前振りはなしでGO
まぁ、考えてみればそうだろう
彼女の隣になれば少なくとも彼女の近くで過ごす時間が
あるわけでそこから会話などを交えつつ親しくなる可能性も
そしてそこからという展開も期待できなくもない
俺にとってそんな可能性は万に一つもないがこの席は確かにいい
彼女が隣に座っているか云々を除いて
窓に近い列の一番後ろ一種の特等席というやつだ
しかも、季節は日が煌々と照りつける7月下旬
日が当たるのはきついかもしれなが風が吹けば多少は和らぐ
無条件に一番後ろというのは都合がいい
後ろを気にしなくていいからだ
それ以外の理由は、俺だからだろうな
彼女に話しかけに来る場合に俺の近くにも来なければならない
俺が窓際の列であればそれもなかったかもしれないが右側なのだ
これがどういうことか彼女に近づく場合
移動する列は俺にも極めて近いわけで俺はだいたい
いつも席を動かない。
人気者と嫌われ者の間に来ることになる
彼らはそれがどうも嫌らしい
そんな事を考えながらいつの間にか席についた。
取りあえず、椅子を引き席に座る
気のせいかいつもより座り心地は良くない
視線は気にならなくなってきたが今度はこの空気が嫌いだ
彼女との距離は机一つ分ぐらいの距離なのだが
どうも何百光年と離れている気がする
凍りついたというか・・・・・私には近寄るなオーラが張られている気がする
よく考えれば、教室に入った時の違和感は視線だけではなかった
「まぁ、ここまで来たらそんなことはどうでもいい」
そう言いながら机の近くに荷物を置き
彼女の方を向いた。この席からドアは確かに距離があるがそれでも
せいぜい、数メートルといったところ
たったそれだけの距離から見た彼女とこの距離から
見た彼女はまったくの別人にすら見える
真夏の太陽光が彼女の透き通った髪を照らすと冷気すら感じるほど
美しい。一瞬、自分の時間が止まったかのように思えた
・・・・・おっと、自分が何をしようとしているか危うく忘れるところだった
我に返った俺は口を開こうとした時
俺の耳に何かのノイズのようなものが聞こえた
・・・・・・・いや、歌か?
そう考えた瞬間に俺は意識を失った
俺が気がついたのは病院のベットの上
涙を浮かべている家族と彼女、そして・・・・・・見ず知らずの少女が一人
俺は水に包まれながらベットに横たわっている
自分がどういう状態なのか、その時の俺には理解できなかった。
ただ自分の腕に目をやると生々しい傷がいくつもあり、酷いものでは
骨まで見えるモノもそして、水の中にいるはずなのに
呼吸ができること
そんなことはどうでも良かった・・・・本当ならどうでも
いいような現状ではない
だが、それよりも自分の両手に残っている
この生々しい感覚
「俺は誰かを殺したのか」
というわけで今日はここまで
一応、これで一話目が終了?という感じです
次が二話目になりますが・・・・・拙者の表現力が
足りるかなぁ
という感じです
まぁ、もともと足りないのでそこらは目をつぶってくださいまし
当てにならない次回予告
歌が聞こえた
ただそれだけのはずだったなのに何故
ベットの上にこんな状態で寝ている
記憶になくても体に残っている
この感覚
次回
「歌」