一言呟きながら体液と自分の血液が混ざり合った部分をまだ骨がむき出しの右手で抉り取り捨てる。
ベチャ、何とも言えない音が地面に響いた時、教室の廊下には人間の血と化物の体液が混ざり合った液体で
染みが出来上がるがその染みも一瞬して、ドロドロと地面を溶かし下の階へと垂れていった。
「溶解液みたいな体液をしている。ますます、気持ち悪いな、あんた」
体液が下に垂れていく様を眺めながら、再生は続く
「お前も大層なものだぞ。地球人にも再生能力があるのだな」
噴水のように体液が吹き出している腕をひと振り
飛び散った体液が付近に植えられていた木々や草に降れ木々たちが変色
していく。あの体液はどうやら、かなり危険な汚染物のようだ。
汚染物を体内で生産しそれを通わせている辺りが宇宙人
本当に人間の企画ではない未知の生命体
「本来、地球人には再生能力はねぇよ。俺が特別だ。それに「も」か。
さっさと再生したらどうだ?これ以上、汚染するんじゃねぇ」
「ふん、俺の体液で汚染とは地球の生物や造形物は脆いな」
「デリケートなんだよ。アンタたちと違ってね。」
鼻息を鳴らしながら切断された手首から上が生えて来る。体液に塗れでヌルッとした光沢を纏いながら
「気持ち悪いことで・・・・では、再生して申し訳ないんだが」
その光景を見ながら真琴は飛び出していた校舎の外へ砕かれ抉られた
教室だった場所から化物目掛けて
「被害が広がるんでなぁ!!!!!!!!」
蹴り飛ばす。勢い良く飛び出したものの普通ならば失速するだろうが
失速することなくその巨躯は宙を舞ったのだ。
「飛べない豚はただの豚ってか」
蹴りを見舞いしながら自身に対する皮肉を言う。化物はというと反応できなかったのかわざと反応しなかったのか蹴りをその見に受けその巨体を
後方へと飛ばされていた。この学校の見取り的に真琴がいる教室の向かいは
校庭である。そこまで化物は砂埃を巻き起こし、花壇や木々を薙ぎ倒しながら校庭中央へ
教室にただ立ち尽くしている二人は今の光景に絶句していた。一人は今起きている光景が自分には理解できず
夢幻ではあってほしいという願望を願いながらもそのまだ言えぬ傷口から垂れる血液の暖かさと痛みで
現実だということを改めて自覚し、もう一人はただ空中に立っている少女と今飛び出していった同級生を
眺める。彼は地球人のはずだ
「さて、さっさと片付けようか。本来なら汚い体液をぶちまけて臓物を抉り出してやるのが
覚醒暴走した主人公っぽいけども・・・・どうにも、あんたの体液は有害のようだから」
息を吸い込む、肉体は完全に再生されビリビリに破れた制服も買った当初のように新品同様に
「出来るだけ被害を出さないようにさっさと終わらす」
「笑わせるなよ。地球人が」
短い息継ぎと言葉は同時に交差する。砂埃から一つの鉄塊にも腕が・・・・獲物を狙う
腕からは人間のような手と二の腕にあたる部分からだろうか、無数の突起が現れ
包み込むようにして伸びる。
「流石に・・・・もう逃げねぇよ」
その攻撃の意図は至極簡単なことなのだ逃げる隙間を無くす。ただでさえ、太い体がすり抜ける余地も
最初から存在していないわけだが、相手は戦いなれた異星人、どのような状況でも最善の一手で
獲物を仕留めるのだろうが
「ふぅ、いくぞ」
その突起や腕が体を突き刺す手前、新品の卸たてのようになった制服が再び、無残に破れるより速く
「な」
化物は違和感を感じた自分の視界がズレたのだ。地球人を粉々にする己の腕が相手を捉えるより
その瞬間、左右の視界が数cmの誤差を智能基幹へと訴えた
「にがお・こ・・」
言葉が出ない。この星の言語はそれほど発音が難しいわけでも化物の骨格的問題で発音できないわけでも
「ってい」
化物が認識したのは己の体が半分、綺麗に切り裂かれているという事実
「良く斬れる」
辛うじて残っている意識で標的を視認しようとするがもはや、視界が覚束無い。可笑しい・・・・俺の
細胞たちがこんな単純な現象に対して再生機能を生命機能の保護を取らなないなど
「死ぬってのはさっき死んで来た身だからわかるが、随分とあっさりなもんだ。愉しいとか
悲しいとかそんな感情なんて何もない。ただ、闇に呑み込まれる」
