三井記念美術館へ。




特別展「魂を込めた 円空仏ー飛騨・千光寺を中心にしてー」開催中。
会期は2月1日~3月30日。
一部撮影可。


円空という名前は有名だけど、どういうお方だったのかは、ほとんど謎。
1632年(寛永9年)に美濃国に生まれ、32歳の頃から仏像を彫り始めたという。
東海、近畿、関東、東北、北海道などを行脚しながら、旅先で仏像を制作。依頼品ばかりでなく、様々に作ることもあったとされる。
本人は生涯で12万体の仏像を彫ることを発願したというが、実際の数は不明。
時代は下り、今に伝わるのは、2mをこえるものからごく小さなものまで約5000体とされる。
晩年は飛騨高山に滞在し、関市池尻の弥勒寺に自坊を構え、1695年(元禄8年)に長良川河畔で入定するまで彫り続けたという。



今回のこの展覧会では、千光寺に伝わる仏像を中心に71点が展示されていた。
私は、お稲荷さま、キツネと、烏天狗さま、カラスは初めてみた。
当時は神仏習合。仏像という表現はしているけど、明治の廃仏毀釈まで八百万の神々も海を渡ってこられた仏たちも同じ場所で祀られていた。
それでも「柿本人麻呂」像には驚いた。
円空はどうも柿本人麻呂にいたく傾倒していたようだ。
けど、なぜ?
円空は、仏像を彫り始めるまで30過ぎまで何をしていたかは不明。
とことん修験に己を追い詰めたのかもしれない。
いやもしかしたら俗世の垢にまみれた暮らしをしていたやも知れぬ。
仏像を彫るさいの決まり事から自由に逸脱し、何かに導かれるというか、憑かれたようにというか、ひたすらに木から純粋な何かを彫り出した。



どうしてこう円空にひかれるんだろ。
不思議だ。
