センター試験地理B2009年 

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2007年センター試験地理Bの問題解答解説

2007-01-30 | 07地理B
 第1問 世界の自然 問題  解答解説
 第2問 世界の工業 問題  解答解説
 第3問 世界の都市 問題  解答解説
 第4問 アフリカ地誌 問題  解答解説
 第5問 現代世界の諸問題   問題 解答解説
 第6問 青森県の地誌  問題 解答解説 
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①センター試験地理Bの問題文は設問に無関係の部分を省略しています。
②解答解説は二宮書店の「詳解地理B」を使用しています。
③授業内容整理、白地図作業、それに大学受験テキストをかねた、二宮書店「地理B実践ワーク」を利用します。
 
  
「詳解地理B」と「地理B実戦ワーク」の二宮書店はこちらから
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第1問 世界の自然

2007-01-30 | 07地理B
第1問 次の地図を参照し、各問いに答えよ。



問1 新期造山帯の説明として、誤りはどれか。
【 1 】
① 石炭や石油を産出する楯状地が見られる。
② 広大な低地の中に基盤岩が露出した卓状地が見られる。
③ 地殻変動を受けた後に侵食された構造平野が見られる。
④ 中生代以降に形成された大山脈や弧状列島が見られる。



問2 図1のABCと、次の説明文アイウの正しい組合せは①~⑥のどれか。
【 2 】
(ア) 狭まる境界にある断層の活動により、強い地震が発生する。
(イ) ずれる境界のサンアンドレアス断層により、大都市で地震が起こる。
(ウ) 高原北縁の活断層の活動によって大地震が発生、大被害が生じる。





問3 次の図は、河川の月平均流量を示す。それぞれ地図中のLMNのどの河川を
示すか。
【 3 】

 




問4 次の降水量のグラフ(サ、シ、ス)は、図1中のPQRのいずれか。あとの①~⑥の組合せから選べ。
【 4 】

 




問題5 日本の自然災害の説明として、次のどれが適切か。
【 5 】
① 日本の太平洋岸では、沖合のプレート境界であるフォッサマグナで発生する地震により、津波被害が生じる。
② 日本列島では海溝に直交する向きに火山帯が分布しており、噴火による災害がたびたび発生する。
③ 日本列島では、前線が停滞しているときに台風が接近すると、集中豪雨が発生することがあり、地すべりなどの土砂災害が生じる。
④ 日本の東北地方では、冬に寒冷な季節風が吹くと、日本海側では雪害、太平洋側では冷害が生じる。


問6 自然災害に関するハザードマップについて、青色部分が不適当な部分は①~④のどれか。
【 6 】
① 地震への対策としては、地震災害予測地図が有効である。これは、将来の地震にともなう地盤沈下量や地下水面の低下量を示すものである。
② 火山噴火への対策としては、火山防災地図が有効である。これは、将来の火山噴火にともなう溶岩流や火砕流などの到達予測範囲を示すものである。
③ 洪水への対策としては、土石流危険区域地図が有効である。これは、将来予測される土石流の発生地域や土砂の堆積範囲を示すものである。

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第1問問題終了  第1問の解答解説

第1問 解答解説(世界の自然)

2007-01-30 | 07地理B
問1【 1 】④
①× 楯状地は安定陸塊。石炭・石油は少なく、鉄鉱石が多い。
②× 基盤岩が露出したのは楯状地である。卓状地はうすい堆積層におおわれる。
③× 構造平野は地殻変動が少なく、地表面のやわらかい地層の侵食された平野。
④○ 新期造山帯の説明。環太平洋造山帯とアルプスヒマラヤ造山帯がある。
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【教科書】10~11p:安定陸塊、古期造山帯、新期造山帯の説明。
10pの図4



