目の中のリンゴ

20年ぶりにオペラ座熱が再燃!!

「月と蟹」 道尾秀介

2011年03月08日 | 読書
直木賞受賞作。
「月と蟹」(道尾秀介 文藝春秋)

賞をもらったから、ベストセラーだから、と
読むのはミーハーな気もしますが、
どの本から手にとっていいか迷うような時は
それでもいいかなぁと。
それがきっかけで今まで読んだことのなかった
作家さんを知ることもできるんですから。

で、初めて読んだ道尾さん。

少年の視点から描く、ということで
ほのぼのしたお話??と想像していたら
ものすごく重くて暗い話でした。

海辺の町に引っ越してきた少年が
親や友達との関係に悩み、
鬱屈とした日々を過ごしている話。

友達と、ヤドカリをつかまえて
”生贄”っぽく燃やしながら
かなえて欲しい願いを念じる・・・という
遊びを始めるのだが・・・。

子供の持つ無邪気さと同居する残酷さが
生々しく描かれていたと思います。
小学生がこんなことを考えながら
日々を過ごしているのかと思うと
いたたまれない。

こんな子供時代、大人になって思い出したら
悲しいだろうな・・・
でも、懐かしく思い出せるような
幸せな大人に育ってくれたらいいのに、と
ひそかに願いました。
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