上野の森美術館で開催中の「VOCA展2022現代美術の展望ー新しい平面の作家たち」。
会期は3月11日~3月30日。
VOCA展は、平面美術の領域で高い将来性のある40歳以下の作家を奨励する展覧会。今回で29回。選ばれたのは33作家。
平田尚也。
「Shelf under the Mountain」。
素材:デジタル銀塩紙、フォトアクリル。
サイズ:145.6×103×3.5㎝。105×53×3.5㎝。62×45×3.5㎝。38×45×3.5㎝。35.6×103×3.5㎝。
平田にとって作品とは仮想空間を構成するデータ自体という。写真は手段といいながらも、物理空間と仮想空間がまじりあうのがヒトというものであろう。
藤田紗衣。
「BWSDL」。
素材:シルクスクリーン、紙×3作品。シルクスクリーン、セラミック×1作品。
サイズ:96×77㎝。96×77㎝。52×66.5㎝。21×14×5㎝。
藤田は、版画に積極的にアプローチしているという。
版画とセラミックなど、版画の可能性を広げていく。
堀江栞。
VOCA佳作賞。
「後ろ手の未来#2。後ろ手の未来#3。後ろ手の未来#4。後ろ手の未来#5。後ろ手の未来#6」。
素材:岩絵具・膠、綿布・和紙・木枠。
サイズ:194×60㎝×5枚。
生きる者たちの心情を見事に描き出す。
水上愛美。
「Thousands of Years without Slumbering,Tick,Tock,Tick,Tock」。
素材:アクリル・砂漠の砂・サンドペースト・チャコールペンシル、綿布・木製パネルアクリルプレート。
サイズ:194×330×4㎝。
水上は、描き終えた絵の一部を塗りつぶし別の絵を描く。二つのカンヴァスに同じ構図を回転させながら6層に重ねていく。そういう方法で平面に立体を試みる。
武藤江美奈。
「5 paintings」。
素材:油彩・ラッカースプレー・合成樹脂塗料、綿布。
サイズ:233.4×233.4㎝。
4作品。4作品で1作品。だから5paintings。
ひとつの絵画というものを問いかける。
村田啓。
「Scenes from the Life Passing through the Slits」。
素材:アーカイバルピグメントプリント。
サイズ:149×241.1㎝。
村田の写真作品は、カメラの前に短冊式の鏡を置いて撮影するという。
現代の迷宮へと迷い込みながら私自身も迷宮を構成しているのである。