センター試験地理B2009年 

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2008年センター試験 地理B第1問解答解説

2008-01-22 | 地理解答
2008年地理Bセンター試験 第1問解答解説

第1問 世界の自然

第1問
次の地図はタリム盆地のO点を中心とする正距方位図法の地図である。点Oは北緯40度、東経80度である。 
 

問1 次の雨温図①~④は、地図中のa~dの4地点のいずれかである。d地点に該当するのは①~④のどれか。【1】




【1】解答 ④   
解説 ①大連Dw、地図c。冬が乾季で寒冷の東シベリア型の気候。
②デンバーBS、地図b。ロッキー山中、コロラド州。高度1600m。
③コロンバス(オハイオ州)Df、地図a。南部(ジョージア州)に同名の都市があるがCfa。
④ナポリCs、地図d。イタリア南部の地中海性気候。夏が中緯度高圧帯におおわれて乾季になる。
*この雨温図の作成は理科年表によるが、理科年表にあるのはナポリのデータだけである。他の3地点は、2001年以前の古い理科年表によらなくてはならない。異なる統計期間のデータによって作られた雨温図である。
★★ 地理B実践ワーク121p(センター2004)。正距方位図法を用いている点は2004年と同じで、南極観測基地をタリム盆地に移動したもの。
★★ 地中海性気候 17p(演習)

問2 図の矢印は台風の経路を示す。次の説明文のうち、不適当なものはどれか。【2】
① 日本近海よりも海水温度の高い熱帯域で発生する。
② 地球の自転の影響で、赤道上で発生しやすい。
③ 太平洋高気圧の縁を回り込むような経路をとることが多い。
④ 中緯度では偏西風により、東に進路を変えることが多い。


【2】解答②
解説 ①○ 海水温度が27℃以上の熱帯海域で発生する。
②× 高温多湿の水蒸気の蒸発作用が原因。
*○の可能性もある。台風が渦を巻いて発達するのは、地球の自転にともなって生じるコリオリの力の作用である。ただし、これは地図からは分からない。
③○ 夏の太平洋高気圧は、小笠原高気圧。本来はハワイ付近で発達する亜熱帯高気圧で乾燥しているが、太平洋上で高温多湿になる。この太平洋高気圧が、台風の進路を妨害する。
④○ 台風は日本近海で右カーブになる。偏西風に押されて進路を変える。
*偏西風がなくても、地球自転によるコリオリの力で、台風の進路は右カーブになる。
★ 台風 20p


問3 次の(ア)(イ)(ウ)の文は、図のFGHのどれを説明したものか。【3】
(ア)古期造山帯に属する山脈が走り、海岸にはフィヨルドが見られる。
(イ)世界最大の楯状地の一部であり、海岸にもフィヨルドが見られる。
(ウ)新期造山帯に属する山脈があり、火山が見られる。
   


【3】解答⑤
解説 (ア)H:スカンジナビア山脈は、アパラチア造山帯に属する古期造山帯である。ノルウェーの海岸部分には、フィヨルドが分布する。フィヨルドは2万年の最終氷河期に、氷河の侵食作用によってできたものである。
(イ)F:カナダ楯状地は、安定陸塊の典型例である。鉄鉱石が分布する。
(ウ)G:カムチャツカ半島は環太平洋造山帯に属する、新期造山帯である。クリュチェフスカヤ火山(4688m)が、2005年に噴火した。
★★ 造山帯 3p
★★★ 海岸地形 7p(センター2002)


問4 次の地形断面は図1のO(タリム盆地。東経80度、北緯40度)から、KLMのどの方向のものか。【4】





【4】解答③
解説 (カ)L:高さ4000~6000mはチベット高原である。
(キ)K:タリム盆地の大部分はタクラマカン砂漠であり、その北にはテンシャン山脈(天山山脈)である。テンシャン山脈は古期造山帯だが、インドプレートとユーラシアプレートの衝突でできた再生山脈である。低地は西シベリア低地である。
(ク)M:北から南に向かってMを見た図である。Oに近いのがパミール高原である。M中央の低地はカラクム砂漠である。Oから遠い山地は、エルブールズ山脈である。
★ 東アジアの地形 72p



第5問 図1のPの島々について、次のどの説明文が不適当か。【5】
① 地球温暖化による海面上昇のため、国土の消失が憂慮されている。
② 新期造山帯に属し、火山活動や地震活動が活発である。
③ 2004年のスマトラ沖地震の時には、津波による被害を受けた。
④ サンゴ礁に囲まれた島が多く、主要産業は観光と漁業である。
 

【5】解答②
解説 Pはモルディブ共和国、人口30万人。熱帯雨林気候。1965年にイギリスから独立した。サンゴ礁のうちの環礁であり、最高地点は2.4m。
①○ 海面が上昇すると、海岸低地の集落は水没する危険がある。
②× インド洋プレート上のサンゴ礁であり、火山活動はない。
③○ モルディブは、2004年のスマトラ沖地震の津波で死者82人、行方不明26人の被害があった。
④○ サンゴ礁の観光と、まぐろ漁業が盛んである。
★ 地球の環境問題 132p


問6 図1のX島では、7月の卓越風は①~④のどの風向か。なお図4には、7月の降水量分布と、標高1000m異常の山地を示している。【6】



【6】解答②
Xはマダガスカル島である。南回帰線上にある。降水量は東海岸が多いので、卓越風は②の南東貿易風と判断できる。
また、インド洋南西部からユーラシアに吹き込む、夏の南西モンスーンは、南半球の南東貿易風が赤道で風向きを変えて、北半球では南西モンスーンを加速させることからも分かる。なお、南東貿易風は、赤道を越えて、南西方向のモンスーンになる。この風向の変化の原因は、地球の自転にともなうコリオリの力による。
★★★ 81p(センター2000) 
  


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