目の中のリンゴ

20年ぶりにオペラ座熱が再燃!!

「四十九日のレシピ」 伊吹有喜

2011年02月27日 | 読書
少し前にベストセラーリストに載っていた本。
「四十九日のレシピ」
(伊吹有喜 ポプラ社)

タイトルと表紙の装丁から受けるイメージが、
なんだか好みじゃなくて読まず嫌いしてましたが、
このたびNHKでドラマ化されて放送中。
キャストが好みだったこともあり
(和久井映見、伊東四朗など。まだ観てません。)
原作を読んでみました。

母親の乙美が亡くなり、あとにひとり残された父親。
百合子の実母は病死しており、乙美は継母。
乙美と父との間に子供はなかった。
不妊治療がうまくいかず、夫が若い女と
浮気していることを知った百合子は
実家に戻ってくる。
そこに現れたのが、金髪ガングロ少女の井本。
乙美の遺言で父の面倒と、乙美の四十九日の
大宴会の手伝いをするという。

”レシピ”というのは、絵が得意だった乙美が
夫や娘のために描き溜めていた、
生活の知恵や料理のレシピの
絵カード集のこと。

テレビドラマの方では、イラストレーターの
わたなべさちよさんによる、絵が出てくるようです。
(ドラマのHPにたくさん載ってます。コチラ

そのカードをもとに、四十九日にむけて過ごすうちに
失意の底にいた父親も、問題を抱えた百合子も
前向きに歩みだす、という話。

・・・と言ってしまえばそれまでの話ですが、
とてもあたたかく、優しい気持ちになった物語でした。

"お涙頂戴・ベタな展開”の映画や本を
あざとく感じて泣けないことも最近多いのですが
その一方で、なぜかツボに入ってしまう作品も多いのです。
これはまさにその一冊。
(最後の方は、これも大好きな小説の
「ムーンライト・シャドウ」(吉本ばなな)を
思い出してしました。)

愛ってなんだろう、
家族ってなんだろう
生きるってなんだろう

家族って、いつもそばにいて近すぎるから
かえって聞けないこと、言えないこと
知らないことが多いものかもしれない。
失ってみてはじめてわかることもたくさんある。
ありがとう、ごめんなさい、大好き・・・
言えるうちにたくさん言っておかないと。

図書館で借りたけど、自分で買うことにしました。
母にも読ませてあげようと思います。
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