世界一周の記録

2006年8月から2008年9月まで2年1ヶ月の世界一周放浪の旅をしていました。その旅の記録です。

アジアまとめ

2008年09月22日 01時42分38秒 | アジア

帰国して2週間が経ちましたが、まだ姫路の実家にいます。役所関係の手続きや、荷物や写真の整理などをしていたら意外と忙しくてあっというまに時間が過ぎていってしまいました。そして阪神と巨人のゲーム差もあっという間に縮まってしまいましたね・・・。


◆アジアまとめ内容◆
・国ごとコメント
・食事
・犯罪、テロ
・行きたかったけど行かなかった所
・まとめ所感


滞在日数:316日(旅合計762日)
訪問国数:18カ国(旅合計69カ国)


<国別コメント>

・日本一時帰国(2007/10/13-10/26:姫路、神戸、大阪、京都)

たったの2週間だったけど、いろんな友人とも会うことができたし、寿司・居酒屋・焼肉・日本酒・焼酎を始めとする世界で最も美味しい日本食をたらふく食べれたし、大満足の一時帰国でした。


・トルコ1回目(10/26-11/14:イスタンブール、ギョレメ(カッパドキア))

旅の再スタートの地・イスタンブールでいきなり2週間の停滞。でもその間には多くの出会いや再会があったので納得の停滞でした。安宿ツリー・オブ・ライフは思い出深い宿です。町並みは基本ヨーロッパ的な中にイスラムテイストが随所に見受けられて、なかなか味わい深いです。カッパドキアは寒かったけど、静かでのんびりとした雰囲気が良かったです。物価はやっぱり高かったです。


・シリア1回目(11/14-11/19:アレッポ、ハマ、クラック・デ・シェバリエ、ダマスカス)

ヨーロッパ的先進国のトルコのような国から来ると完全なアラブ世界のシリアはワンダーランドな感じがして良かったです。人がとてもフレンドリーでした。


・ヨルダン1回目(11/19-11/22:アンマン、死海)

評判と違ってただのエロアラブ人だった有名人サーメルさん(安宿の従業員)。評判と違って荒れていてとても浮かんでられなかった死海。でも出会いや再会が多くて滞在は楽しかったです。


・イスラエル&パレスチナ(11/22-12/4:エルサレム、死海、ベツレヘム、ヘブロン、ジェリコ)

見所が多く、独特の雰囲気・オーラが漂うエルサレム。世界中から大勢のバックパッカーが集まるファイサルという安宿は毎晩がどんちゃん騒ぎの宴会でとても楽しかったです。ヘブロンでは、卑劣なユダヤ人達による信じられないほど酷いパレスチナ人いじめを直に見ることができ、強い衝撃を受け、その後の宗教に対する考え方に大きな影響を受けました。


・ヨルダン2回目(12/4-12/7:アンマン、ペトラ)

ペトラ遺跡は期待以上にかなり良かったです。大きいし、広いし、見ごたえありました。


・シリア2回目(12/7-12/8:ダマスカス)

イランを目指して一路北上しました。国境で入国審査をしている間に、それまで乗っていたバスが僕を置いて出発するというまさかのトラブルに遭いました。


・トルコ2回目(12/9-12/10:ガジアンテップ、ドゥバヤジット)

イラン行きのバス乗り場だと言われた場所(汚い広場)で丸一日待ちぼうけを食らわされました。


・イラン(12/10-12/19:テヘラン、エスファハン、マシュハド)

イラン人は、びっくりするほど旅人に親切でした。マシュハドの巨大宗教施設(ハラム)が印象的です。


・アラブ首長国連邦(12/19-12/20:シャルジャ)

びっくりするほどインド人がたくさんいて、みんな親切でした。オイルマネーで潤っている感じがとてもよく伝わってきました。


・インド1回目(12/21-2008/1/15:ジャイプル、デリー、アーグラ、バラナシ、コルカタ)

混沌の国。とにかく疲れます。でも、バラナシのあのガンガー沿いの雰囲気は大好きです。コルカタでは人生で最悪のゲリに苦しめられました。


・バングラデシュ(1/15-1/22:クルナ、ダッカ、シレット、タマビル)

元インドだけにインドと似ていました。貧しい国というイメージがあったけど、アフリカやインドの後に行くとそれほどでもない印象です。名前と違って遅い船・ロケットスチーマーは良かったです。国境で初ワイロを体験しました。


・インド2回目(1/22-1/26:シーロン、グワハティ、シリグリ)

納豆を食べるためにインドの北東部メガラヤ州へ行きました。東南アジア系の人種の人が多く住んでいて、インドの一部のくせにバングラデシュよりもインドらしくなかったです。


・ネパール(1/26-3/19:カーカルビッタ、カトマンドゥ、ポカラ、 エベレスト・トレッキング)

