FZXな日々

YAMAHA FZX750を 旅の友として 気ままなツーリングの記録

東欧を訪ねて ~アウトバーン

2023年10月02日 | Weblog

今日はドイツからポーランドに移動する日である。娘のパートナーのご両親にご挨拶するためだ。

ポーランドもドイツと同じくらい広い国だ。日本(37万km2)とドイツ(35万km2)ポーランド(32万km2)を比べると、数字では日本の方が広いようだが、1㎞2の島10個と10㎞2の島1つでどちらが広いかというようなもので、島国で山岳地帯の多い日本に比べ、平地が圧倒的に多いドイツ、ポーランドを比べると後者の方が広いと感じる。

関東平野のど真ん中の千葉で暮らしていた私だが、関東平野と言えども栃木や埼玉に行けば山が見えた。ところがドイツではどこまで行っても地平線は真っ平らなままだった。

今回の旅の目的にアウトバーンを自分で運転して走るということがあった。ポーランドに行く時にアウトバーンを700㎞走るというので、その間に運転させてくれるという。

ドイツやポーランドの道路事情について書くと、アウトバーンは高速道路だが、料金は無料である。だから、日本で言えばバイパスのような感覚で、普通の道とつながっている。普通の道は、厳しい速度規制はなく、「市街地」と「市街地以外」に別れており、市街地を表す標識が立っているだけである。

上の写真は、「ここから市街地」ということを表しており、50㎞/h制限となる。

これは、「市街地の終了」を表す標識。ここから先は90㎞/h制限となる。私たちは知らずにここを散歩していたのだが、基本的に車道と人道は分かれているそうで、この道を歩くことは禁止されているそうだ。高速道路を歩くようなものだからだ。

人道は民家のそばを通っており、基本的に住民以外の車両は進入禁止だそうだ。

ドイツの高速道路であるアウトバーンにも日本の国道と同じように番号がついていたが、南北方向が奇数番号、東西方向が偶数番号となっているのは面白いというかわかりやすいと思った。

デュッセルドルフを昼頃出発し、夕方には着く予定だったが、当日は朝のうち雨が降っており、その上アウトバーンが事故で大渋滞していた。当然、ノロノロ運転となり、思うようにスピードは出せなかったが、おかげでアウトバーンの走り方の特徴をゆっくり教わることができた。

まず、最高速度だが、本当に無制限だ。ただし全区間無制限という訳ではなく、区間区間で細かく決まっていて、それは、80㎞だったり、100㎞だったり、120㎞だったりする。取り締まりも厳しいそうで、日本のようなネズミ捕り式のオービスではなく、たとえば80㎞規制区間なら区間の始まりと終わりにカメラが設置されており、その間を平均何㎞/hで走行したかで違反となるそうだ。その許容速度は±4㎞という話もある。

無制限の区間は4本の白い斜線の標識が立っている。この標識があると、一番左の車線の車はフルスロットルとなる。3車線あると、一番右の車線は大型トラック、真ん中の車線はキャンピングカーや一般の車、そしていちばん左の車線は追い越し車線である。

真ん中の車線から追い越し車線に出るときは、バックミラーをよく見ないと、点のように見えていた車があっという間に後ろに迫っていたりする。マナーが良いと思ったのは、追いつかれた車はすぐに真ん中の車線に戻って道を譲ることだ。

規制区間に入ると、それまで無制限だったとすると、急ブレーキをかけて200㎞から規制速度に減速する。これは、どの車も守っているようで、私が最初に運転した時、アクセルから足を離して自然に減速していたら、「オトーサン、早く減速してください。ここは80㎞ですよ!」と厳しく注意された。

道路の状態は日本とは比べ物にならないくらい良い。トラックの積載量が40トンと日本よりはるかに重いので、アスファルトの厚さが違うのだろう。道路のつなぎ目のショックがほとんど感じられず、150㎞/h以上で走行しても静かで、日本で100㎞/h走行しているような感覚だ。

ただ一つ高速を感じさせたのは、窓の汚れである。日本でも夜間に走行すると、窓に蛾や虫が衝突して汚れることがあるが、昼間だというのに拭いても拭いても汚れる。その都度ウォッシャー液も使うので、ウォッシャー液がなくならないか心配だったが、給油以外にもガソリンスタンドに立ち寄り、そこに置かれているブラシと洗剤でこまめに窓とライト付近を掃除した。

虫で汚れた窓

ライト付近というのは、今の車はオートクルーズのために前方にレーダーを設置していることが多いが、そのレーダーがどこにあるかはパッと見ではわからないので、ライト付近を掃除するという意味である。乗っていたのはマツダのCX-30であったが、オートクルーズ作動不良の警告がたびたび表示された。

私が運転させてもらったのは、A4号線を走行していた時だと思うが、200㎞分岐はないといっていた。始めは150㎞程度で走行し、後続車がないことを確認して、追い越し車線に出て一気に加速した。