「る」
「アンタは生き返らせないが、ゆっくり眠ってくれ」
左右離れていく視界が獲物を・・・いや、獲物だった者を捉えた。手から何か液体状のモノを発生させながら
視界が完全に無くなる。無くなる一瞬、ほんのりと温かいモノを感じた
あの「温かさ」は一体なんだったのだろうか。ただ、その意識が闇に落ちていくのだった
化物の命が消える時、そっと彼は化物の顔まで宙を蹴ってまだ光あるある瞳らしき部分に膜を下ろしたのだ
そこに膜のような機能があることも知らずに自然に身体動いたと言ってもいい。
「あぁ。地球人で初宇宙人を殺した人間になっちま」
意識が再び遠のいていく、さっき覚醒したばかりなのに身体が脳の命令を受け付けず
再び冷たく光のない世界に誘おうとしている「こ」思わず、口から漏れた最後の一文字
二度目になる生命の終わりを締めくくったのは情けない単語につながる頭の一文字とどこか柔らかく
そして温かい何かだった。
ふっと、目を覚ますと医療水の交換が終わったのか少女がそっと手を抜いているところだった。
そんな姿をぼーっと見ながら、我に返った真琴が口にした第一声は
「何が二度は名乗らないだよ。まだ一度も聞いてないじゃないか
それどころか一言も発してない。」
そんな皮肉を聞いた少女は、そうだったか?っと言う表情を浮かべている
また、強引に記憶旅行に誘ったとは少女とは別に
「そして、貴方の名前もまだ聞いてないです」
命の恩人である彼女の本当の名前もまだ知らない。この反応に少女たちは二人して顔を見合わせ
かなり最近に命を狙って襲ってきた側・命を狙われた側の何とも不可思議な関係にある
少女たちは二人して笑いながら、
「「完治したらね」」
その返答に不満の意を示す顔を作ろうとしたがどこか、そういうわけにもいかず笑ってしまった
大切なことは思い出したのだ。少女の名前ではなく、自分がどうしてこうして生きていられるのか
何をしてしまったのか。そんな感情を覗かせまいとしたら笑うしかなった
「あぁ、これからどうなるんだろう」
季節は夏、学生ならば最高に待ち遠しい夏休みの入口間近
どうやらただの夏にはなりそうにない。
ベチャ、何とも言えない音が地面に響いた時、教室の廊下には人間の血と化物の体液が混ざり合った液体で
染みが出来上がるがその染みも一瞬して、ドロドロと地面を溶かし下の階へと垂れていった。
「溶解液みたいな体液をしている。ますます、気持ち悪いな、あんた」
体液が下に垂れていく様を眺めながら、再生は続く
「お前も大層なものだぞ。地球人にも再生能力があるのだな」
噴水のように体液が吹き出している腕をひと振り
飛び散った体液が付近に植えられていた木々や草に降れ木々たちが変色
していく。あの体液はどうやら、かなり危険な汚染物のようだ。
汚染物を体内で生産しそれを通わせている辺りが宇宙人
本当に人間の企画ではない未知の生命体
「本来、地球人には再生能力はねぇよ。俺が特別だ。それに「も」か。
さっさと再生したらどうだ?これ以上、汚染するんじゃねぇ」
「ふん、俺の体液で汚染とは地球の生物や造形物は脆いな」
「デリケートなんだよ。アンタたちと違ってね。」
鼻息を鳴らしながら切断された手首から上が生えて来る。体液に塗れでヌルッとした光沢を纏いながら
「気持ち悪いことで・・・・では、再生して申し訳ないんだが」
その光景を見ながら真琴は飛び出していた校舎の外へ砕かれ抉られた
教室だった場所から化物目掛けて
「被害が広がるんでなぁ!!!!!!!!」
蹴り飛ばす。勢い良く飛び出したものの普通ならば失速するだろうが
失速することなくその巨躯は宙を舞ったのだ。
「飛べない豚はただの豚ってか」
蹴りを見舞いしながら自身に対する皮肉を言う。化物はというと反応できなかったのかわざと反応しなかったのか蹴りをその見に受けその巨体を
後方へと飛ばされていた。この学校の見取り的に真琴がいる教室の向かいは
校庭である。そこまで化物は砂埃を巻き起こし、花壇や木々を薙ぎ倒しながら校庭中央へ
教室にただ立ち尽くしている二人は今の光景に絶句していた。一人は今起きている光景が自分には理解できず
夢幻ではあってほしいという願望を願いながらもそのまだ言えぬ傷口から垂れる血液の暖かさと痛みで