最も好きな国の一つです。瞑想修行やヒマラヤトレッキングなどの一生忘れられないビッグイベントがあったし、印象的な出会いや再会もあったし、日本食は美味しいし、何もかもが素晴らしかったです。


・インド3回目(3/19-4/26:バラナシ、リシュケシュ、アムリトサル)

ホーリーという大きい祭に合わせて三度目のインド入国です。バラナシの久美子ハウスは期待どおり良かったです。リシュケシュの25日間のヨガ修行は、静かで平和で楽しい印象的な滞在となりました。電車移動中に財布を失くしたのですが、平和でスピリチュアルなアムリトサルでその痛手は癒されました。
インドについて、多くの旅人が「インドにいる時はインド大嫌いなんだけど、インドを離れるとなんだか懐かしくなってまた戻りたくなるんだよねー」というようなことをよく言っていますが、僕も今はその気持ちがよくわかります。僕も、旅行中には「インドはとても面白いけれども、どこも混雑していて汚くて疲れるし食事は口に会わないしで、総合的にみるとそれほど好きな国でも無いなあ」と思っていたのが、日本に帰って来てからは、インドのことを暖かく懐かしい、でも切ないような気持ちで思い出すようになってきました。なんでなんだろう。インドのことが好きになってしまったのでしょうか。


・パキスタン(4/26-6/10:ラホール、ラワールピンディー、イスラマバード、ペシャワール、チトラール、カラーシュバレー、マスツージ、ギルギット、フンザ(カリマバード、パスー)、ススト)

暑くてむさ苦しい平野部(ラホール~ペシャワール)と涼しくて風光明媚な北部山岳地帯(チトラール~フンザ)のそれぞれに違った魅力があって面白かったです。人がフレンドリーで親切だったし、色々と面白い出来事も多かったです。特にピンディーでのキャッシュカード到着待ちと、ペシャワールのババジイツアーと、チトラールでのアフガン人とのサッカーと、フンザでの孤独トレッキングが思い出深いです。


・中国(6/10-6/24:カシュガル、敦煌、興海、西寧、北京)

パキスタンとのギャップが凄すぎて入国直後は何もかもが新鮮で衝撃的でした。その先進国ぶりや、料理の美味しさや、人の顔が僕と同じことなどに。独特なトイレ文化にも。興海のチベット寺訪問は、チベット人が面白いし景色も綺麗だしとても印象的でした。


・ドイツ&スイス(6/24-6/26:ミュンヘン、バーゼル)

大学時代の友人なおくんに誘われてはるばるスイスまでサッカーを見に行きました。さすが欧州選手権の準決勝、ものすごく面白かったです。


・中国2回目(6/27-7/8:北京、昆明)

北京では、大気汚染とスイス往復のハードスケジュールのために体調を崩して宿で引きこもっていました。万里の長城は暑かったけど、やっぱり凄かったです。


・ラオス(7/8-7/10:ビエンチャン)

二日だけで駆け抜けました。のんびりとした国でした。中国人がとても多かったです。


・タイ(7/10-7/24:バンコク、コ・タオ(タオ島))

大都会バンコクで美味しいタイ料理を満喫しました。漫画喫茶にも行きました。歯医者にも行きました。タオ島で久しぶりのダイビングもしました。


・カンボジア(7/24-7/30:シェムリアップ、プノンペン)

久しぶりに日本人旅行者に囲まれてテンションが上がりました。凄く楽しかったです。アンコールワット遺跡やトンレサップ湖の水の町も良かったし、素晴らしい滞在になりました。


・ベトナム(7/30-8/6:ホーチミン、ハノイ)

東南アジアの旅のイージーさに旅のモチベーションがちょっと下がっていました。強烈なスコールとバイクの多さが印象的です。


・中国3回目(8/6-9/1:雲南省(河口、昆明、大理、麗江、瀘沽湖、シャングリラ)、四川省(攀枝花、成都)、上海、大連)

中国という刺激的な国でモチベーションも回復し、旅のラストスパートという感じでガンガン移動して観光しました。雲南省の少数民族は風情があってよかったし、成都のパンダは可愛かったし、上海の都会ぶりや雑技団は凄かったし、大連では友達にお世話になったし、やっぱり中国という国は楽しいところでした。ちなみに、この滞在は北京五輪と期間が重なっており、大理にいる時に開幕して上海雑技団見学中に閉幕しました。


・韓国(9/2-9/6:ソウル、釜山)

