と初めて逢ったころから、
僕は、もう倍ちかい人生を送っている。
あれから、何か変わったのだろうかと思う。
たぶん、
歳をとったことぐらい。
生活が変わったことぐらい。
仕事をしていることぐらい。
家族ができたことぐらい。
都会に住んでいることぐらい。
病気になったことぐらい。
それから・・・ぐらい?
結構変わっているように思う。
もう、生きている環境は何もかもが違っている。
当然、息子は、ぱぱがどんな風に生きてきたかなんて知らない。
まだ興味すらないだろう。
息子の知っているパパは
毎日仕事に行って
夜もいなくて
ままによく怒られれいて
よくわからないおもちゃで遊んでいて
病気になって
そんな、ぱぱだろう。
そんなもの、というかそれでいい。
いつか、聞かれたら話してやろうと思う。
で、その妻となった息子のままは、どうかといえば
たぶん
・・・全部知ってる。
そう、僕の傍らでずっとそれを見ていたのは彼女。
晴れた日も
雨の日も
雪の日も
機嫌の悪い日も
ずっと、横で見ていたのは彼女。
でも本当は、中身は何を考えているかは、知らない。
・・・はず。
そう思いたいけど、結構見透かされている。
今もそうなんだろうか?
たぶんそうかもしれない。
今の自分は、どう見えているのだろう?
きっと、彼女が、お姉さんになった時から、
僕は、しょうがない子供の様に見えているのかも
しれない。
ごめんなさい・・・。