現実だということを改めて自覚し、もう一人はただ空中に立っている少女と今飛び出していった同級生を
眺める。彼は地球人のはずだ
「さて、さっさと片付けようか。本来なら汚い体液をぶちまけて臓物を抉り出してやるのが
覚醒暴走した主人公っぽいけども・・・・どうにも、あんたの体液は有害のようだから」
息を吸い込む、肉体は完全に再生されビリビリに破れた制服も買った当初のように新品同様に
「出来るだけ被害を出さないようにさっさと終わらす」
「笑わせるなよ。地球人が」
短い息継ぎと言葉は同時に交差する。砂埃から一つの鉄塊にも腕が・・・・獲物を狙う
腕からは人間のような手と二の腕にあたる部分からだろうか、無数の突起が現れ
包み込むようにして伸びる。
「流石に・・・・もう逃げねぇよ」
その攻撃の意図は至極簡単なことなのだ逃げる隙間を無くす。ただでさえ、太い体がすり抜ける余地も
最初から存在していないわけだが、相手は戦いなれた異星人、どのような状況でも最善の一手で
獲物を仕留めるのだろうが
「ふぅ、いくぞ」
その突起や腕が体を突き刺す手前、新品の卸たてのようになった制服が再び、無残に破れるより速く
「な」
化物は違和感を感じた自分の視界がズレたのだ。地球人を粉々にする己の腕が相手を捉えるより
その瞬間、左右の視界が数cmの誤差を智能基幹へと訴えた
「にがお・こ・・」
言葉が出ない。この星の言語はそれほど発音が難しいわけでも化物の骨格的問題で発音できないわけでも
「ってい」
化物が認識したのは己の体が半分、綺麗に切り裂かれているという事実
「良く斬れる」
辛うじて残っている意識で標的を視認しようとするがもはや、視界が覚束無い。可笑しい・・・・俺の
細胞たちがこんな単純な現象に対して再生機能を生命機能の保護を取らなないなど
「死ぬってのはさっき死んで来た身だからわかるが、随分とあっさりなもんだ。愉しいとか
悲しいとかそんな感情なんて何もない。ただ、闇に呑み込まれる」
「る」
「アンタは生き返らせないが、ゆっくり眠ってくれ」
左右離れていく視界が獲物を・・・いや、獲物だった者を捉えた。手から何か液体状のモノを発生させながら
視界が完全に無くなる。無くなる一瞬、ほんのりと温かいモノを感じた
あの「温かさ」は一体なんだったのだろうか。ただ、その意識が闇に落ちていくのだった
化物の命が消える時、そっと彼は化物の顔まで宙を蹴ってまだ光あるある瞳らしき部分に膜を下ろしたのだ
そこに膜のような機能があることも知らずに自然に身体動いたと言ってもいい。
「あぁ。地球人で初宇宙人を殺した人間になっちま」
意識が再び遠のいていく、さっき覚醒したばかりなのに身体が脳の命令を受け付けず
再び冷たく光のない世界に誘おうとしている「こ」思わず、口から漏れた最後の一文字
二度目になる生命の終わりを締めくくったのは情けない単語につながる頭の一文字とどこか柔らかく
そして温かい何かだった。
ふっと、目を覚ますと医療水の交換が終わったのか少女がそっと手を抜いているところだった。
そんな姿をぼーっと見ながら、我に返った真琴が口にした第一声は
「何が二度は名乗らないだよ。まだ一度も聞いてないじゃないか
それどころか一言も発してない。」
そんな皮肉を聞いた少女は、そうだったか?っと言う表情を浮かべている
また、強引に記憶旅行に誘ったとは少女とは別に
「そして、貴方の名前もまだ聞いてないです」
命の恩人である彼女の本当の名前もまだ知らない。この反応に少女たちは二人して顔を見合わせ
かなり最近に命を狙って襲ってきた側・命を狙われた側の何とも不可思議な関係にある
少女たちは二人して笑いながら、
「「完治したらね」」
その返答に不満の意を示す顔を作ろうとしたがどこか、そういうわけにもいかず笑ってしまった
大切なことは思い出したのだ。少女の名前ではなく、自分がどうしてこうして生きていられるのか
何をしてしまったのか。そんな感情を覗かせまいとしたら笑うしかなった
「あぁ、これからどうなるんだろう」
季節は夏、学生ならば最高に待ち遠しい夏休みの入口間近
どうやらただの夏にはなりそうにない。