センター試験地理B2009年 

センター試験2006~2009年地理Bの解答解説。上のタイトルをクリックすると目次ページになります。

センター試験地理Bの解答解説(目次)

2009-02-08 | 地理解答
センター試験2009年地理B、2008年地理B、2007年地理A、2007年地理B、2006年地理Bを、解答解説します。
2009年、2008年については、★は、「完全マスター地理B問題集」「地理B実践ワーク」(二宮書店)にもとづいています。★の数でセンター試験の的中度合いを示します。★ほぼ、★★的中、★★★完全的中の区分です。

地理B解答解説 2009年第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 第6問 
地理B解答解説 2008年第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 第6問
地理B2006年
地理B2007年
地理A2007年
------------------------------------------
①センター試験の問題文は設問に無関係の部分を省略しています。
②地理Bの解答解説は「詳解地理B」(2008、2009)、にもとづいています。
③2008年については、授業内容整理、白地図作業、それに大学受験テキストをかねた、「地理B実践ワーク」を利用します。
④2009年の「ワーク」とは「地理B実践ワーク」のことで、「マスター」とは「完全マスター地理B問題集」のことです。
⑤地理Aの解答解説は、「高校生の新地理A」を使います。
⑥2009年5月から印刷が途切れることが多くなりました。exproler8では調整できますが、それ以外では、必要部分をコピーして、wordあるいは一太郎に貼り付けると、よいようです。ただし、本文のみのコピーであり、図表類は不可能のようです。原因は不明です。exproler8への誘導を図るgooの方針かもしれません。


-------------------------------------------------
●「地理B実践ワーク」は学習整理とセンター試験とから、構成されています。学習整理は空所補充の形です。問題はセンター試験の過去問を利用しています。
●「完全マスター地理B問題集」は2009年発刊のセンター試験想定問題集です。これまでのセンター試験問題、国公立大学・有名私大の入試問題を、センター試験出題の想定問題として改変しています。センター試験の予想問題集です。
●下の3点はいずれも二宮書店刊行です。

  



東京大学地理B2次





2008年センター試験 地理B第1問解答解説

2008-01-22 | 地理解答
2008年地理Bセンター試験 第1問解答解説

第1問 世界の自然

第1問
次の地図はタリム盆地のO点を中心とする正距方位図法の地図である。点Oは北緯40度、東経80度である。 
 

問1 次の雨温図①~④は、地図中のa~dの4地点のいずれかである。d地点に該当するのは①~④のどれか。【1】




【1】解答 ④   
解説 ①大連Dw、地図c。冬が乾季で寒冷の東シベリア型の気候。
②デンバーBS、地図b。ロッキー山中、コロラド州。高度1600m。
③コロンバス(オハイオ州)Df、地図a。南部(ジョージア州)に同名の都市があるがCfa。
④ナポリCs、地図d。イタリア南部の地中海性気候。夏が中緯度高圧帯におおわれて乾季になる。
*この雨温図の作成は理科年表によるが、理科年表にあるのはナポリのデータだけである。他の3地点は、2001年以前の古い理科年表によらなくてはならない。異なる統計期間のデータによって作られた雨温図である。
★★ 地理B実践ワーク121p(センター2004)。正距方位図法を用いている点は2004年と同じで、南極観測基地をタリム盆地に移動したもの。
★★ 地中海性気候 17p(演習)

問2 図の矢印は台風の経路を示す。次の説明文のうち、不適当なものはどれか。【2】
① 日本近海よりも海水温度の高い熱帯域で発生する。
② 地球の自転の影響で、赤道上で発生しやすい。
③ 太平洋高気圧の縁を回り込むような経路をとることが多い。
④ 中緯度では偏西風により、東に進路を変えることが多い。


【2】解答②
解説 ①○ 海水温度が27℃以上の熱帯海域で発生する。
②× 高温多湿の水蒸気の蒸発作用が原因。
*○の可能性もある。台風が渦を巻いて発達するのは、地球の自転にともなって生じるコリオリの力の作用である。ただし、これは地図からは分からない。
③○ 夏の太平洋高気圧は、小笠原高気圧。本来はハワイ付近で発達する亜熱帯高気圧で乾燥しているが、太平洋上で高温多湿になる。この太平洋高気圧が、台風の進路を妨害する。
④○ 台風は日本近海で右カーブになる。偏西風に押されて進路を変える。
*偏西風がなくても、地球自転によるコリオリの力で、台風の進路は右カーブになる。
★ 台風 20p


問3 次の(ア)(イ)(ウ)の文は、図のFGHのどれを説明したものか。【3】
(ア)古期造山帯に属する山脈が走り、海岸にはフィヨルドが見られる。
(イ)世界最大の楯状地の一部であり、海岸にもフィヨルドが見られる。
(ウ)新期造山帯に属する山脈があり、火山が見られる。
   


【3】解答⑤
解説 (ア)H:スカンジナビア山脈は、アパラチア造山帯に属する古期造山帯である。ノルウェーの海岸部分には、フィヨルドが分布する。フィヨルドは2万年の最終氷河期に、氷河の侵食作用によってできたものである。
(イ)F:カナダ楯状地は、安定陸塊の典型例である。鉄鉱石が分布する。
(ウ)G:カムチャツカ半島は環太平洋造山帯に属する、新期造山帯である。クリュチェフスカヤ火山(4688m)が、2005年に噴火した。
★★ 造山帯 3p
★★★ 海岸地形 7p(センター2002)