【地理B実践ワーク、以下ワーク】2~3p:1.世界の地形 
各造山帯の対照表がある。造山帯の地図作業もある。
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問2【 2 】⑤
(ア)フィリピン。環太平洋造山帯にあり、フィリピン海プレートの動きが活発である。
(イ)アメリカ合衆国。環太平洋造山帯。カリフォルニア州にあり、大規模なずれる断層。ロサンゼルスがしばしば大地震に襲われる。
(ウ)トルコ。アナトリア高原北部には北アナトリア断層がある。
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【教科書】12p:地理の視点。火山と地震の分布図と解説がある。
【ワーク】2p:2.プレートテクトニクス。3p:造山帯の作業。
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問3【 3 】②
日本の流出量の季節変化の応用。融雪時期からユーコン川(カ・L)、流出量が年中少ないことからコロラド川(ク・M)、流出量の季節変化からミシシッピ川(キ・N)が分かる。
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【教科書】39p:世界の主要河川の流出量を示す図がある(図1)。高緯度では融雪時期、低緯度では雨季の流量が特徴的である。
【ワーク】24p:2.河川の分類。
25p:日本の河川のうち、神通川が融雪時期に流量が増すことが分かる。また太平洋岸の熊野川の降水量が梅雨と台風の時期に多い。これから、アメリカ合衆国の河川の流出型を類推できる。
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問4【 4 】⑥
気温が示されていないが、地図中の緯度から熱帯かステップと判断できる。
(サ)雨季が2回。赤道と南回帰線の間にあるスリランカR。Af。
(シ)6月から9月までが雨季、他は乾季。ムンバイQ。Am。
(ス)年降水量が400mm程度なのでステップ気候。カザフステップのアルマティP。BS。
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【教科書】44~45p:熱帯気候の説明と雨温図。
【ワーク】82p・84p:熱帯・亜熱帯ではモンスーンの影響で夏は雨季になる。83pのカラチ・ムンバイ・チェンナイの比較と同じ問題である。
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問5【 5 】③
日本の自然災害を、科学的・分析的に考える。
①× フォッサマグナが誤り。海溝が正しい。
②× 火山帯が海溝に直交するのが誤り。並行する、が正しい。
③○ 梅雨末期に台風から熱風と水蒸気が供給される。
④× 東北地方の冷害が冬は誤り。ヤマセによる冷害は夏である。
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【教科書】56p:北日本の気候。オホーツク海高気圧からヤマセが吹き込んで冷害が起こることがある。
【ワーク】20p:フォッサマグナ、海溝など日本の地形のまとめ。21p:東北地方の地形断面と夏のヤマセの設問。
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問6【 6 】①
①× 地下水の低下ではなく、上昇。地下水が地震時に上昇すると、液状化現象を起こし、建物が倒壊することがある。
②○ 火砕流の流れる速度が時速100km。ふだんからの危険認識が重要。
③○ 沖積平野が氾濫しやすいが、大都市では沖積平野に人口が増えた。
④○ 山崩れである。扇状地形成の1つの型であるが、危険である。
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【教科書】13p:火山の爆発による危険性が指摘されている。
【ワーク】20p:2.日本の断層。中央構造線とフォッサマグナは活断層が集中。
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以上、2007年地理B第1問解答解説終了。
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第2問 世界の工業

2007-01-29 | 07地理B
第2問 世界の工業について、各問いに答えよ。 

問1 次の地図は、塩(岩塩を含む)、パルプ、プラスチックのいずれかの上位生産国10国を示す。正しい組合せは、あとのどれか。
【 7 】

    

   



問2 次の地図ABCの工業地域は、説明文(カ)(キ)(ク)のどれか。正しい組合せを選べ。
【 8 】

   

(カ)この付近で産出される石炭や鉄鉱石を利用し、産業革命期から鉄鋼・機械工業が盛んである。
(キ)炭田地域に位置し、工業の中心がかつての重工業から、エレクトロニクスや環境、医療技術などの分野に移行しつつある。
(ク)学術研究都市であり、航空機の最終組立などの産業が盛んである。




