ぶろぐのおけいこ

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テヤ敬語について2

2007-09-23 08:56:20 | 読んだ本
『兵庫県ことば読本』兵庫県高等学校教育研究会国語部会編 東京書籍
   この本によると、次のように書かれています。
  テヤ〔助詞+助動詞〕お…になる。敬語としての「テ」は、京都・兵庫・中国などにある。兵庫以外では「チ」となる地域もある。敬語は、大阪では「ハル」を使うことが多い。「アンタ 間違(マチゴ)トッテヤ。」(p75)
  旦さんだけがこのテヤ敬語を話します。植木屋はハル敬語です。植木屋は長屋に帰って旦さんのまねをする時を除いてはテヤ敬語を使いません。私たちは、この違いをどう理解するべきなのか、そもそも大阪でテヤ敬語がなぜ出てくるかという疑問です。
  ハル、テヤの境目はどこにあるか。
  これは昔、ある学者が調査をしたのだそうで、「ハル敬語とテヤ敬語の境界線は神戸の本山と御影の間にある。」(p187)とされています。「住吉川という小さな川を隔てて別れている」と、ずっと昔新聞記事で読んだことがあります。もっとも、ハル敬語は、時代とともに西に増殖しているというウワサもありますから、現代の境目はもっと西になるかもしれません。

  テヤ敬語のルーツは。
  webの検索結果を丁寧に拾っていくと、やっとこさ、こんなページに出会いました。「方言狂きっしー」のページ。答えは三重県の方に教えていただくことになったのです。
  テヤ敬語は、近畿地方では兵庫県の各地の他、かつては大阪の船場でも用いられた。
(傍線はきすけぐみ)

  きっしーさんの指摘が正しいとすれば、「青菜」の旦さんがテヤ敬語を使い、植木屋さんがハル敬語を使うというのは、旦さんがそこそこ高齢であり、植木屋は若いということになるのかな。
  そう思って、今度は、同じ枝雀さんの「高津の富」のページを読み直してみます。鳥取の大富豪だと自称する客は、宿の有主に向かってこういいます。
 「やあ、こんな格好してますでな、あんた、ナンじゃしらんと思ってやろが、私のことを。わたしゃこれでも因州鳥取の在の者でな、まぁ、これでも土地ではもう、物持ちやとか金持ちやとか…」
  上方の古典落語では、年配者を言葉遣いで表現するためのテヤ敬語は案外多く出ているのかもしれません。


◆『兵庫県ことば読本』兵庫県高等学校教育研究会国語部会編  東京書籍






 

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2 コメント

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播州弁 (ini)
2007-09-23 09:33:52
テヤ敬語って言うんですか。
全く知りませんでしたが、極普通に使います(笑)
でもやはり実家に帰ったときですね。

法事のときに母が「もうボーサン、とーから来とってやで」(すでにお坊さんは、ずっと前から来られてるよ)ってな感じです。

播州弁で面白いのは、私も子供の頃ずっと使ってた言葉で、例えばいっしょに歩いていた人が転んだとして「べっちょないか?」(大丈夫か?)って声掛けますね。
恐らく「別に用はないか?」の進化系(笑)ではないかと思ったりするんですが。
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よくわかりますよ (きすけぐみ)
2007-09-23 17:42:11
「とーから来ってやで」も「べっちょない」もよく分かりますよ。

べっちょないは、別条ないの仲間だと思いますよ。命に別条はない、の別条ですよね。私にも馴染みの深い言葉です。

iniさまと、案外ご近所だったりして。
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