問4 次の地形断面は図1のO(タリム盆地。東経80度、北緯40度)から、KLMのどの方向のものか。【4】





【4】解答③
解説 (カ)L:高さ4000~6000mはチベット高原である。
(キ)K:タリム盆地の大部分はタクラマカン砂漠であり、その北にはテンシャン山脈(天山山脈)である。テンシャン山脈は古期造山帯だが、インドプレートとユーラシアプレートの衝突でできた再生山脈である。低地は西シベリア低地である。
(ク)M:北から南に向かってMを見た図である。Oに近いのがパミール高原である。M中央の低地はカラクム砂漠である。Oから遠い山地は、エルブールズ山脈である。
★ 東アジアの地形 72p



第5問 図1のPの島々について、次のどの説明文が不適当か。【5】
① 地球温暖化による海面上昇のため、国土の消失が憂慮されている。
② 新期造山帯に属し、火山活動や地震活動が活発である。
③ 2004年のスマトラ沖地震の時には、津波による被害を受けた。
④ サンゴ礁に囲まれた島が多く、主要産業は観光と漁業である。
 

【5】解答②
解説 Pはモルディブ共和国、人口30万人。熱帯雨林気候。1965年にイギリスから独立した。サンゴ礁のうちの環礁であり、最高地点は2.4m。
①○ 海面が上昇すると、海岸低地の集落は水没する危険がある。
②× インド洋プレート上のサンゴ礁であり、火山活動はない。
③○ モルディブは、2004年のスマトラ沖地震の津波で死者82人、行方不明26人の被害があった。
④○ サンゴ礁の観光と、まぐろ漁業が盛んである。
★ 地球の環境問題 132p


問6 図1のX島では、7月の卓越風は①~④のどの風向か。なお図4には、7月の降水量分布と、標高1000m異常の山地を示している。【6】



【6】解答②
Xはマダガスカル島である。南回帰線上にある。降水量は東海岸が多いので、卓越風は②の南東貿易風と判断できる。
また、インド洋南西部からユーラシアに吹き込む、夏の南西モンスーンは、南半球の南東貿易風が赤道で風向きを変えて、北半球では南西モンスーンを加速させることからも分かる。なお、南東貿易風は、赤道を越えて、南西方向のモンスーンになる。この風向の変化の原因は、地球の自転にともなうコリオリの力による。
★★★ 81p(センター2000) 
  

2008年センター試験 地理B第2問解答解説

2008-01-22 | 地理解答
2008年センター試験 地理B第2問解答解説

第2問 世界の資源と産業

第2問
世界の資源と産業について、各問いに答えよ。

問1 下図1(ア)(イ)(ウ)は、ボーキサイト産出量、アルミニウム生産量、アルミニウム消費量について、上位8国まで示したものである。(ア)(イ)(ウ)はそれぞれどれか。あとの①~⑥の組合せから、一つ選べ。【7】






【7】解答③
解説 ボーキサイトからアルミニウムを生産する時、電力消費量が多くなる。アルミニウム生産量はエネルギー消費型工業の典型である。 
図(ア)アルミニウム生産量。ノルウェー、カナダ、ブラジルなど、水力発電の占める割合の高い国では、発電コストが安い。ボーキサイトからアルミニウム(地金)を生産する。
図(イ)ボーキサイト生産量。オーストラリア、中国、ブラジル、ギニア、ジャマイカなどの生産量が多い。熱帯土壌ラトソルに含まれる。アフリカのギニア、カリブ海のジャマイカの多い点に注目。
図(ウ)アルミニウム消費量。中国、アメリカ、日本のアルミ消費量が多い。アルミ輸出国はカナダ、ロシア、オーストラリア、ノルウェーなど。輸入国はアメリカ、日本、ドイツなどである。自動車、飲料缶、建築などに用途が拡大している。
★★★ 日本のアルミニウム需給 55p
★★ 工業立地 58p

問2 次のグラフの3国の1次エネルギー消費割合について、①~④は原子力、石炭、石油、天然ガスのいずれかである。石炭に該当するものは①~④のうちのどれか。【8】



【8】解答③
解説 オーストラリアは石炭輸出国。国内でも大量に消費していることから、③が石炭になる。
①天然ガス。クリーンエネルギーで、先進国からの安定供給は可能だが、価格が高い。
②石油。電力・化学では大量に使用される。国際投機商品であり、価格が不安定。
③石炭。火力発電用燃料炭と製鉄用原料炭として使われる。低価格だが、酸性雨や地球温暖化の原因になる。オーストラリアは世界一の石炭輸出国であり、オーストラリア国内でも、豊富な石炭を使う。
④原子力。化石燃料がなくなったあとは、原子力発電、という考えもある。地球温暖化対策にも効果的である。しかし、安全性と発電所の老朽化という大問題がある。
★★★ エネルギー 42p
★★ 電力(原子力)48p