韓国人の友達のお世話になりました。いろんな意味で日本と最も近い国です。韓国料理が、この旅で食べた料理の中で一番好きです。


・日本帰国(2008/9/6)福岡港 、姫路


ついに帰国しました。帰国して思うことは、僕はやっぱり日本が一番好きな国だということです。



<食事>
アジアの旅は最も食事が楽しい旅でした。中東は味が単調だけど安くて美味しいし、ネパールは日本食・チベット料理・ネパール料理と何を食べても安くて美味しいし、中国は脂っこいけど安い上に味は素晴らしいし、東南アジアは中国以上に日本人好みの美味しさだし、韓国では悲鳴が出て号泣しそうになるほど何を食べても美味でした。
ただし、インドは、、、インドだけは食事で苦戦しました。一食400円くらい出すとかなり美味しいカレーが食べれるのですが、その一方で100円以下で腹いっぱいカレーを食べられるターリーというインド定食があるので、長期旅行者としてはターリーの方を食べるべきであろうと思いターリーを食べていたのですが、3分の1くらいの確立で頭がおかしくなるくらい辛いカレーに当たるのです。マサラ味とか何味とか関係なくただひたすら辛いという。しかもゲリに当たる確立も高いという・・・。なので、インド後半ではカレー恐怖症になり、インドで一番無難なニセ中華ばかり食べていました。



<犯罪やテロなど旅の危険>
アジアは、アフリカや南米のような凶悪な犯罪が少ないらしいので安全なイメージでしたが、実際、全く犯罪には遭わなくて、イメージどおりでした。町は平和な雰囲気だし、夜中一人で出歩いても問題はなさそうです。
一方でテロというイメージは世界で最も大きいと思うのですが、そちらに関しても運良く大丈夫でした。特にパキスタンは、僕が訪れる半年くらい前から総選挙に絡んで暴動などが起きて治安が悪化しており、アフガニスタン国境のテロリスト問題などでも騒がれていました。実際に僕がパキスタンにいるころは旅行者が激減していました。ただ、テロでいうと、パキスタンよりも無差別に頻繁に一般民衆を殺すインドのテロの方が怖いというイメージですが、なぜかそちらはあまりクローズアップされませんよね。なぜなんだろう。
どちらにしろ、旅行者がテロに遭遇するという可能性は低いし、僕が肌で感じた感覚でも、アフリカや南米の方がよっぽど旅行者の身に降りかかる危険は大きいんじゃないかなと思います。


<行きたかったけど行かなかった場所>
なんといってもチベット自治区に行けなかったということが一番大きいです。旅の最初の頃から、チベットにある聖山カイラスに巡礼することが旅の最後にして最大のハイライトになると思っていました。それが、今年3月のチベット暴動で突然チベット自治区に入れなくなってしまい、それはもうかなり残念でした。その代わり青海省チベット自治州に行って楽しめたので、よかったのですが。

その他

・インドの南部:ゴアやムンバイ、アジャンタ&エローラ、バンガロール、カーニャクマリなど見所満載のインド南部を丸ごとスルーしてしまいました。でも、北部だけでインドお腹いっぱいになりました。

・ネパールのアンナプルナトレッキング:たっかい入場券を買ってトレッキング用の装備も準備してパッキングして、さあ出発という前日に発熱してしまい泣く泣く断念しました。

・東南アジア:ラオスのバンガオンやタイのチェンマイ、ベトナムのフエやホイアン・ムイネイなどなど。たった一ヶ月では東南アジアは全然見きれませんでした。

・中国も広すぎるし見所が多すぎるし大変です。2ヶ月近く滞在して忙しく動いたのにも関わらず、香港、九寨溝、黄山、福建省の客家円楼や土楼、広州、などなど行きたかったところが山のように残っています。



<まとめ所感>
世界一周の最後をアジアにしたことは、とても良かったです。物価が安くて金銭的なプレッシャーがほとんど無かったし、どの国に行ってもそれぞれが個性的で刺激が強くて飽きることなく楽しめたし、帰国直前に至るまで旅のモチベーションが落ちることはほとんどありませんでした(もしヨーロッパが最後だったらグダグダの最後になっていたと思います)。特にネパールやインドにいたころは、この旅でも最高に旅への熱意が高まって、強く深い刺激的な経験をすることができました。

また、南北アメリカ編で飛行機を使いすぎて旅が味気なかったことの反省で、極力飛行機を使わずにほとんど陸路と海路で旅ができたこともとても良かったです。特にバス移動では、休憩を何度もしながらゆっくりと長い時間をかけて目的地に向かって行くので、途中で色んなものが見れるので、そこはとても良かったです。

出発前からアジアに最も時間がかかるだろうと予想していたので、11ヶ月という最も長い時間をアジアに割り当てましたが、それでも全然足りなくて、結局最後の方の東南アジアや中国は駆け足になってしまい、多くの見所を見逃してしまいました。そこは少し残念です。

でも、何と言っても結局は、生きて無事日本に帰ってくることができたので、このアジア編は大成功だったということにしたいと思います。