センター試験地理B2009年 

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2008年センター試験 地理B第3問解答解説

2008-01-22 | 地理解答
2008年センター試験 地理B第3問解答解説
第3問 世界と日本の都市

問1 次の表1は、1980年と2000年の人口100万人以上の都市数を地域別に示したものである。①~④は、アジア、オセアニア、CIS、ラテンアメリカのいずれかである。ラテンアメリカに該当するものを、表1の①~④から選べ。【13】


【13】解答②
解説 ①アジア。2000年には中国の35都市、インドの20都市が100万人を越える。都市への人口集中が進み、都市爆発といわれる。
②ラテンアメリカ。中南米でも20年間で、100万都市が2倍以上になった。大都市とその周辺に、仕事を求めて、地方からの人口移動が激しい。
③CIS。もともと人口移動が少なく、100万都市が増えない。
④オセアニア。100万都市が最も少ない。
★ 世界の都市 66p


問2 次の(ア)(イ)(ウ)の首都は、①~⑥のうちのいずれかである。正しいものを選べ。【14】
   

【14】解答⑥
解説 (ア)ナイジェリア。人口1億4千万人の産油国。ヨルバ族、ハウサ族、イボ族、フラニ族に分かれて対立、さらにキリスト教徒とイスラム教徒に分かれて対立している。1992年に、首都をギニア湾岸のラゴスから、内陸の砂漠アブジャに移転した。
(イ)トルコ。イスタンブルが首都であったが、1923年にケマルパシャが内陸のアンカラに首都を移転した。アンカラは内陸に新たに設計建設された計画都市である。
(ウ)オーストラリア。1931年に独立。首都キャンベラはグリフィンの設計による計画都市である。シドニーとメルボルンが首都となりたくて対立して決着がつかず、その中間キャンベラが、新首都になった。人口30万人。
★ 世界の都市 66p



問3 次の図1は都市人口率の推移を、国別に示したものである。①~④はイギリス、インド、韓国、フィリピンのいずれかである。イギリスに該当するものを選べ。【15】


【15】解答①
解説 ①イギリス。農業人口は1%代であり、大都市における商業、金融、サービス業などの人口が多い。
②韓国。1970年以後の急速な工業化により、工業都市、商業都市への人口集中が進んだ。高学歴化により、農業人口は減少し、都市の人口が増大した。
③フィリピン。農村の貧しさと都会の裕福さの、経済格差拡大を反映し、大都市に仕事を求めて農村から人口が集まった。しかし、仕事は少なく、スラムが拡大した。
④インド。すでにインドの大都市はほとんど全部が人口の飽和状態にある。仕事を求めて集まった人々には仕事はないし、住居もスラムである。
★★ 都市構造 68p
 


問4 次の図2は日本の大都市を模式化したものである。説明①②③④は、図2のABCDの地区の特徴を説明したものである。①~④のうちから、正しい説明を選べ。【16】

① A地区では、官庁や企業の本社などの立地が見られ、昼間人口と夜間人口の差が小さい。
② B地区では、中小工場や問屋などの立地が見られ、住民の高齢化が進んでいる。
③ C地区では、都市計画にもとづくスプロール現象が見られ、鉄道に沿って連続的に商業施設が立地している。
④ D地区では、大規模な工場や倉庫群の立地が見られ、地区全体の地価は高い。


【16】解答②
解説①× Aは中心業務地区CBDであり、大企業の中枢管理機能が集中する。昼はビジネスマンが多いが、夜間は国際ビジネスマンに限られ、昼間人口と比較すると、夜間人口は非常に少ない。
②○ Bは住宅と零細工場の混合地区である。工場と住宅を兼ねている場合も多い。若い労働者は少なく、高齢化した労働者が仕事のできる年齢まで働き、そこに住んでいるから高齢化が進む。
③× Cでは、都市計画が存在し実行されると、緑地の虫食い現象(スプロール現象)にはならない。商業施設は鉄道に沿うのではなく、鉄道駅前ごとにできる。
④× Dの臨海部はコンテナ貨物の増加により、倉庫群が不要になった。地価は安い。ウォーターフロント計画として再開発し、商業地区になる。例、ロンドン、東京。
★★★ 都市構造 69p(センター1999年追試)


問5 次の図3は、東京都区部、東京大都市圏郊外、東京大都市圏以外の国内移動数の変化を示したものである。あとの①~④の説明は、地域間人口移動の特徴を説明したものである。①~④のうち、不適当な説明文を選びなさい。【17】

① 東京都区部から東京大都市圏郊外への移動は、1960年代に増加した。
② 東京大都市圏以外から東京区部への移動は、1960年代後半から1990年代前半にかけては、減少傾向にあった。
③ 東京大都市圏以外から東京大都市圏郊外への人口移動は、1980年代に最も多く見られた。
④ 東京大都市圏以外から東京大都市圏郊外への人口移動は、1990年以降、東京都区部への人口移動の約2倍になっている。 



【17】解答③
解説 ①○ グラフBは、1965年から70年に増加。東京圏のドーナツ化現象。
②○ グラフCは、1965~1995年は減少傾向。高度経済成長が終わり、2回の石油危機の影響があり、地方から東京への人口移動が減少した。
③× グラフB。地方から東京へのピークは1970年であり、1980年は誤りである。
④○ グラフAとCの比較。1990年以降、Aは40万人、Cは20万人以下である。
*単純なグラフの読み取り問題。時代背景や都市問題などは知らなくてもできる。
★ 日本の人口問題 126p

問6 近年、日本の都市では人間と自然との共生をめざした取組みが行われている。その取組みについて、不適当な説明を一つ選べ。【18】
① 生態系の保全・再生やその教育のために、学校や公園・緑地内にビオトープを整備する。
② 都市の気温上昇を緩和するために、エアコンの普及をすすめる。
③ 交通渋滞を緩和し、大気汚染を制御・防止するため、パークアンドライドの利用をすすめる。
④ 水資源を有効利用するために、雨水を貯留して生活用水の一部に用いる。
 


【18】解答②
解説①○ ビオトープとはトンボやカエルなどの小動物が生息可能の自然環境のことである。生物を通して、自然の生態系を学ぶことができる。
②× エアコンを使うと、室内は冷えるが、外は室外機のために気温が上昇するから誤り。エアコンは、ヒートアイランドの原因の一つである。
③○ 自家用車で広い駐車場まで行き、そこからバス・電車などの大量輸送の可能な交通機関に乗り換える。都心の道路混雑が緩和される。自動車の利用が減るから、大気汚染も減る。
④○ 屋根の雨水を集めて、トイレ・風呂などに使う。都会の洪水防止にも役立つ。
★★★ 世界の環境問題 135p


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