問3 次の図3は、エネルギーの輸入依存率を、1次エネルギー全体と、石油のみの場合について、それぞれ国別に示したものである。①~④はカナダ、ロシア、日本、フランスのいずれかである。そのうちで、ロシアはどれか。【9】


【9】解答①
解説 ①ロシア 原油と天然ガスを、旧東欧・フランスにパイプラインで輸出する。エネルギー大国である。
②カナダ アルバータ州のロッキー山脈で石油が生産される。また、1次エネルギーとして、天然ガスと水力発電が豊富である。
③フランス 原油の自給率は1.3%である。フランスは原子力大国であり、電力のうちの原子力発電は70%を占める。1次エネルギー総量のうち、50%が原子力発電になる。
④日本 原油の自給率は0.1%である。電力のうちの30%が原子力発電であり、日本の1次エネルギー総量の18%が原子力になる。
★★★ 石油 46p
★★ エネルギー 42p

問4 図4のABCはロシアの工業都市である。そのあとの(カ)(キ)(ク)は、ABCのいずれかの説明である。A~Cと(カ)~(ク)の正しい組合せを、①~⑥から選べ。【10】




【10】解答⑤
解説 地図(A)モスクワ-説明(ク)
モスクワは人口1000万人を越える大都市である。大都市型工業としての消費財工業(食品、繊維)が発展する一方、共産主義時代の計画経済による重工業(機械、金属)もある。
地図(B)ノヴォシビルシク-説明(カ)
ノヴォシビルシクはクズネツク炭田を中心とする工業都市。オビ川とシベリア鉄道の交差する位置に建設された。1896年が建設開始年。
地図(C)ヤクーツク-説明(キ)
レナ川中流域にあり、レナ炭田に立地した。鉄道もないし、積雪期間が長いが、ヤクーツク自動車道路によって他の都市と結ばれている。人口は16万人。
★ ロシア 105p(センター01追)


問5 ラテンアメリカの資源と産業について、①~④から正しい説明文を選べ。【11】 
① アルゼンチンでは石油が重要な輸出品であり、高度な技術を用いた航空機工業に支えられ、国の経済は安定している。
② チリでは、国の経済は銅や銅鉱石の輸出に依存してきたが、近年、輸出の中心は、電気・電子部品に移った。
③ ブラジルでは、鉄鉱石を利用して鉄鋼業や機械工業が盛んである上、外国資本による自動車工場の立地が進んでいる。
④ メキシコでは、石油や鉄鉱石を利用した重化学工業が発展してきたが、近年は研究開発を中心とした宇宙産業が盛んである。 


【11】解答③
解説 ラテンアメリカの多くの国は、一次産品の輸出が中心。ブラジルには、アメリカ、ドイツ、韓国、日本の自動車会社が進出している。
①アルゼンチンの輸出品(2004年)
植物性油かす 大豆油 原油 石油製品 自動車 大豆 小麦
②チリの輸出品(2004年)
銅  銅鉱石 野菜・果実  魚介類  パルプ・古紙 木材
③ブラジルの輸出品(2004年)
機械 自動車 鉄鋼  肉類  大豆 鉄鉱石 航空機
④メキシコの輸出品(2004年)
機械  自動車  原油  衣類  精密機械  野菜・果実
*以上、世界国勢図会(08)による。
★★★ ラテンアメリカの産業 114p


問6 工業の立地について、不適当な説明を、①~④から選びなさい。【12】
① アパレル産業のデザイン部門は、流行などに関する各種情報の収集が重要となるため、大都市に立地する傾向が強い。
② 魚介類を缶詰に加工する部門は、消費者の多い大都市やその周辺に立地する傾向が強い。
③ 石油化学や石油精製部門は、原料となる石油の輸送に便利な臨海部に立地する傾向が強い。
④ 電気製品の組立部門は、安価な労働力を得やすい地域に立地する傾向が強い。



【12】解答②
解説 ①○ ファッションをリードするためには、大市場(大都市)での流行に鋭敏でなくてはならない。アパレルは大都市型あるいは消費地立地型である。東京とかパリが典型例。
②× 地方の水産業都市で水産物加工が盛んである。大都市では、冷凍倉庫をつくる場所がないし、加工品から除外された廃棄物の処理場の建設も難しい。気仙沼や清水が典型例。
③○ 産油国以外では、輸入港周辺に石油化学コンビナートが建設される。港湾立地型は、鉄鋼業や石油化学工業である。鹿島コンビナート。
④○ 単純作業なので、低賃金労働力の得やすい中国、ベトナム、タイなどで組み立てられる。日本では産業の空洞化が問題になった。
★★ 工業の立地 58p

2008年センター試験 地理B第3問解答解説

2008-01-22 | 地理解答
2008年センター試験 地理B第3問解答解説
第3問 世界と日本の都市

問1 次の表1は、1980年と2000年の人口100万人以上の都市数を地域別に示したものである。①~④は、アジア、オセアニア、CIS、ラテンアメリカのいずれかである。ラテンアメリカに該当するものを、表1の①~④から選べ。【13】


【13】解答②
解説 ①アジア。2000年には中国の35都市、インドの20都市が100万人を越える。都市への人口集中が進み、都市爆発といわれる。
②ラテンアメリカ。中南米でも20年間で、100万都市が2倍以上になった。大都市とその周辺に、仕事を求めて、地方からの人口移動が激しい。
③CIS。もともと人口移動が少なく、100万都市が増えない。
④オセアニア。100万都市が最も少ない。
★ 世界の都市 66p


