ぶろぐのおけいこ

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紫陽花の歌(10) 県営バスターミナル~神戸

2019-08-24 18:39:53 | PiTaPaより遠くへ

 飛行機の時間にはまだ余裕があるのですが、もう十分歩き回った気持ちです。それで県営バスターミナルから空港行きバスに乗りました。

私の世代には懐かしいような古めかしさ。むしろ落ち着く。

 この県営バスターミナルが令和の時代というのに、昭和の雰囲気を残しているように思えます。40年前の景色と変わらないのではないでしょうか。建築は昭和40年代ごろでしょう。山田洋二監督の「家族」のころの雰囲気を残したターミナルです。この映画は、長崎の伊王島から北海道の中標津に移住する家族の物語です。


  昨夜、生からすみを食しました。私の人生初体験のはず。居酒屋の大将は、「からすみは日本酒が止まらないよ」と言いました。口の中に広がる魚卵の香り。それを波佐見町の日本酒、「六十餘州純米」で喉に流し込みます。華やかで軽いタイプのお酒に思えました。生からすみは味が濃く塩辛いので一度にわずかしか食べられず、結果的にわずかな量のからすみで酒を大量消費するのです。確かに日本酒が止まらない。そんなことも思い出しながら、バスは走ります。
 新地のバスターミナルに止まったあと、長崎出島道路を経由して長崎自動車道に入ります。いい天気になってきました。若干風が強いですが気分はとても軽い。

長崎市内とは違い、青空も見える。

 長崎空港のターミナル屋上で飛行機を見学。雲は切れ、日差しが暑いくらいです。大村湾には白く波頭が見える。屋上では開港までの解説もされていました。「家族」の人たちはなぜ、あんな長い長い陸路の旅をしたのだろう。答えが見つかりました。大村湾に浮かぶ長崎空港は1975年(昭和50年)5月1日、世界初の海上空港として開港しました。つまり、70年公開の「家族」の時代に長崎空港は存在しなかったのです。飛行機なんて贅沢な乗り物は庶民のものではなかったのです。


 そのうち不安なアナウンスが…。関西地方が強風と視界不良で、関西からやってくる飛行機が遅れているそうです。チェックイン時にスタッフから告げられたことは、自分の乗る予定の飛行機は、天候によっては目的地の神戸空港を通り越して、羽田空港に行く可能性があるということ。もし羽田まで連れていかれたら?あとは航空会社は面倒を見ませんので、自力で自宅まで帰るように…というものでした。


 空港のスターバックスのメガネのお姉さんは愛想がいい。「ご旅行ですか」と尋ねてくれます。条件付きフライトになるらしいと話したら、「私も神戸からの帰り、条件付きがありました。羽田に行かないように祈っています」と言ってくれます。カップを捨てに行った時もそのお姉さんが、「どうぞ、お気をつけて」と、笑顔で言ってくれたのです。長崎の人はみんな愛想よしなのでしょうか。
  することもないので、保安検査を受けて待合室で待つことにしました。BGMで流れているオルゴール風の曲は福山雅治の曲(曲名までは知らない)と「でんでらりゅう」。伊丹行のJAL便は、悪天候の中飛んできたので機体点検のため4時間ほど出発が遅れるとのアナウンス。待っている人たちは疲れてはいますが騒ぎもせず、じっと座っています。気づくと、右足親指の左側にマメができていました。何しろ滞在した3日間は徒歩のみ。バスも市電も使いませんでした。斜行エレベータで一往復したのが唯一の例外です。またアナウンス。例のJAL便は欠航が決まったとのことです。私は羽田まで行くのでしょうか?
 予定時刻から遅れること1時間20分、自分が乗るであろう機体が到着。さらに20分ほど後、機内に案内するとのアナウンスがありました。この便は、神戸行きと羽田行きのシェア便だったということに気づいたのはこのころです。だから神戸に降りられなければ羽田まで行くというわけですね。


 機内は白のイメージで、シンプルな客席。スカイマークは開業20周年だそうです。約1時間遅れでテイクオフ。

 雲の上に上がると右手前方に丸い月が見えます。南の方向に雲の上にある虹を見ました。雲により下界はほとんど見えません。

 しかし、発電用の風車を連ねた佐田岬半島はよく見えました。それ以降は霧の下に下界があって、何も見えません。


 着陸態勢に入るとアナウンス。機体はゴドゴト揺れる。
 19時21分、雨上がりの神戸空港に西向きにランディングしました。羽田まで連れていかれなくてよかった。

(おしまい お疲れ様でした やっと記事になりました)


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