問3 アメリカ合衆国の工業地域の説明として、誤っているものはどれか。
【 9 】
① サンノゼを中心とする工業地域は、半導体や集積回路を生産する企業が多数立地しており、シリコンバレーとよばれている。
② シアトルを中心とする工業地域では、豊かな森林資源をいかした製紙・パルプ工業や、第2次世界大戦後に発達した航空機産業が盛んである。
③ ピッツバーグを中心とする工業地域では、移民労働力を利用した毛織物工業が古くから盛んであり、労働集約的な生産が行われている。
④ ヒューストンを中心とする工業地域では、付近で産出される豊富な石油や天然ガスを背景に、石油化学コンビナートが立地している。
 

問4 中国の工業化について、誤っている説明文は、次のどれか。
【 10 】
① 1960年代後半から文化大革命の影響が全国各地に広がり、その期間中の混乱にともなって、工業生産が停滞した。
② 1980年代に入り、経済特区が沿岸部に指定され、外国企業の誘致による輸出指向型工業への転換がはかられた。
③ 1980年代後半には、余剰労働力を非農業部門で活用する郷鎮企業が急増し、農村部に普及していった。
④ 2000年に入り、政府は沿岸部と内陸部の格差是正を目的に、西部大開発を進めた結果、内陸部に先端産業が集積した。

問5 次の図(サ)(シ)(ス)は、食料品、精密機械、鉄鋼のいずれかでの都道府県別分布図である。製造品出荷額上位20都道府県まで示している。正しい組合せはどれか。
【 11 】

   





問6 次の図は、日本からいくつかの国・地域への、対外直接投資額の推移を5年ごとに示したものである。(タ)(チ)(ツ)は、アジアNIEs、ASEAN4、中国のいずれかである。あとの組合せのうち、どれが正しいか。
アジアNIEsとは韓国、シンガポール、台湾、香港である。ASEAN4とはインドネシア、タイ、フィリピン、マレーシアである。中国には、台湾、香港、マカオを含まない。
【 12 】

     

     

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第2問 解答解説(世界の工業)

2007-01-29 | 07地理B
問1【 7 】③
(ア)パルプ。
木材チップを製紙用に溶かしたものである。アメリカ合衆国・カナダの針葉樹分布国で生産が多い。日本は木材チップを輸入してパルプに加工。スウェーデン、フィンランドに注目すると、製紙関連の産業と分かる。
(イ)塩。
海岸乾燥地域で工業用塩が生産される。アメリカ合衆国とメキシコ国境周辺は、天然乾燥塩の大産地である。オーストラリアでは内陸砂漠の地下水を蒸発させて塩を生産する。
(ウ)プラスチック。
石油化学工業の一部である。先進国では技術の進歩により、金属に代わる工業素材として、自動車・建築・家庭用品に利用される。輸入原油に依存する先進工業国の生産割合が高く、中東産油国の生産量は少ない。
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【教科書】88~89p:世界のパルプ、塩、プラスチックの工業生産の直接の説明も、図もない。教科書にない盲点をついた問題である。工業立地の説明から推測することが重要になる。日本のおもな工業の分布のパルプ・紙工場から、ある程度は推測できる。
【ワーク】38p:林業の盛んな国・地域が製紙用チップ・パルプの生産国である。
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問2 【 8 】①
地図A:説明文(カ)
イギリスのミッドランド地方。19世紀にバーミンガムで、従来の木炭製鉄から、石炭製鉄への技術革新が進んだ。ミッドランド炭田とミッドランド鉄山が近い。石炭鉄鉱石共存型の鉄鋼業はバーミンガム型といわれた。現在、バーミンガムは石炭・鉄鉱石とも枯渇し、機械工業が中心になっている。
地図B:説明文(キ)
ドイツのルール地方。ライン川の水運と運河、それにルール炭田が重工業発展の基礎となった。内陸だが、19世紀には鉄鋼業と重工業が発展した。現在はハイテク産業が中心である。
地図C:説明文(ク)
フランスのトゥールーズである。パリ大学に次ぐ大きさのとぃールーズ大学は7万人の学生・教官などがいる。また、ヨーロッパ最大のエアバス社があり、航空機の最終組立地になっている。
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【教科書】203p:ヨーロッパの工業地域が、技術革新とともに変化している。バーミンガムの重工業が衰退し、トゥールーズの先端産業が発達したことを読み取ることができる。