問2 次の(ア)(イ)(ウ)の首都は、①~⑥のうちのいずれかである。正しいものを選べ。【14】
   

【14】解答⑥
解説 (ア)ナイジェリア。人口1億4千万人の産油国。ヨルバ族、ハウサ族、イボ族、フラニ族に分かれて対立、さらにキリスト教徒とイスラム教徒に分かれて対立している。1992年に、首都をギニア湾岸のラゴスから、内陸の砂漠アブジャに移転した。
(イ)トルコ。イスタンブルが首都であったが、1923年にケマルパシャが内陸のアンカラに首都を移転した。アンカラは内陸に新たに設計建設された計画都市である。
(ウ)オーストラリア。1931年に独立。首都キャンベラはグリフィンの設計による計画都市である。シドニーとメルボルンが首都となりたくて対立して決着がつかず、その中間キャンベラが、新首都になった。人口30万人。
★ 世界の都市 66p



問3 次の図1は都市人口率の推移を、国別に示したものである。①~④はイギリス、インド、韓国、フィリピンのいずれかである。イギリスに該当するものを選べ。【15】


【15】解答①
解説 ①イギリス。農業人口は1%代であり、大都市における商業、金融、サービス業などの人口が多い。
②韓国。1970年以後の急速な工業化により、工業都市、商業都市への人口集中が進んだ。高学歴化により、農業人口は減少し、都市の人口が増大した。
③フィリピン。農村の貧しさと都会の裕福さの、経済格差拡大を反映し、大都市に仕事を求めて農村から人口が集まった。しかし、仕事は少なく、スラムが拡大した。
④インド。すでにインドの大都市はほとんど全部が人口の飽和状態にある。仕事を求めて集まった人々には仕事はないし、住居もスラムである。
★★ 都市構造 68p
 


問4 次の図2は日本の大都市を模式化したものである。説明①②③④は、図2のABCDの地区の特徴を説明したものである。①~④のうちから、正しい説明を選べ。【16】

① A地区では、官庁や企業の本社などの立地が見られ、昼間人口と夜間人口の差が小さい。
② B地区では、中小工場や問屋などの立地が見られ、住民の高齢化が進んでいる。
③ C地区では、都市計画にもとづくスプロール現象が見られ、鉄道に沿って連続的に商業施設が立地している。
④ D地区では、大規模な工場や倉庫群の立地が見られ、地区全体の地価は高い。


【16】解答②
解説①× Aは中心業務地区CBDであり、大企業の中枢管理機能が集中する。昼はビジネスマンが多いが、夜間は国際ビジネスマンに限られ、昼間人口と比較すると、夜間人口は非常に少ない。
②○ Bは住宅と零細工場の混合地区である。工場と住宅を兼ねている場合も多い。若い労働者は少なく、高齢化した労働者が仕事のできる年齢まで働き、そこに住んでいるから高齢化が進む。
③× Cでは、都市計画が存在し実行されると、緑地の虫食い現象(スプロール現象)にはならない。商業施設は鉄道に沿うのではなく、鉄道駅前ごとにできる。
④× Dの臨海部はコンテナ貨物の増加により、倉庫群が不要になった。地価は安い。ウォーターフロント計画として再開発し、商業地区になる。例、ロンドン、東京。
★★★ 都市構造 69p(センター1999年追試)


問5 次の図3は、東京都区部、東京大都市圏郊外、東京大都市圏以外の国内移動数の変化を示したものである。あとの①~④の説明は、地域間人口移動の特徴を説明したものである。①~④のうち、不適当な説明文を選びなさい。【17】

① 東京都区部から東京大都市圏郊外への移動は、1960年代に増加した。
② 東京大都市圏以外から東京区部への移動は、1960年代後半から1990年代前半にかけては、減少傾向にあった。
③ 東京大都市圏以外から東京大都市圏郊外への人口移動は、1980年代に最も多く見られた。
④ 東京大都市圏以外から東京大都市圏郊外への人口移動は、1990年以降、東京都区部への人口移動の約2倍になっている。 



【17】解答③
解説 ①○ グラフBは、1965年から70年に増加。東京圏のドーナツ化現象。
②○ グラフCは、1965~1995年は減少傾向。高度経済成長が終わり、2回の石油危機の影響があり、地方から東京への人口移動が減少した。
③× グラフB。地方から東京へのピークは1970年であり、1980年は誤りである。
④○ グラフAとCの比較。1990年以降、Aは40万人、Cは20万人以下である。
*単純なグラフの読み取り問題。時代背景や都市問題などは知らなくてもできる。
★ 日本の人口問題 126p

問6 近年、日本の都市では人間と自然との共生をめざした取組みが行われている。その取組みについて、不適当な説明を一つ選べ。【18】
① 生態系の保全・再生やその教育のために、学校や公園・緑地内にビオトープを整備する。
② 都市の気温上昇を緩和するために、エアコンの普及をすすめる。
③ 交通渋滞を緩和し、大気汚染を制御・防止するため、パークアンドライドの利用をすすめる。
④ 水資源を有効利用するために、雨水を貯留して生活用水の一部に用いる。
 


