センター試験地理B2009年 

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2009年センター試験地理B 第5問解答解説

2009-02-08 | Weblog
第5問 カナダに関して、各問いに答えよ。

問1 次の図1のABCDの各地域について、不適当な説明はどれか。【 27 】




① Aの地域は、西岸海洋性気候区に属する。
② Bの地域は、新期造山帯に属する。
③ Cの地域は、タイガが広く分布する。
④ Dの地域には、エスチュアリーがある。

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解答【 27 】③
○ ① Aの太平洋岸を、暖流のカリフォルニア海流が北上するので、高緯度でも温暖である。太平洋岸は西岸海洋性気候になる。
○ ② Bはロッキー山脈である。新期造山帯で、環太平洋造山帯。
× ③ Cのヴィクトリア島は北極圏のツンドラ気候であり、針葉樹林はない。
○ ④ Dのセントローレンス湾は三角江(エスチュアリー)である。三角州のできない河口である。
解説 カナダ地誌の問題。1994年のセンター試験とほぼ同一問題である。
教科書 p24(三角江)、p36(ケッペンの気候分類)、p40(植生分類)、p153
ワーク p107 ★★★
マスターp121 ★★★ 


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問2 図1のF地域では、どのような農業が見られるか。【 28 】

① 自然の草や水を求める、トナカイの遊牧が盛んである。
② 飼料作物や麦類の栽培と、家畜の飼育を組み合わせた、混合農業が盛んである。
③ 大都市を市場とする、酪農が発達した。
④ 冷涼で乾燥した気候であり、春小麦の大規模栽培が見られる。
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解答【 28 】④
× ① トナカイ遊牧は北極圏で盛んであり、カナダ南部では行われない。
× ② 混合農業地域は、アメリカ合衆国側の五大湖南部が中心である。
× ③ 図1のF地域には大都市が少ない。酪農地域としては不適当。
○ ④ カナダプレーリーは土壌には恵まれているが、寒冷のため、春小麦が栽培される。
解説 アメリカ合衆国のプレーリーの延長上の春小麦地帯である。
教科書 p160(図4)
ワーク p107 ★
マスターp49~50 ★★ 

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問3 次の①~④の説明文は、図1で示されたバンクーバー、エドモントン、トロント、モントリオールのいずれかのものである。トロントに該当する説明はどれか。【 29 】

① 内陸水運の起点にある港湾都市であり、多様な工業が発達した。
② 石油・天然ガスなどの資源に恵まれた地域の都市である。小麦栽培が盛んである。
③ カナダ最大の人口の都市である。金融・保険業などの経済的中心である。
④ 水運・陸運の要衝であり、農林水産物・鉱産物の集散地として発展した。
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解答【 29 】③
× ① モントリオール。人口103万人。ケベック州で、フランス人が多い。
× ② エドモントン。アルバータ州にあり、人口61万人。
○ ③ トロント。オンタリオ州の州都であり、人口は63万人。
× ④ バンクーバー。ブリテッシュコロンビア州。人口47万人。
解説 カナダの代表的都市の問題。カナダの首都はオタワで人口113万人。
教科書 p148(表1)
ワーク p107 ★
マスターp120  ★★  

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問4 次の図2は、カナダ移民の出身地別割合の推移を示す。(ア)(イ)(ウ)は、アジア、中央・南アメリカ、ヨーロッパのどれか。①~⑥の組合せから一つ選べ。【 30 】




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解答【 30 】⑤
(ア)ヨーロッパ。1960年以降、急速に移民数の比率が低下した。カナダケベック州で、フランス系住民の独立運動が過激になったためである。
(イ)アジア。ベトナム戦争、香港、中国返還問題、朝鮮半島などの南北対立などがあり、カナダへの移民が増加した。
(ウ)ラテンアメリカ。アメリカ合衆国の移民政策によりアメリカ合衆国への移民が難しくなれば、カナダへ移民する。
解説 カナダのケベック問題は、フランス系とイギリス系は、すべてにおいて平等にすることで、一応は決着した。
教科書 p148(図2)
ワーク p110 ★
マスターp120 ★★ 

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問5 図3の(カ)(キ)(ク)は、図4の(P)(Q)(R)のいずれかの州(あるいは準州)の言語割合を示す。あとの①~⑥のどの組合せが正しいか。【 31 】



  


   

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解答【 31 】②
(カ)英語が75%を占める。太平洋岸のPはブリテッシュコロンビア州である。
(キ)フランス語が80%を占める。カナダ東部Qのケベック州はフランス系移民が多い。
(ク)英語が25%で、あとは英語でもフランス語でもない。カナダ北極圏ではイヌイットが自治権を得ている。イヌイット語が使用される。
解説 1970年代にケベック問題が大きな問題になると、カナダの英語圏でも英語とフランス語の2言語主義を取り入れた。
教科書 p149
ワーク p110 ★
マスターp119 ★★  

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問6 図5のXYZは、アメリカ合衆国、カナダ、メキシコのいずれかであり、3国間の貿易を示す。正しい組合せは①~⑥のいずれか。【 32 】





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解答【 32 】③
(X)カナダ。3国間のうちで最も輸出量が多いから、カナダと判断できる。
(Y)アメリカ合衆国。YからもZからも機械・燃料の輸入量が多い。
(Z)メキシコ。カナダXとの貿易量が少ない。
解説 NAFTを構成する3国の区別の問題である。アメリカ合衆国中心の自由貿易協定であることから、3国を区別する。
教科書 p159(NAFTAのコラム)
ワーク p108 ★
マスターp67  ★ 

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