【ワーク】57p:1998年の追試問題を、一部手直しした。このページ全体が、再出題されたも同然である。2007年の地図は1988年の追試問題の地図そっくりである。


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問3【 9 】③
①○ カリフォルニア州サンノゼは世界最大のハイテク産業集積地域。
②○ コロンビア川の水力発電によりアルミニウムが発展し、シアトルの航空機産業と結びついた。
③× ピッツバーグが誤り。ボストンが正しい。ピッツバーグは一時石炭産地立地型の内陸鉄鋼業都市として発展した。
④○ メキシコ湾岸油田と内陸油田から原油がパイプラインで運ばれ、石油化学工業が成立した。

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【教科書】158~159p:新旧の工業地域の詳しい説明がある。
93p:アメリカの先端産業の分布図がある。


【ワーク】108p:2.アングロアメリカの工業地域一覧まとめがある。
65p:作業1。アメリカの先端技術産業地域の白地図作業がある。地図帳などを参照しながらの作業により、先端時術産業地域を理解することができる。
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問4【 10 】④
①○ 文化大革命は毛沢東と反毛沢東との権力闘争。農村からは紅衛兵として多くの青少年が大都市に狩り出された。大都市の大学生は農村に追いやられた(下放)。
②○ ホンコンに隣接する漁村シェンチェンは経済特区に指定された。
③○ 郷鎮企業は農村の失業者を低賃金で雇い、農村の経済的遅れをある程度は解消した。2、3人の零細企業から1000人を越える大企業までがある。ラーメンをつくる工場もあるし、ロケットをつくる工場もある。
④× 西部は砂漠が広がり、一時石油資源の開発が試みられたが失敗、経済的な後進地域になっている。
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【教科書】245p:中国の経済発展の説明文が、問題文と一致する。
【ワーク】74p:3.中国の工業のまとめ。
72p:3.東アジアの経済発展の対照表で、経済特区の説明。
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問5【 11 】④
(サ)精密機械。
東京周辺と内陸県に多いから精密機械。精密機械とは計量機、分析器、医療用機器、レンズ、集積回路などである。高度な組立技術が必要である。
(シ)鉄鋼。
高炉で製造される鉄鋼以外に、銑鉄・くず鉄を原料とする電炉鋼とがある。高炉存在地の地図とは異なる。千葉(君津)・茨城(鹿島)・北海道(苫小牧)などの高炉メーカー所在地から鉄鋼と判断できる。
(ス)食料品。
原料産地立地型(乳製品、肉、酒)として北海道、新潟、鹿児島などがある。
消費地立地型(ビール、生乳、菓子)として東京大阪周辺の生産量が多い。
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【教科書】89p:コラム「分布図から工業の立地条件を考える」の分布図としては、集積回路(IC)、パルプ・紙、自動車、セメント工場の4図がある。
(サ)と集積回路の図がほぼ一致。それからの類推で、(シ)の鉄鋼が分かってしまう。
【ワーク】59p:1.鉄鋼業の立地変化の地図(1997年センター本試)。釜石(岩手)が消え、室蘭(北海道)が残った。
59p:2.日本の工場分布図(1999年センター本験)。
①IC、②セメント、③化学繊維、④コンピューター工場の分布図。
(サ)精密機械は①(IC)と④(コンピューター)の重ねた図になる。
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問6【 12 】③
(タ)1990年代にASEANの政治・経済が安定し、日本企業は低賃金労働力を求めてASEANに投資した。
(チ)日本からは、1970年代から現在まで、韓国・ホンコン・台湾・シンガポールにほぼ一定額の投資があった。NIEsの工業化政策の影響が強い。
(ツ)日本の中国への投資が1990年代から増加している。はじめは繊維・電器の労働集約的な製品であったが、現在は日本が機械・衣類などを大量に輸入している。
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【教科書】216p:ASEAN各国は工業化を進めるため、輸入代替型から輸出指向型工業
に転換。輸出自由区設定には日本企業が進出した。