【18】解答②
解説①○ ビオトープとはトンボやカエルなどの小動物が生息可能の自然環境のことである。生物を通して、自然の生態系を学ぶことができる。
②× エアコンを使うと、室内は冷えるが、外は室外機のために気温が上昇するから誤り。エアコンは、ヒートアイランドの原因の一つである。
③○ 自家用車で広い駐車場まで行き、そこからバス・電車などの大量輸送の可能な交通機関に乗り換える。都心の道路混雑が緩和される。自動車の利用が減るから、大気汚染も減る。
④○ 屋根の雨水を集めて、トイレ・風呂などに使う。都会の洪水防止にも役立つ。
★★★ 世界の環境問題 135p

2008年センター試験 地理B第4問解答解説

2008-01-22 | 地理解答
2008年センター試験地理B 第4問解答解説
第4問 南アジア地誌
第4問
次の図1の南アジアについて、各問いに答えよ。


問1 図1のABCDの地形について、正しい説明はどれか。①~④から選べ。【19】
① A山脈では、激しい侵食作用で標高が徐々に低下している。
② B川では、下流域に大規模な三角州(デルタ)が発達している。
③ C高原では、テラロッサとよばれる赤色の土壌が厚く堆積している。
④ D島では、活発な火山活動が見られる。


【19】解答②
解説 ①× Aはヒマラヤ山脈で、隆起の最中であり、侵食で低くはならない。山脈は激しい侵食作用を受けて軽くなると、その分だけ山脈は隆起する。山地は軽い物質でできているので、侵食分以上に高くなる。
②○ Bはガンジス川で、ヒマラヤ山脈の南麓を流れる。ヒマラヤ山脈の北麓を流れるブラマプトラ川とバングラデシュで合流し、大きな三角州を形成する。
③× Cはデカン高原。テラロッサは石灰岩の風化土であり、間違い。デカン高原は玄武岩質の溶岩台地であり、表面はレグール土である。綿花土ともいわれる。
④× Dはセイロン島、国はスリランカである。インド同様、安定陸塊であり、火山活動はない。
★★★ インドの自然 83p


問2 次の(ア)(イ)(ウ)は、図1のカトマンズ、カラチ、コルカタのいずれかの気候の説明である。各都市と、都市の説明の正しい組合せは、どれが正しいか。【20】
(ア)雨季に年降水量の4分の3の雨が降る。1年を通して高温である。サイクロンの襲来による被害を受けることがある。
(イ)雨季に年降水量の4分の3の雨が降る。最寒月の平均気温が10℃、最暖月の平均気温が24℃と、1年を通して温暖である。
(ウ)年降水量が200mm以下である。気温の日較差が大きく、日中の気温が40℃を越えることがある。
 


【20】解答⑤
解説 (ア)コルカタ(インド)、Aw。サイクロンはベンガル湾で発達する熱帯低気圧で、インド、バングラデシュは洪水・高潮の被害を受ける。
(イ)カトマンズ(ネパール)、Cw。標高1400mの高地であり、Awとなるべき緯度だが、高地のためにCwになる。
(ウ)カラチ(パキスタン)、BW。海岸にある都市だが、砂漠気候である。
*カトマンズの気候統計のうち、降水量は最新の理科年表にはない。2000年以前の古い理科年表には掲載されている。
★★★ インドの自然 83p



問3 次の図2は、インドの主要農産物を州ごとに示したものである。(カ)(キ)(ク)の地図は、①~⑥のどれか。正しい組合せを選べ。【21】





【21】解答⑥
解説 (カ)綿花。デカン高原が主要産地だから綿花である。イギリス植民地時代には、イギリスに輸出され、イギリスの産業革命をささえた。
(キ)米。海岸とヒンドスタン平原で生産量が多い。年降水量1000mm以上が米作適地である。
(ク)小麦。ヒンドスタン平原とパンジャブ地方の生産量が多い。パンジャブ地方では、緑の革命が進み、小麦と米の生産量が増えた。
★★★ インドの自然 83p


問4 インドの工業化について、不適当な説明文を①~④から選びなさい。【22】
① イギリス植民地時代には、民族資本によって、綿工業や製鉄業が発展した。
② イギリスからの独立後、輸出指向型の工業化が進められ、電気機械工業が発展した。
③ 1960年代後半には、社会主義的な計画経済のもとで経済が停滞し、鉄鋼生産も伸び悩んだ。
④ 1990年代からは、経済の自由化政策のもとで、コンピューター関連産業が発展した。



【22】解答②
①○ インド財閥のスィンガーニャー家はカーンプルに綿工場、タタ財閥はジャムシェドプルに製鉄所をつくり、イギリスからの自立をめざした。
②× インドの独立直後は、先進国のコロンボ計画による援助で、ダモダル川総合開発を進めた。国営製鉄所を中心とする重工業化であった。自給自足的、閉鎖的な工業計画であった。
③○ 1965年のインド・パキスタン戦争で国力を使い果たした、インディラガンジー政権は社会主義的計画経済を進めたが、工業生産は進まなかった。
④○ アメリカ、イギリス留学経験のある若者が、バンガロールを拠点にコンピューター産業を立ち上げ、発展させた。インド政府の全面支援と外資の進出があり、コンピューター産業と自動車関連産業はインド全体に広がりつつある。
★★★ インドの工業発展 82p



