きらせん

仙台のきらめき










東北大学公共政策大学院准教授
佐分利 応貴

 「距離感」

2008-01-22 23:41:35 | Weblog
  学生との距離感は難しい。

  M2(修士2年)の学生から相談があるが、もうリサーチペーパーの指導期間は終わっている。今から指導すると口頭試問対策になってしまう。
  それに学部生と大学院生は決定的に立場が違うのだ。口開けて待ってて、エサが降ってくるのではないのである。エサが欲しければ自分で取りに行く、これが大学院生である。(本当は学部生もそうあってほしいが。)

  M1のワークショップもそう。答えをいいたくても、言ってはならない。
  そのもどかしさ。
  自分が「こうしたら」と示せたら、どんなに楽か。(時々やってしまうが)
  自分で「こう書けよ」と赤ペンで直せたら、どんなに楽か。(時々やってしまうが)

  最初から答えを教えてもらおうなんて思うな。自分の頭で考えろ。
  大人のくせに「どうすればいいですか」なんて聞くな。
  「こうしようと思うのですが、よろしいですか」と聞けよ。

  しっかり見ようとすると「甘やかしすぎ」と言われ。
  自主性を育てようとすると「指導力がない」と言われ。
  ミンナニデクノボートヨバレ。
  ホメラレモセズ。
  クニモサレズ。
    
  地域の empowerment やってるはずなのに、身近な学生の empowerment もままならない。う~ん、困ったもんだ。
  そうして、心の距離感はどんどん開いていく。
  嗚呼。