水温計

水温計の針が振れ続けるようになってしまった。スロットルを開け３０００回転くらいを過ぎると、それまで止まっていた針が左右に激しく揺れるのだ。

原因がわからないので、ＦＺＸのオーナーが書き込む掲示板にＳＯＳを書き込んだところ、接点の不良ではないかという示唆を得た。私のバイクは年数が製造後２０年以上たっているので、電気系統が寿命に近づいている。

接触不良の箇所は、他にも何点かある。まずメインキーがそうだ。キーの回し方が悪いと電源が入らない。その他にはウィンカーだ。ウィンカーをどちらかに作動させ、復帰動作をするとポジションランプに切り替わるはずなのだが、消えたままのことがある。

走行中に電源が切れるようになったら、もうおしまいだがさいわいそういうことは無いので、だましだまし乗っている。車と違ってバイクでは、電気系統のケーブルをすべて取り替えることが可能なので、お金が貯まったらやろうと思っている(笑)。

接触不良だとすると、このまま乗り続けるしかない。バイク屋に行った折に相談してみると、メーターのダンパー不良だろうと言われた。この場合もパーツを交換しないと直らない。あきらめてなるべく見ないようにしていた。

そんな折、掲示板を見た人が「水温計ならありますよ」とメールをくださった。以前一度だけ一緒にツーリングをした人である。厚かましいとは思いながら、ご厚意に甘えることにし、ご自宅まで行ってみた。

「中古品ですけど、スペアに取っておいたので、差し上げます」と言われた。恐縮である。「交換できますか？」と聞かれ、何とかできると思う、と答えると「ここでやっちゃいましょう！」とありがたいお言葉。

さっそく、タンクカバーを外し、インジケータを分解し、メーターを取り出した。手際の良さはバイク屋のようである。壊れたメーターと、新しいメーターを交換し、また元通り組み立ててくださった。



取り出したメーターを調べると、針にちょっと触っただけでクルクルと回り、たしかにバイク屋の言ったようにダンパーが効いていない。

エンジンをかけ、温まるのを待って水温計の作動を確認した後、お礼を言ってご自宅を後にした。走りながら今まで見ないようにしていた(笑)メーターを、今度はしげしげと見た。ピタッと何事もなかったように止まっている。直った！持つべきものはＦＺＸ友達である。