問5 次の表1は、国別の輸出と輸入について、上位3品目を示したものである。PQRはインド、スリランカ、パキスタンのいずれかである。正しい組合せを、下の①~⑥から選べ。【23】


   


【23】解答②
解説 P:インド。19世紀まではインドで大量のダイヤモンドが産出し、ほとんどがスーラトで加工された。現在はブラジルや南アフリカから原石を輸入し、伝統的技術で、宝石としての価値を高めている。
Q:パキスタン。政情が不安定だが、国内で生産される綿花を原料に、低賃金労働力で繊維品・衣類を生産する。米は、灌漑の進んだパンジャブ地方で生産される。先進国からの資金技術の援助で緑の革命が進められた。
R:スリランカ。低賃金の衣類が輸出品第1位である。イギリス資本のプランテーションで生産加工される茶の輸出も多い。プランテーション労働者は、インドからのタミール人出稼ぎ労働者だが、スリランカにおける自治拡大要求をしている。
★★ インドの工業発展 82p


問6 次の①~④の説明は、スリランカ、ネパール、パキスタン、バングラデシュのものである。バングラデシュに該当するものを、①~④から選べ。【24】
① この国では、ウルドゥー語以外に、英語も使われる。多くの国民はイスラム教徒である。
② シンハリ語とタミール語が使われる。仏教徒が多いが、イスラム教徒もヒンドゥー教徒も少なくない。
③ ベンガル語が使われる。国民の多数はイスラム教徒である。
④ インド・ヨーロッパ語族やシナ・チベット語族の言語が使用される。多くの国民はヒンデゥー教徒である。


【24】解答③
① パキスタン。人口では8%のウルドゥー語が国語である。英語が公用語である。イスラム教国家である。
② スリランカ。先住民シンハリ人が80%を占める。仏教徒である。インドから茶のプランテーションに出稼ぎに来たタミール人が10%、他にイスラム教徒、ヒンドゥー教徒。公用語はシンハリ語とタミール語である。
③ バングラデシュ。1972年にパキスタンから独立した。パキスタンと同じイスラム教徒だが、ベンガル語が公用語である。
④ ネパール。ヒマラヤ山中の国家である。ヒンドゥー語に近いネパール語が国語である。
★★ 人種と民族 128p

2008年センター試験 地理B第5問解答解説

2008-01-22 | 地理解答
2008年センター試験 地理B第5問解答解説

第5問 人口問題


問1 次の図1は、国会の議員中の女性議員の割合を示す。ABCのの正しい組合せを、①~⑥から選べ。【25】



【25】解答⑥
解説 凡例A:女性議員20%以上。
女性議員の割合が高い国は、福祉水準の高い北欧諸国に多い。女性の権利、女性の社会進出が、制度的に保障されているためである。
女性議員の割合の高い国(2007年)
スウェーデン 47.3%
フィンランド 42.0%
ノルウェー 37.9%
ドイツ 31.6%
ルワンダ(アフリカ) 48.8%
オーストラリア 24.7%
凡例B:女性議員が10%~20%である。
日本(衆参計) 11%
アメリカ(下院)16.3%
イギリス(下院)19.7%
★ 人口問題 124p


問2 図2のEFG3国の2000年における、64歳までの人口ピラミッドである。図3は(ア)(イ)(ウ)3国の全人口に占める65歳以上の人口割合の推移と予測を示す。図2のEFGと図3の(ア)(イ)(ウ)の正しい組合せを、①~⑥から選べ。【26】






【26】解答②
解説 E-(ア):イギリス。高齢社会がゆっくり進むので、福祉政策を丁寧に展開できる。
F-(ウ):インドネシア。インドネシアは人口増加が続き、高齢化社会になるのは遅い。
G-(イ):シンガポール。図2Gの人口ピラミッドは中国に似ているが、シンガポールである。シンガポールは華僑が多く、中国の政治事情を忠実に反映する。
図3(イ)の高齢化速度は、中国の2030年予測値は16.2%、シンガポール27.4%である。(世界国勢図会07/08。74p)
★★★ 人口問題 124p


問3 発展途上国がかかえる問題として、不適当なものを①~④から選べ。【27】
① 乳幼児死亡率の低下が一因となり、人口増加が著しい。
② 初等学校では女性の就学率が低く、教育面での男女差がみられる。
③ 不衛生の不良住宅地区は、農山村を中心に形成される。
④ いくつかの都市には、ストリートチルドレンがみられる。


【27】解答③
解説 ①○ 発展途上国では、多産少死の人口爆発の状態である。多産多死の状態が終わり、少産少死の先進国型人口構成になりつつある。子どもと老人が少ないと、労働者は賃金を全部、自分のものとして使うことができる。国全体が同じ傾向にあると、高齢化社会の到来までは、経済水準が向上する。人口ボーナスといわれる。現在の中国、インドがその例である。
②○ イスラム世界では、女性に対して根強い差別がある。国によっては、就学が困難であるだけではなく、外出さえも自由にできない。
③× 不良住宅地区は大都市にあり、スラムといわれる。農村などから大都市に仕事を求めて来ても、満足な仕事がなければスラムに住むことになる。
④○ 家族全員が働いて生計の成り立つ貧困家庭が多い。子どもは貴重な労働力だが、子どもの多い家庭はカネがかかって貧困から抜け出ることが難しい。
★★ 都市構造 68p