【ワーク】78p:ASEAN加盟各国の一覧表。
142p:2.日本と中国の貿易についての整理。
143p:1.韓国、日本、中国の3国間の貿易。
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第3問 世界の都市

2007-01-28 | 07地理B
第3問 世界の都市について、各問いに答えよ。

問1 都市の形態・機能の説明として、最も適切な説明はどれか。
【 13 】
① 古代中国の都は、平坦な土地に計画的に建設された。王宮を中心とした放射・環状の街路網があった。
② 日本の近世の城下町では、身分による住み分けがなされ、防御のために都市全体が城壁で囲まれた。
③ 産業革命のヨーロッパでは、政治・商業機能を中心とした都市が発達したが、さらに工業都市も発達した。
④ 現代の先進国では、大都市圏が形成され、都心に隣接して衛星都市が建設されている。


問2 次の図(ア)(イ)(ウ)はアメリカ合衆国、タイ、ドイツのいずれかの国における上位20位までの都市人口を示したものである。(ア)(イ)(ウ)の国名と図の正しい組合せはどれか。
【 14 】







問3 先進国の都市の説明のうち、誤りはどれか。
【 15 】
① アトランタでは、郊外の高速道路インターチェンジ周辺にオフィス地区が形成された。
② パリ都心では、中層・低層の古い建物が多かった。都心部再開発で、都心の高層化が進んでいる。
③ バンクーバーでは、中国に返還された香港からの移住者など、アジア系の移民が増加している。
④ ロンドンでは衰退した港湾地域が再開発され、オフィスビルや商業施設が建設されている。


問4 発展途上国の大都市の説明のうちで、誤りはどれか。
【 16 】
① 急激な都市化に対応した道路や公共交通機関の整備が不十分であり、交通渋滞や排気ガスによる大気汚染が発生している。
② 水道や電気のひかれていない土地に簡単な住宅を建てて不法占拠し、不衛生な環境の中で生活する人々がいる。
③ 就業機会の少ない農村から流入した人々が、日雇い仕事や路上での物売りなど、不安定な仕事で生計を立てている。
④ 生活費や地下の高騰により、人口と事業所の多くが大都市から離れた地方都市に移住し、都心部が空洞化している。


問5 人口50万人程度の都市として、鹿児島市、八王子市、東大阪市を取り上げて比較する。それぞれ、どの都市か。
【 17 】





問6 図2は札幌市の20万分の1地勢図である。図3は図2の範囲における、人口密度、地価、老年人口率のいずれかである。図3の(サ)(シ)(ス)は何を示すか。正しい組合せを選べ。
【 18 】







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第3問 解答解説(世界の都市)

2007-01-28 | 07地理B
問1【 13 】③
①× 京都平安京のモデルとなった、中国長安の場合、格子状街路であり、環状の街路は存在しなかった。
②× 城下町全体が城壁で囲まれていたのではない。城だけが城壁でかこまれていた。
③○ イギリスでは商業都市としてロンドンやリバプールが発展した。工業都市としてはマンチェスター(綿工業)やバーミンガム(鉄鋼)が発展した。
④× 大都市周辺の衛星都市は連続的に拡大するのではない。交通手段や都市政策の都合により、飛び地的に存在する。東京の八王子市、茨城のつくば市など。
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【教科書】107p:パリは市街地が連続的に拡大してきた。衛星都市としてのニュータウンは、新しい都市計画を実現するため、飛び地である。一方、都心は歴史的景観を保存するため、建造物の高層化は地域的規制がある。
  