ハンドルのぶれもなく安定して180㎞/hで巡行したが、それ以上は自分の車ではないので、タイヤの空気圧や車の癖がわからない状態で何かあっても対処できないと思い、200㎞/h超えは遠慮した。娘のパートナーは203㎞/hを記録していたが、一瞬だったと思う。

左ハンドル車は初めてだったが、ふだん輸入車を運転していて左にウィンカーがあるのには慣れているので、違和感はなかったし、視点がやや左にずれたかなくらいの感覚の違いだった。しかし、右手でシフトレバーを操作するのは戸惑いがあった。

マツダのCX-30が素晴らしいと思ったのは、今走っている道路の制限速度がリアルタイムで、スピードメータの隣にしかも標識のアイコンで表示されることだ。これは、ドイツを走っていても他の国を走っている時でもきちんと表示されていた。オートクルーズも制限速度にセットするのが簡単だった。これは、私の車にもほしい機能だと思った。

気になる燃費はというと、車に表示されている燃費計では110~150㎞/hだと10㎞/L程度を示していたが、150㎞超えでは4㎞/Lだった。ガソリン車だったが、給油する時にスタンドで見ると日本とは全く違う種類が表示されていた。

95や98がオクタン価を表すなら、赤のSupreme+というのがハイオクなのだろう。Super E10というのはバイオエタノールが10%含まれているといっていた。他のGSではディーゼルが2種類あるところもあった。

またアウトバーンを走行して驚いたのは、日本でいうところのサービスエリア(SA)がないことだった。ガソリンスタンドは単独で存在していたし、ところどころにトイレもあったが、これはトラック運転手用らしく、女性は汚くて使用できないといっていた。

ではトイレや食事はどうするかというと、ICで降りて近隣の街のMacやケンタッキーを利用するのだ。市街地まで行かなくてもICのそばにあるので利用しやすい。しかし、トイレはどこも有料だった。

トイレ入口の料金徴収機

このトイレは無人だが箱が置いてある。0.5€(約80円)置くのがルールのようだ。

Macもケンタッキーも注文はタッチパネルで行い、支払いもその場でカードで済ませる。タッチパネルも大きく見やすい。

ケンタッキーでツイスターを注文したら、その大きさに圧倒された。日本の2倍はある。Macもポテトの量が半端なかったし、ドリンクはお代わり自由で飲み放題の上、最初に注文したのと違うものを飲んでも良いという太っ腹だった。

また、高速を降りて立ち寄ったGSは、高速に設置されているGSが給油オンリーに対し、とても大きくコンビニの機能もあり、軽食やカー用品から防寒具まで売っていた。軽食を食べる休憩所も充実していたが、むろんトイレは有料だった。

GSの中にあった飲食コーナー

ドイツとポーランドの国境には何もなかった。検問所くらいあるのかと思ったが、娘によると、「あの辺の橋が国境だよ」というだけで、あっという間に通り過ぎた。道路標識がドイツ語からポーランド語になったというが、英語以外のアルファベットはすべて同じように見えて区別できなかった。

ただ、ポーランド語は英語とは違う文字が使われており、cやeの文字にひげがついていたり、tの横棒が斜めになっていたりした。後で聞いたら、tが斜めになっているのではなく、l(エル)にスラッシュが入っているのだという。それをどう発音するのかはわからなかった。

ポーランドの地名はKrakow(クラクフ)だったり、Warszawa(ワルシャワ)とか、Wroclaw(ヴロツワフ)とかで、いわゆるローマ字読みはできないのだ。

ポーランドの実家には夜の10時過ぎに着いた。7時間の予定が10時間かかったことになる。さすがに700㎞の移動で疲れ果てていたので、相手のご両親への挨拶もそこそこにベッドに横になった。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (たかぴい)
2023-10-31 15:04:43
キムさん こんにちは

今回の旅行では大きな経験をされましたね。とても羨ましいです。

アウトバーンとはいっても細かく速度制限されていると、慣れないとなかなか難しいのですね。自主アウトバーンを国内でやったことがありますが、あのジョニさんが「あんまり飛ばさないでね」と言ったのが今では思い出です。でもジョニさんだって神奈川から牧之原まで1時間で来てますから(笑)

今は、視力の他、五感が衰えてきたのでスピードも出せません。公道のパイロンにならないよう流れに乗った運転をしたいと思います。

ケンタッキーとマクドナルド 韓国でもマックを見て落ち着きました。
Unknown (キム@FZX)
2023-11-01 00:22:03
たかぴいさん、コメントありがとうございました。アウトバーンを走れるなんて思っても見なかったので、娘には感謝してます。欲を言えば、自分の車で走ってみたかったです。

ケンタッキーとマクドナルド、本当に世界中で同じ味なのはすごいと思います。

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