センター試験地理B2009年 

センター試験2006~2009年地理Bの解答解説。上のタイトルをクリックすると目次ページになります。

2009年センター試験地理B 第2問解答解説

2009-02-08 | Weblog
第2問 市町村規模の地域調査として、鳥取県境港市を中心とする地域の調査をした。あとの各問いに答えよ。




問1 境港市を中心とする20万分の1地勢図(図1)の説明文①~④のうち、誤りはどれか。 【 9 】

① 弓が浜半島の内陸側にある中海は潟湖(ラグーン)である。
② 中海に流入する飯梨川河口には、三角州(デルタ)が見られる。
③ 大根島は、陸繋砂州で島根半島とつながる陸繋島である。
④ 島根半島の北岸には、リアス式海岸が発達している。
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解答【 9 】③
○ ① 中海は弓が浜半島で外海と直接はつながらない。ラグーンである。中海の湖水は地下水やいくつもの水路で、海水と混じり合い、汽水湖といわれる。
○ ② 飯梨川河口の赤江や坂田は、小さな三角州上にできた集落である。
× ③ 陸繋島は砂州で陸地とつながっている。大根島は人工的な橋でつながっているので、陸繋島ではない。
○ ④ 島根半島北側は山地の沈水でできたリアス式海岸である。
解説 陸繋島は沿岸流で陸地側につながった島であり、函館山などをはじめ、日本全国にある。中海のことを知らなくてもできる問題である。市町村レベルの問題の場合、その市町村外の受験生が不利にならないるように問題がつくられている。
教科書 p24(図2)
ワーク p148(函館)   ★
マスター p14(地形図)★  


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問2 弓ケ浜半島の写真1は、図1のABCDのいずれの上空から矢印方向に向かって撮影されたものか。【 10 】
  ①A    ②B   ③C   ④D


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解答 【 10 】①
解説 弓ヶ浜半島の日本海側が、弓の形になっている。また、中海の一部が写真右側にあることから判断できる。
教科書 p23~26(海岸の地形図)p140~141(諏訪湖市街)
ワーク p75 (沼田) ★
マスターp14(海岸地形)★

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問3 次の地形図(図2)の説明のうち、誤っているものはどれか。図1も参照して答えよ。【 11 】



① 地形図の北西部の建物密集地は、境港市の北部に位置している。
② 地形図の北東部、昭和町の工場は、美保湾側の造成地にある。
③ 地形図の中央部、中野町付近の土地は、標高10m以上である。
④ 地形図の南西部の深田川付近の農地は、畑と水田が列状に並んでいる。

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解答【 11 】 ③
○ ① 境水道が鳥取県と島根県の境界である。境港市北部は鳥取県北端であるとともに、境港市の北端でもある。
○ ② 弓ヶ浜の低地をコンクリート護岸で保護し、工場用地を造成した。
× ③ 中野町付近の標高点に3mがあるから、標高10m以上は誤り。
○ ④ 市外を流れる深田川に平行の畑は自然堤防である。水田は後背湿地である。
解説 境港市に関する知識は不要。地形図読図の基礎があれば十分。
教科書 p19 
ワーク p4(沖積平野)★
マスターp72(地形図)★ 


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問4 図3は日本の部門別漁獲量の変化を示す。図4は主要漁港の水揚げ量の変化を示す。正しい説明はどれか。【 12 】



① 1990年以降の海面漁業・海面養殖業は、すべての種類で減少傾向にある。
② 1990~2005年の水揚げ量の減少率は、境港が最大である。
③ 1990年の境港の水揚げ量は、日本全体の水揚げ量の10%以下である。
④ 1990年以降、境港の水揚げ量の変化は、沖合漁業の変化と同じ傾向にある。
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解答【 12 】③
× ① 海面養殖業は微増傾向にあり、すべてが減少傾向ではない。
× ② 1990年にトップであった釧路が、水揚げ減少率第1位である。
○ ③ 1993年の総水揚げ量は、図3から1000万トンと計算できる。1993年の境港水揚げ量は70万トンだから、10%以下である。
× ④ 境港は1993年がピークである。沖合漁業は1990年以降、2000年まで減少傾向であり、1993年はピークではない。
解説 グラフから簡単に読み取ることができる。地理を履修していなくても解ける。
教科書 p77(日本の漁業)
ワーク p41
マスターp57 
 
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問5 次の図5は境漁港の水揚げ量推移を示す。図6は境港市の製造業の事業所数推移と、その出荷額の推移とを示した。図5、図6に関連し、不適当な説明を選べ。【 13 】



① 1990年以降の境漁港における水揚げ量の変化は、イワシの水揚げ量の減少が大きな原因である。
② 1995~2005年にかけ、水産加工品製造業における1事業所当たりの出荷額は増加している。
③ 1995年と2000年とを比較すると、境漁港の水揚げ量の減少率は、水産加工品関係製造業における事業所数と出荷額のそれぞれの減少率より大きい。
④ 境漁港の水揚げ量の減少により、水産加工品関係製造業における事業所数と出荷額は、ともに減少傾向にある。
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解答【 13 】②
○ ① 1995年まではイワシが大量に水揚げされたが、2000年以降はイワシの不漁が続いている。
× ② 1事業所の出荷額は、1995年が420÷60=7億円。2005年が210÷42=5億円である。1事業所当たりの出荷額(平均)は減少傾向にある。
○ ③ 図5から、1995年と2005年の境漁港の減少は、3分の1になった。図6から事業所数は6分の4つまり、3分の2である。同じく図6から出荷額は2分の1程度である。水揚げ量の減少割合が最大である。
○ ④ 境漁港の水揚げ量、水産関係製造事業所数、水産加工品の出荷額、いずれも減少傾向にある。
解説 特に地理の学習をしなくても解ける。%の計算を正確に、素早くしなくてはならない問題だが、地理の知識は不要である。
教科書  該当なし。
ワーク  該当なし。
マスター 該当なし。


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問6 次の図7は境港市の観光施設への入込観光客数を示す。これに関連し、不適当な説明を選びなさい。【 14 】



① 1995年以降、「水木しげるロード」の入込客数が増加傾向にある。その背景について「水木しげるロード」を歩いて、特徴的な施設や店の種類を調べる。
② 1980年以降、「夢みなと公園」の入込客数が60万人代を維持していることと、訪問者の交通手段との関係について、「夢みなと公園内で訪問者数を調べる。
③ 1999年以降の「水産直売施設」における入込数の減少について、「水産直売施設」の各店舗で売上高の減少に関する情報を収集する。
④ 2005~2006年にかけ、「海とくらしの資料館」の入込数が増加した。その変化について、「海とくらしの資料館」で聞き取り調査をする。
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解答【 14 】②
○ ① 「水木しげる」ロードが観光客増加に役立っている理由を調べる。
× ② 公園内で訪問者数を調べても、どのような交通手段で来たのか、分からない。
○ ③ 水産直売施設で売上減少の理由を聞き取る。
○ ④ 海とくらしの資料館が2006年に突然人気を得た理由を聞き取る。
解説 各観光施設の来客数の増減は、直接、その施設から聞き取るのが、正確である。数を数えるだけでは、理由は分からない。統計と設問を丁寧に読み、常識的判断力を働かせると、簡単である。教科書・問題集で学習しなくても、簡単にできる問題である。
教科書 該当なし。
ワーク 該当なし。
マスター該当なし。


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