センター試験地理B2009年 

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2008年センター試験 地理B第6問解答解説

2008-01-22 | 地理解答
2008年センター試験 地理B第6問解答解説
第6問 広島市

第6問 広島市の自然や、都市の特徴などの調査結果について、各問いに答えよ。

問1 広島市の調査資料を利用する場合、不適当なものは①~⑤のどれか。一つ選べ。【31】
① 広島市と周辺市町村の人口構成や高齢化の状況を調べるため、住宅地図を用いる。
② 広島市の地形や、住宅地化の状況を調べるため、新旧の空中写真を比較する。
③ 広島市の産業分布を、GIS(地理情報システム)で分析するため、数値地図と統計資料を集める。
④ 広島市に本社のある企業の概要を調べるため、インターネット上でこの会社の
ウェブサイトを閲覧する。


【31】解答①
解説 ①× 住宅地図は住宅の位置を正確に示すが、人口についての情報を得ることができない。
②○ 新旧の空中写真を比較し、地形の大きな変化がある地域を発見できる。宅地の進出の著しい地域も分かる。
③○ 数値地図とは2万5千分の1地形図を、コンピューターで読むことができるようにしたものである。統計を重ねることで、新しい情報を得ることができる。
④○ 多くの企業は、自社の沿革、主要商品などの紹介をしていて、ウェブサイトの閲覧は事前調査に適している。
★★★ 地図 144p


問2 広島市の調査結果を、図表に表現する方法として、次の①~④のどれが適しているか。【32】
① 広島市の人口密度の状況を示すために、各町単位の階級区分図を作成した。
② 県内の市町村の別野菜生産量を示すため、流線図を作成した。
③ 広島市への国別の観光客数を示すため、等値線図を作成した。
④ 広島市からのフェリー航路を示すため、ドットマップを作成した。



【32】解答
解説 ①○ 各町の人口密度を0~500人、500~1000人、1000~2000人というように区分し、地図にはその区分に応じて模様をつける。
②× 流線図は移動を示す図であり、間違い。市町村の位置に、野菜の生産量に応じて、棒グラフか円グラフを描く。県内市町村の野菜生産量が一目で分かる。
③× 等値線図は山の高さや池の深さを示す場合には役立つ。各国から広島までの流線図を描き、その人数に応じて線の太さを変えるとよい。
④× 航路を示すのだから、メルカトル図法の地図に線を描くだけでよい。フェリーの便数を区別するのであれば、線の太さを変える。
★★ 地図 144p


問3 次の図1は1898年の5万分の1地形図である。地形図から読み取ることのできる地形を、下の①~④から一つ選べ。【33】

①砂州  ②リアス式海岸  ③ラグーン  ④干潟
 


【33】解答④
①× 砂州ではない。砂州は陸地とつながる細長い砂浜である。
②× リアス式海岸は、山地が沈水して、谷に海水が侵入した地形。
③× ラグーンは湾口を砂州がふさぎ、海が閉じこめられた湖。
④○ 三角州の外側にあるのは、干潟である。満潮時には海になるが、干潮時には海底が陸地として現れる。
★★★ 平野の地形 5p


問4 図2は1925年と2005年に発行された、2万5千分の1地形図である。新旧の地形図から分かる変化として、不適当なものを、①~④から選べ。【34】

① 図2の中央部の広島城跡とその周辺の官庁街は、かつて軍事施設であった。
② 図2の北東部の東練兵場であった場所には、現在、工業団地がみられる。
③ 図2の西部の相生橋より西の市街地は、格子状の街路網が整備された。
④ 図2の南西部の平和記念公園には、かつて多くの寺院が立地していた。


【34】解答②
解説 ①○ 県庁・裁判所・合同庁舎は、旧図では城跡と西練兵場である。
②× 東練兵場跡地は、現在は住宅団地になっている。工業団地は間違い。
③○ 相生橋は広島球場そば。相生橋の西側は城下町特有の入り組んだ街路であったが、現在は区画整理が進んで、格子状の街路になった。
④○ 平和記念公園は、城下町特有の寺町の跡につくられた。
★★★ 地形図(城下町) 150p 158p 160p


問5 次の表1は、広島市、岡山市、松山市、高松市の4都市を比較したものである。広島市に該当するものは、①~④のどれか。【35】 
 

【35】解答①
解説 ① 広島市。人口114万人。広島県内にはマツダ自動車の関連工場が多い。広島市も自動車関連産業が多く、一人当たり製造品出荷額が最も多い。
② 松山市。人口51万人。四国瀬戸内沿岸の工業集積地域から外れた位置にあり、工業出荷額は少ない。
③ 高松市。人口42万人。本州に最も近い都市として、江戸時代から四国の中心的都市であった。商業が発展し、一人当たりの卸売り業商品販売額が多い。
④ 岡山市。果樹栽培が盛んである。マスカット、モモ、ナシなどが、全国的に有名である。県庁所在地でありながら、農業生産額が多い。
★ 世界の都市(都市の階層性) 67p


問6 図3は、主要自動車工場の、都道府県ごとの分布図である。①~④のうち、不適当な説明文はどれか。【36】

① 1975年の工場分布は、太平洋ベルトと北関東に多い。
② 1985年の工場分布は、1975年と比べ、関東・東海地方で増加した。
③ 1995年の工場分布は、1985年と比べ、中国地方で減少した。
④ 2006年の工場分布は、1995年と比べ、関東地方で減少した。


【36】解答③
解説 ①○ 鉄鋼業が集中しているので、太平洋ベルトに集中する。北関東は内陸機械工業つまり自動車工場と部品工場が多い。北関東では労働力が豊富である。
②○ 神奈川県(日産)と愛知県(トヨタ)が生産力を増強、輸出を増やした。
③× 中国地方の自動車工場には、目立った増減がない。広島県のマツダ、岡山県の三菱は、生産力を増強するほどの競争力はなかった。
④○ 首都圏の神奈川県(日産)と埼玉県(ホンダ)が、工場のスクラップ&ビルドを実施した。工場の集約化を急ぎ、国際競争に耐える企業となった。
★★★ 日本の人口問題 127p(センター1999年追試)
★★ 自動車産業 64p

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以上で、2008年センター試験地理B 解答解説 終了
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