問4  言語・宗教・民族などの歴史や動向について、正しい説明を①~④から選べ。【28】
① 北アイルランドでは、人口の6割を占めるプロテスタントと、少数派の東方正教徒との間の対立が続いている。
② 旧ソ連地域では、連邦解体後には、民族を単位とした多くの共和国が独立をしたため、旧ソ連時代の民族問題は解決した。
③ ブラジルでは、多様な人種の間にも均質な文化がみられ、国民のほぼすべてが日常生活ではスペイン語を使っている。
④ カナダのケベック州では、古くからフランス系住民が住んでおり、連邦政府からの分離独立運動がみられる。


【28】解答④
解説 ①× 少数派は東方正教ではなく、カトリックである。東方正教はロシア正教やウクライナ正教など、スラブ系のキリスト教である。カトリックはラテン民族のキリスト教である。
②× ソ連が解体してロシアが復活した。そのロシアからの離脱を考えるチェチェン共和国の例がある。また、ロシアとウクライナの対立のような、異なる共和国間の対立もある。
③× ラテンアメリカにはスペインの旧植民地が多い。しかし、ブラジルはスペイン植民地ではなく、ポルトガル植民地であった。ブラジルでは、旧宗主国の言葉ポルトガル語が使われる。
④○ カナダのケベック州はフランス人の方が多い。フランス語圏の独立運動が行われた。独立運動は失敗したが、フランス語と英語が対等になった。カナダの多文化主義とは、フランス語と英語を学校教育では対等に扱い、国内外の公的文書には2言語表示をすることである。
★★★ 民族問題 130p


問5 次の表1は、スウェーデン、スペイン、ドイツ、フランスにおける外国人労働者の国籍について、その国籍別人口の上位3位を示したものである。①~④はそれら4国を示す。ドイツに該当するものを、①~④から選べ。【29】 



【29】解答②
解説 ①フランス。アルジェリアとモロッコは元フランス植民地であり、フランスに出稼ぎに来て、低賃金労働者として働いていた。 
②ドイツ。1990年以前、西ヨーロッパでは低賃金労働者が不足し、出稼ぎ先のないトルコ人を積極的に西ドイツに集めた。
③スペイン。モロッコはフランス・スペインの2国の植民地であった。エクアドル・コロンビアはスペインの植民地であった。
④スウェーデン。北欧には、北欧からの出稼ぎ労働者が集まった。
★ 世界の人口 122p


問6 図4のLKMの3地域の歴史についての説明は、あとの説明(カ)(キ)(ク)のいずれが該当するか。①~⑥の組合せから選べ。【30】


(カ)ユダヤ人国家の建国にともなって、多数の難民が発生した。
(キ)統一国家が崩壊し、複数の民族。国家間の紛争が長く続いて、難民が発生した。
(ク)干ばつなどの自然災害の他、内戦がいくつも重なり、難民が発生した。


【30】解答③
(カ)-L 1イスラエル。1947年、国連でユダヤ人国家イスラエルの建国が承認された。イスラエルの建国の地パレスチナに住んでいたイスラム教徒の大部分は隣国に逃れ、パレスチナ難民となった。
(キ)-K ユーゴスラビア。多民族国家だったが、チトーの政治力によって統一国家になっていた。チトー大統領が1980年に死去、以後、ユーゴスラビアでは、カトリック、ギリシャ正教、イスラム教、無宗教などの民族を単位として、内戦が始まった。
(ク)-M ソマリア。北部がイギリス、南部がイタリアの植民地であった。1970までには全土の独立を宣言した。全土の大半が砂漠である。1978年には隣国エチオピアと領土戦争をして負けて、多数の難民を出した。経済的自立は難しく、各国からの経済・軍事援助に依存している。
★★★ 民族問題 130p
★★ 地中海沿岸の地誌 92p


2008年センター試験 地理B第6問解答解説

2008-01-22 | 地理解答
2008年センター試験 地理B第6問解答解説
第6問 広島市

第6問 広島市の自然や、都市の特徴などの調査結果について、各問いに答えよ。

問1 広島市の調査資料を利用する場合、不適当なものは①~⑤のどれか。一つ選べ。【31】
① 広島市と周辺市町村の人口構成や高齢化の状況を調べるため、住宅地図を用いる。
② 広島市の地形や、住宅地化の状況を調べるため、新旧の空中写真を比較する。
③ 広島市の産業分布を、GIS(地理情報システム)で分析するため、数値地図と統計資料を集める。
④ 広島市に本社のある企業の概要を調べるため、インターネット上でこの会社の
ウェブサイトを閲覧する。


