
焼けた素肌に夕凪の風が心地よく吹き抜ける快感なんて、もうおとぎ話になっちまった。
電車にこんがりと部活焼けした高校生が乗って来た。こんな日でもやっていたのか。すごいな。お疲れ様♡
そこに杖をついた小太りの色白爺さんが乗りこんできた。横柄に高校生たちを怒鳴りつける。荷物が邪魔だとさ。
こんな日でも頑張っていたんかいな。若いっていいな。でも荷物は少しよかしてくれる?とか、なんで言えないのかな?
爺さんはペットボトルを満足そうに飲む。熱中症予防が売りのアレ。だろうな。
醜いな。醜いな。醜いな。おまけに目の前に座ってる。
そんな醜い夏を見たくなくて、席を移動しちまったじゃあないの。
夏さん夏さん・・・
素敵に弾けるあなたは、どこにいってしまったの?
