センター試験地理B2009年 

センター試験2006~2009年地理Bの解答解説。上のタイトルをクリックすると目次ページになります。

2009年センター試験地理B 第6問解答解説

2009-02-08 | Weblog
第6問 現代世界の諸問題について、各問いに答えよ。 

問1 次の図1は、一人当たりの水資源利用可能量を、国あるいは地域別に示したものである。あとの説明文をうち、不適当なものを選べ。【 33 】



① 水資源の高位のグループは、熱帯収束帯にあり、降水量が多い。
② ロシア・カナダは降水量が少ないが、人口密度が低く、水資源は豊富である。
③ 水資源の少ない地域は亜熱帯高圧帯にあって、降水量が少ない地域である。
④ イギリス・ドイツは水資源が少ない。降水量が少なく、人口密度も低いからである。
------------------------------------------------
解答【 33 】④
○ ① 熱帯収束帯では、毎日、対流性降水スコールがある。
○ ② 人口密度が低いので、日本のように国内河川はダムばかり、ということはない。
○ ③ 亜熱帯高圧帯は北緯(南緯)20~30度の乾燥地帯であり、砂漠が広がる。
× ④ イギリス・ドイツでは人口密度が高いので、水資源が少ない。
解説 オーストラリアでは水資源が多いが、現実には干ばつ被害が多い。水資源は降水量に依存する、不安定な資源である。
教科書 p282
ワーク p9 ★
マスターp20★★

------------------------------------------------
問2 次の表1は、結核発症数、医師数、乳児死亡者数を、アルゼンチン、ケニア、フィリピンについて示したものである。(A)(B)(C)は、これら3国のどれか。①~⑥の組合せから選べ。【 34 】



-------------------------------------------
解答【 34 】④
(A)ケニア。医師数が少なく、乳児死亡率が高い。
(B)フィリピン。医師数が多いからフィリピン。
(C)アルゼンチン。南米の先進国であり、結核も乳児死亡数も少ない。
解説 フィリピンは人口爆発の時期は過ぎ、少産少死へ向かっている。アルゼンチンは白人国家であり、工業化が進行中である。
教科書 p259
ワーク p125 ★
マスターp129 ★★

-------------------------------------------------
問3 次の(ア)(イ)(ウ)は、図2の(P)(Q)(R)のいずれかの国の食料自給とその説明である。正しい組合せは①~⑥のどれか。【 35 】

(ア)政治的混乱、土壌劣化、伝統的主食作物の不作などで、食料生産が停滞している。人口増加も激しいため、食料不足は深刻な問題である。
(イ)輸出用作物の強制栽培制度の廃止と、多収量品種の導入により、食料生産が増加した。しかし、人口増加が激しく、食料は不足する。
(ウ)人口に比較して国内での食料生産は少ない。地下資源の輸出で得た外貨により、食料を輸入している。資源のある限りは、食料不足の恐れはない。






----------------------------------------------------
解答【 35 】②
(ア)アフリカのコンゴ(ザィール)。ダイヤモンドやコバルトなどの資源獲得のために、内乱が絶えない。
(イ)インドネシア。オランダ植民地時代、さとうきびの強制栽培により、米が不足した。独立後は「緑の革命」で米が増産されたが、まだ米は不足する。
(ウ)アラブ首長国で砂漠国。日本への原油輸出が多い。オイルマネーによって米・小麦が輸入される。
解説 インドネシアもアラブ首長国も産油国である。特にアラブ首長国では、万一、豊富なオイルマネーが先進国の金融危機に巻き込まれると、大きな損害を受け、政治経済の混乱が起こる恐れがある。
教科書 p264(アフリカ)、p266(インドネシアの食料問題)
ワーク p36 ★★
マスターp112★★★


---------------------------------------------------
問4 次の図3は、シンガポール、タイ、ドイツ、フランスの4か国について、出生率と65歳以上人口の割合を示したものである。シンガポールは①~④のどれか。【 36 】



------------------------------------------
解答【 36 】③
① ドイツ。65歳以上の人口が少なく、出生率が低い。
② フランス。出生率向上のため、国家的政策が進められている。
③ シンガポール。 少産少死の状態が続き、高齢化社会への対応が進められている。
④ タイ。多産多死の傾向にある。経済発展とともに、少産少死になる。
解説 先進国では高齢化社会の問題が大きい。フランスは少子化対策を進めて、出生率が向上した。
教科書 p292
ワーク p124 ★★
マスターp127 ★  

-------------------------------------------
問5 次の図4はカンボジア、パキスタン、メキシコについて、いずれも、女性の第3次就業者、識字率、労働力率を示す。(カ)(キ)(ク)と国名の正しい組合せを①~⑥から選べ。【 37 】





------------------------------------------------------
解答【 37 】⑤
(カ)メキシコ。女性の識字率が100%である。
(キ)カンボジア。女性の識字率が60%。女性も80%が働く。
(ク)パキスタン。女性の識字率、労働力率が低い。イスラム世界では女性の社会進出が厳しく規制されている。
解説 政教分離を進めて、近代化政策を推進してきたトルコでさえも、イスラム化が再び強化されている。女性の社会進出が次第に難しくなると懸念されている。
教科書 p230~231(イスラム社会)
ワーク p84 ★
マスターp106★
 

-----------------------------------------------------
-----------------------------------------------------






最新の画像もっと見る