【31】解答①
解説 ①× 住宅地図は住宅の位置を正確に示すが、人口についての情報を得ることができない。
②○ 新旧の空中写真を比較し、地形の大きな変化がある地域を発見できる。宅地の進出の著しい地域も分かる。
③○ 数値地図とは2万5千分の1地形図を、コンピューターで読むことができるようにしたものである。統計を重ねることで、新しい情報を得ることができる。
④○ 多くの企業は、自社の沿革、主要商品などの紹介をしていて、ウェブサイトの閲覧は事前調査に適している。
★★★ 地図 144p


問2 広島市の調査結果を、図表に表現する方法として、次の①~④のどれが適しているか。【32】
① 広島市の人口密度の状況を示すために、各町単位の階級区分図を作成した。
② 県内の市町村の別野菜生産量を示すため、流線図を作成した。
③ 広島市への国別の観光客数を示すため、等値線図を作成した。
④ 広島市からのフェリー航路を示すため、ドットマップを作成した。



【32】解答
解説 ①○ 各町の人口密度を0~500人、500~1000人、1000~2000人というように区分し、地図にはその区分に応じて模様をつける。
②× 流線図は移動を示す図であり、間違い。市町村の位置に、野菜の生産量に応じて、棒グラフか円グラフを描く。県内市町村の野菜生産量が一目で分かる。
③× 等値線図は山の高さや池の深さを示す場合には役立つ。各国から広島までの流線図を描き、その人数に応じて線の太さを変えるとよい。
④× 航路を示すのだから、メルカトル図法の地図に線を描くだけでよい。フェリーの便数を区別するのであれば、線の太さを変える。
★★ 地図 144p


問3 次の図1は1898年の5万分の1地形図である。地形図から読み取ることのできる地形を、下の①~④から一つ選べ。【33】

①砂州  ②リアス式海岸  ③ラグーン  ④干潟
 


【33】解答④
①× 砂州ではない。砂州は陸地とつながる細長い砂浜である。
②× リアス式海岸は、山地が沈水して、谷に海水が侵入した地形。
③× ラグーンは湾口を砂州がふさぎ、海が閉じこめられた湖。
④○ 三角州の外側にあるのは、干潟である。満潮時には海になるが、干潮時には海底が陸地として現れる。
★★★ 平野の地形 5p


問4 図2は1925年と2005年に発行された、2万5千分の1地形図である。新旧の地形図から分かる変化として、不適当なものを、①~④から選べ。【34】

① 図2の中央部の広島城跡とその周辺の官庁街は、かつて軍事施設であった。
② 図2の北東部の東練兵場であった場所には、現在、工業団地がみられる。
③ 図2の西部の相生橋より西の市街地は、格子状の街路網が整備された。
④ 図2の南西部の平和記念公園には、かつて多くの寺院が立地していた。


【34】解答②
解説 ①○ 県庁・裁判所・合同庁舎は、旧図では城跡と西練兵場である。
②× 東練兵場跡地は、現在は住宅団地になっている。工業団地は間違い。
③○ 相生橋は広島球場そば。相生橋の西側は城下町特有の入り組んだ街路であったが、現在は区画整理が進んで、格子状の街路になった。
④○ 平和記念公園は、城下町特有の寺町の跡につくられた。
★★★ 地形図(城下町) 150p 158p 160p


問5 次の表1は、広島市、岡山市、松山市、高松市の4都市を比較したものである。広島市に該当するものは、①~④のどれか。【35】 
 

【35】解答①
解説 ① 広島市。人口114万人。広島県内にはマツダ自動車の関連工場が多い。広島市も自動車関連産業が多く、一人当たり製造品出荷額が最も多い。
② 松山市。人口51万人。四国瀬戸内沿岸の工業集積地域から外れた位置にあり、工業出荷額は少ない。
③ 高松市。人口42万人。本州に最も近い都市として、江戸時代から四国の中心的都市であった。商業が発展し、一人当たりの卸売り業商品販売額が多い。
④ 岡山市。果樹栽培が盛んである。マスカット、モモ、ナシなどが、全国的に有名である。県庁所在地でありながら、農業生産額が多い。
★ 世界の都市(都市の階層性) 67p


問6 図3は、主要自動車工場の、都道府県ごとの分布図である。①~④のうち、不適当な説明文はどれか。【36】

① 1975年の工場分布は、太平洋ベルトと北関東に多い。
② 1985年の工場分布は、1975年と比べ、関東・東海地方で増加した。
③ 1995年の工場分布は、1985年と比べ、中国地方で減少した。
④ 2006年の工場分布は、1995年と比べ、関東地方で減少した。


【36】解答③
解説 ①○ 鉄鋼業が集中しているので、太平洋ベルトに集中する。北関東は内陸機械工業つまり自動車工場と部品工場が多い。北関東では労働力が豊富である。
②○ 神奈川県(日産)と愛知県(トヨタ)が生産力を増強、輸出を増やした。
③× 中国地方の自動車工場には、目立った増減がない。広島県のマツダ、岡山県の三菱は、生産力を増強するほどの競争力はなかった。
④○ 首都圏の神奈川県(日産)と埼玉県(ホンダ)が、工場のスクラップ&ビルドを実施した。工場の集約化を急ぎ、国際競争に耐える企業となった。
★★★ 日本の人口問題 127p(センター1999年追試)
★★ 自動車産業 64p

-------------------------
-------------------------
以上で、2008年センター試験地理B 解答解説 終了
--------------------------------------------------