切れ切れ爺さんの徒然撮影&日記

主に寺院や神社等を中心に、文化財の撮影と紹介。
時に世の中の不条理への思いを発言していく。

妙心寺塔頭 桂春院と退蔵院 京都市右京区・・・藤の花を求めて

2019-05-24 23:35:11 | 撮影

妙心寺

 

 右京区花園にある妙心寺へ行く。
 車で行く場合にはナビでは北側の入り口に案内される。そちらにも駐車場があるからだろう。しかし本当は南側の横に広い駐車場がある。ナビとしては失格だ。公共交通機関では市バスの他、京福電鉄に妙心寺駅があり北側のすぐ前になる。
 妙心寺は広大な敷地を持ち、南北に6~700m位、東西も500m位はあるだろう。臨済宗妙心寺派の総本山で50近くのは塔頭がある。しかし通年で公開しているのはそのうち、僅か3寺院でしかない。
 妙心寺の創建は建武四年、(1337年)花園法皇による。禅のお寺であり、その意味では禅の修行中心として成り立っており、いわゆる観光寺院にはならないんだろう。そういう事情もあってか、塔頭寺院が並ぶ通路では、隣接する高校の部活の生徒たちが男女問わずランニングのコースとして利用していた。
 今回の目的は通年で公開されている退蔵院。しかしせっかく妙心寺に来たのだから、表にあたる南総門へ行く。この門は国の重重要文化財。巨大な三門が現れる。続いて仏殿、法堂と続く。これらも全て 重要文化財に指定されている。圧倒的な迫力で迫ってくる。一部工事中だったのだが、とにかく見事なものだ。この周辺が妙心寺の境内の中心部になる。池があり多くの樹木が立っている。多くの観光客もこの辺りを中心に見学している。この日は本堂が公開される日で随分人が多かった。
                
 この日は北総門(これも重要文化財) から入ったので、いきなり塔頭寺院が建ち並ぶ迷路のような石畳の通路を右へ左へと歩くはめとなった。その途中で公開寺院があったので寄っていく。桂春院だ。但し本来の目的は退蔵院。
      
 *これらの画像の中にはたまたま門が開いていた「大心院」のものも含まれています。


桂春院



『桂春院
 慶長3年(1558)に美濃の豪族石河壹岐守貞政が桂南和尚を講じて創建した妙心寺の塔頭の一つで、東海派に属している。
 庭園は方丈の南、東及び前庭の三つに分かれる。北条南庭は、北側の崖を躑躅の大刈り込みで蔽い、その下に東より、椿、紅葉等を植え、庭石を七五三風に定地を利用した飛石本位のもので茶庭の観をそなえている。
 茶室は草庵風の三畳の席で、藤村庸軒の好みと伝えている。
京都市
 (駒札より)

 
 妙心寺の塔頭の中では、今までに退蔵院にしか行ったことがなく、ここ桂春院は初めてとなる。
 多くの重要文化財なども保有しているが、公開されていたのは庭園。境内全体が樹木や植物で密集しており、方丈からは整備された庭園を拝見することができる。シーズンオフということで何かの見頃というものはないが、全体的に緑葉であってもなかなか見栄えがする。ここは通年公開ではあるが、他に特別な公開も何かあったようで、大勢の人が入場していた。きっと秋の紅葉シーズンには見事な風景が見られるだろう。
      


退蔵院

 

『退蔵院
 越前(現在の福井県)の豪族・波多野重通が、妙心寺三世の無因禅師を開祖として、応永二年(一三九五)に創建した妙心寺の塔頭である。
 建物はその後再建され、現在の方丈(重要文化財)は慶長年間(一五九六~一六一五)の建築である。
 方丈西の庭園(国の史跡及び名勝)は、室町時代の有名な画家・狩野元信の作庭と伝えられている。二百平方メートルほどの広さであるが、石組本位の枯山水庭園で、一見無造作に石や橋が配置されているように見えるが、全体として見事に絵画的な調和を保っている名園である。
 寺宝のうち瓢鮎図一幅(国宝)は、瓢箪でなまずを押えるという禅の公案(試験問題)を絵に表したもので、足利義持の命により如拙が心血を注いで描いた最高傑作としてよく知られている。如拙は相国寺の禅僧であったが、宋元画を学び日本の水墨画を開拓した先駆者で、雪舟もわが師と呼んで手本としたといわれている。
 ほかに、花園天皇、後奈良天皇の宸翰(重要文化財)などを蔵する。
 京都市 (駒札より)

         
 最後に退蔵院へ入る。
 ここは桜の名所であり、紅葉の名所でもある。また他のシーズンでも綺麗な緑樹や花々を見ることができる。私にとっては見慣れた境内だ。なぜここを目的に行ってきたかと言うと、京都でも数少ない藤の花の名所ということで撮影に訪れた。やはり特別公開ということで方丈などの建物に入ることもできる。今までは庭園だけしか入っていないので、初めて堂内に入った。
 この寺院が保有する有名な「紙本墨画淡彩瓢鮎図」の模写が掲載されていた。もちろん国宝。現時点では日本最古の 水墨画と言われている。長期にわたる保存はかなり困難なので、本物は京都国立博物館に寄託されている。

 模写であっても、禅問答の一つを絵に表したものとして、なかなか見事なものだった。もちろん問答の内容や意味はさっぱり分からないが。
 方丈を出て境内に入る。歩きなれた通路。ツツジなどの花がきれいな色を放ち、背景の庭園と見事にマッチしている。池の周りをぐるっと回りながら要所要所で撮影して行く。そして最後に藤棚が見えてきた。
 さすがに人が集まっている。規模としてはやはり小さい。それでもあちこちで簡単に見られるものではないので、しかも短い期間なので、この藤棚を求めて多くの人が来ているんだろうと思われる。仮に藤棚がなくても、このポイントからの庭園の眺めは素晴らしいというほかない。退蔵院が妙心寺の中でもずば抜けて人気があるのもわかる。
 こうして貴重な藤棚を撮影することができて大いに満足。次は紅葉シーズンの時に多分来ることになるだろう。でもすでに退蔵院の紅葉は撮影済みだが。

           

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