目の中のリンゴ

20年ぶりにオペラ座熱が再燃!!

「くちづけ」 涙なしには・・・

2014年06月29日 | 映画タイトル か行
”泣ける”と謳い文句の映画や本には
拒否反応を示してしまう天邪鬼で、
もとの舞台の評判は聞いていても
見る気が起きなかったのですが
今夜WOWOWをつけたら ちょうど始まったところだったので
見てしまいました・・・。

「くちづけ」(2013年)

知的障碍者が暮らすグループホームを舞台に
”うーやん”と”マコちゃん”の恋と
マコちゃんと父親の愛情を描く。

以下、ネタバレありです

うーやん役の宅間孝行が脚本。
監督は堤幸彦で、私は舞台版は冒頭のワンシーンしか
みたことがないのだけど、
その舞台の雰囲気をそのまま映画化しているんじゃないかな、
と感じられる空気でした。

大きな子供みたいな知的障碍者たちが生活する
施設に、元漫画家の”愛情いっぽん”氏(竹中直人)が
住み込みで働くため、娘のマコ(貫地谷しほり)と
やってきた。

うーやんたち施設の入居者との
ドタバタの日々が笑いとともに描かれる前半から
一転、次第に内容は現実の厳しさと
”愛情いっぽん”の直面する
問題の重さに深刻なムードに・・・。

うーやんの妹の縁談が破談になったり
知的障碍者が刑務所に入る割合が多い、
それは冤罪によるものも多いという話や
面倒をみる身寄りがいない者は一人で何もできずに
ホームレスになるしかない・・・という話など。

もともと舞台の脚本を執筆するキッカケになったのは
宅間さんが新聞で読んだ実際の事件だというし、
最近でもニュースで耳にする。

本当につらい話だ。
親である自分が死んでしまったら、
一人で生きていけない子供はどうなってしまうのか。
その行く末を案じるあまり、手をかけてしまう、
という気持ちがわかると思ってしまうほど
たぶん現実は厳しく、生き辛い。

実際に障がいや難病をもつ子供さんを持つ親御さんの
気持ちは、簡単に想像できるものではないけど
この映画をご覧になって辛い思いをされたのでは
ないでしょうか・・・。

今、妊婦の出生前検査がいろいろと話題になってますが
それも、こういうことを考えてのこととはいえ
決断するのは難しいことです。

泣ける、とか涙なしには見られない、と
宣伝するのは好きじゃないけれど、
ほんとに涙なしには見られない映画でした。

宅間さんのうーやんは まさに”うーやん”という人だったし
貫地谷しほりちゃんも難しい役を
心をこめて演じてる、という感じでした。
(「スウィングガールズ」も「ちりとてちん」も大好き!
コンスタントにひっぱりだこだよね。)

つらいけれど、優しくあたたかい物語でもあります。
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2 コメント

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Unknown (Ageha)
2014-08-04 11:25:59
これはたまたまダーリンが見てたやつを
横からしかも途中からだったので
ブログレビューは書いておりませんが
衝撃作でした・・・。

やっぱね~、そこまで娘の未来を心配するなら
なんとか託せるひとを探せなかったのかと
どうしても思っちゃいますね・・・
時間がなさすぎたとはいえ、愛情の深さより罪の深さを思うのは
第三者が外から眺めてるからこういう感想になっちゃうのでしょうかね・・・。
返信する
衝撃でしたね (kino)
2014-08-05 00:19:02
>Agehaさん
私も、見る気なしに見始めて、最後まで見ちゃいました。

たしかに・・・ほかの道もあっただろうにね・・・。
あのホームが経営難だったことや、
今までの経験からして、もうこれしかない、と
思っちゃったのかな・・・。
執拗に描かれたあのシーンがほんと辛かった。
返信する

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