センター試験地理B2009年 

センター試験2006~2009年地理Bの解答解説。上のタイトルをクリックすると目次ページになります。

2009年センター試験地理B 第3問解答解説 

2009-02-08 | Weblog
第3問 農林水産業について、各問いに答えよ。

問1 次の図1の①~④は、イネ、小麦、サトウキビ、とうもろこしのいずれかの栽培起源地である。小麦の栽培起源地はどこか。【 15 】


-----------------------------------------
解答【 15 】①
○ ① 中央アジアでは小麦原産地である。冬の乾季に生育する。
× ② 中国南部の雲南地方である。米(イネ)の原産地の一つである。
× ③ ニューギニア。サトウキビの原産地にも諸説があるが、かつてヒンドスタン平原(インド)原産地説が有力であったが、最近はニューギニア説が有力になりつつある。
× ④ メキシコ高原はとうもろこしの原産地。先住民の主食であった。
解説 小麦原産地は地中海性気候、つまり夏に乾季、冬に雨季である。
教科書 p61(図2)
ワーク p26 ★★
マスターp43 ★★


---------------------------------------------
問2 次の図2は、小麦の播種期と収穫期を示す、国別小麦カレンダーである。①~④は、イギリス、インド、オーストラリア、フランスのいずれかである。インドに該当するものはどれか。【 16 】

 

-----------------------------------------------
解答【 16 】② 
× ① オーストラリア。収穫期が11月12月1月なので、南半球である。
○ ② インド。冬小麦だが、冬に温暖のため、収穫時期が早く、3~5月。
× ③ フランス。小麦を秋に植えて、翌年の夏に収穫。標準的な栽培である。
× ④ イギリス。寒冷地にも小麦栽培が広がり、春小麦も栽培される。
解説 小麦栽培とは通常は冬小麦の栽培のことであったが、冬に土壌が凍結する寒冷地では春小麦が栽培される。
教科書 p71(図20。小麦コラム)
ワーク p27 ★★★
マスターp48 ★★ 

---------------------------------------------
問3 次の説明文①~④は、アルゼンチン、インド、オーストラリア、スイスのいずれかのものである。アルゼンチンはどれか。【 17 】

① 19世紀末の冷凍技術の発達により、遠隔地への冷凍牛肉の輸出が可能になった。肥沃な草原では肉牛の飼育が盛んになった。
② 乾燥地域が広がっているので、スペインの乾燥地域原産のメリノ種が栽培され、世界最大の羊毛輸出国になった。
③ 乳牛を、夏は山地の牧場で飼育し、冬には麓の畜舎で飼育する。バターやチーズに加工される。
④ 牛や水牛の飼育頭数が多く、役畜として利用されてきた。近年は牛乳製品の需要が増加している。
--------------------------------------------
解答【 17 】①
○ ① アルゼンチンの草原地帯はパンパで肉牛が飼育される。欧米に冷凍肉を輸出する。
× ② オーストラリア。年降水量250~500mmの乾燥地域で、スペイン原産の羊が飼育される。
× ③ スイスアルプスの移牧である。夏には高地牧場で飼育する。冬は山麓の畜舎で飼育する。
× ④ インド。ヒンドゥー教国家なので、牛肉を食べることはできない。牛乳、チーズの消費量は多い。
解説 アルゼンチンではパンパからの肉牛輸出が盛んだが、パンパでは降水量の変動が大きいため、牧場経営は安定しない。
教科書 p69(牛・豚・羊のコラム)
ワーク p32  ★
マスターp121 ★★ 

---------------------------------------------
問4 次の図3ABCは、木材の伐採量、輸出量、輸入量のいずれかを、上位10国を示す。ABCは、①~⑥のどれが正しい組合せか。【 18 】





------------------------------------------
解答【 18 】② 
A 伐採量 薪炭用に発展途上国での伐採量が多い。
B 輸入量 建築用・製紙用に先進国の輸入量が多い。
C 輸出量 カナダ、ロシアの冷帯林の広がる国が、輸出量が多い。
解説 カナダのビリテッシュコロンビア州から、日本・アメリカなどに木材が加工輸出される。
教科書 p84~85(林産資源)
ワーク p38 ★★
マスターp55 ★★★  

--------------------------------------------
問5 水産業の説明(ア)~(ウ)は、中国、ノルウェー、ペルーのいずれかの説明である。説明と国との正しい組合せは、どれが正しいか。【 19 】

(ア)湖や養殖池などの内水面で、ウナギやコイなどの養殖が盛んに行われている。
(イ)アンチョビーを魚粉に加工してから、肥料・飼料として輸出する。
(ウ)サバの漁獲が多いが、サケの養殖も盛んである。サバ・サケの輸出が多い。

  

------------------------------------------------
解答【 19 】②
(ア)中国。中国では河川・湖沼の内水面漁業が盛んである。
(イ)ペルー。寒流のペルー海流によって大量に運ばれる。
(ウ)ノルウェー。サバが加工されて日本に輸出される。また、フィヨルドではサケの養殖が盛んであり、日本に輸出される。
解説 中国は国別漁獲量が第1位である。造船技術・漁獲技術の進歩により、日本周辺の漁獲量が増加した。ペルーではアンチョビーの漁獲量が大半だが、ペルー海流の異変(エルニーニョ現象)により、漁獲量が急減することがある。ノルウェーでは、日本人の嗜好に合う漁業を展開している。
教科書 p75(世界の漁業)、p47(エルニーニョ現象のコラム)
ワーク p40 ★★
マスターp56 ★★★  

-----------------------------------------------------
問6 世界の農業について、不適当な説明はどれか。 【 20 】

① EUは域内における農産物の関税を撤廃する一方、域外からの安価な農産物には輸入課徴金をかけている。
② 穀物メジャーといわれる巨大穀物商社は、世界の穀物価格の形成に大きな影響を与えている。
③ 日本は農産物の輸入割合が高くなっているため、輸入相手国の不作の影響を受けやすい。
④ 米は小麦と比較して、世界の総生産に対する総輸出量の割合が高い。
----------------------------------------------
解答【 20 】④
× ① EU各国の食料自給率を高めるため、海外からの農産物輸入を制限している。特にアメリカからの輸入制限は厳しく制限している。
× ② アメリカの小麦・大豆・とうもろこしなどは、アメリカの穀物商社が価格支配をしている。
× ③ 日本では米が自給率100%だが、他の食料の自給率は低く、輸入が多い。輸入農産物の安全性が問題になっている。
○ ④ 米は年5億トンの生産量のうち、輸出は5千万トン程度であり、産地自給的傾向がある。小麦は年5億トンの生産量のうち、輸出は1~2億トンであり、国際商品の一つである。
教科書 p71(小麦のコラム)、p73、p201(EUのコラム)、p272(日本の食料問題)
ワーク p26 ★★★
マスターp135(予想問題)★★★ 

--------------------------------------------------
--------------------------------------------------









最新の画像もっと見る