【ワーク】33p:2.都市の発達一覧。産業革命の進展で工業都市が成立した。
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問2【 14 】⑥
(ア)ドイツ。1位ベルリン339万人、2位ハンブルク173万人。
(イ)タイ。 1位バンコク659万人、2位アユタヤ16万人。 
(ウ)アメリカ。1位ニューヨーク814万人、2位ロスアンゼルス384万人。
タイでは首都だけに人口が集中している。地方都市は農村の中心地であり、都市的機能は不十分である。
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【教科書】110p:タイの経済発展は首都バンコクへの一極集中型であり、地方都市・農村部とは大きな経済的格差がある。
【ワーク】68p:1.都市構造。先進国では都市機能の分化が進む。
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問3【 15 】②
①○ 南部の綿工業の中心地であった。自動車関連産業の増加や、工業の管理部門の進出にともない、オフィスが増加している。
②× パリの副都心ラデファンスはパリ郊外に新たにつくられた副都心である。都心では歴史的建造物を保存するため、高層化ができない。
③○ 太平洋岸のバンクーバーには19世紀からアジア系移民が多い。日本人は第2次大戦中に追放され、中国人移民が増えた。
④○ テムズ川河口の港湾地区ドックランズが、高層ビルのオフィス街に生まれ変わった。
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【教科書】148p:バンクーバー市は人口54万人、カナダ太平洋岸では最大の都市である。中国人が30.2%で最も多い。イギリス人は18.5%である。多文化都市である。
【ワーク】68p:2.都市問題。イギリスのドックランズ再開発はウォーターフロント計画の典型である。
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問4【 16 】④
①○ メキシコシティ、ムンバイ(インド)などでは、老朽化した自動車の排気ガスが、深刻な大気汚染を引き起こす。
②○ マニラやリオデジャネイロなどでは、スラム(ファベーラ)に電気・水道などの生活基盤が整備されていない。土地・建物の不法占拠がスコッターである。
③○ 失業者が路上にあふれている。子どもの路上生活者がはstreet-childrenである。
④× 発展途上国では大都市に流入する人口の方が、流出する人口よりも、はるかに多い。大都市市街地の空いた土地・建物を不法に占拠し、生活する者が多い。インナーシティ問題といわれる、都心の深刻な問題である。
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【教科書】219p:ASEAN諸国は急速な経済発展を達成した。その一方でスラムやストリートチルドレンの姿も見られる。農村から都市へ移住した貧しい人々の中には、スコッターといわれる不法占拠集落を形成した例もある。
【ワーク】68p:3.都市問題。発展途上国のスラム。
69p:問題2.アフリカの大都市におけるスラム地域の分布(センター試験)。
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問5【 17 】③
(カ)八王子市。東京都心から電車で40分。住宅都市として発展したので人口増加率が高い。また、市内には大学が多く、20~24歳の人口割合が高い。
(キ)鹿児島市。製造業の割合が小さく工業が発展していない。卸売り販売額が多く、地方の中心的商業都市である。
(ク)東大阪市。機械・繊維関係の中小零細企業が集中する。製造業従事者が多い。住環境に恵まれた地域は少なく、人口が減少している。また、東大阪市の人口減少には、製造業の海外移転にともなう産業空洞化の側面もある。
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【教科書】100p:1980年代から日本の産業の空洞化が進んできた。
【ワーク】68p:2.都市の拡大。人口の密集していた中小製造業地域に、製造業の空洞化にともない、その跡地にマンション・オフィスビルができ、常住人口が減少。
142p:2.中国との貿易。日本の製造業の多くは、低賃金の中国に進出した。日本国内では、国内産業の空洞化や、失業増加が問題になった。
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問6【 18 】⑥
(サ)老年人口率。都心の地価の高い地域。それに郊外は地下鉄・JRとも不便で、地価の安い地域。老人家庭の貧富2極分化が見られる。
(シ)地価。地下鉄沿線の数値が高いが、特にJR札幌駅に近いほど高い。
(ス)人口密度。地下鉄とJRの交通の便に恵まれた地域。札幌駅から遠くても、駅が近いと交通が便利であり、遠くまで高い数値になる。
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【教科書】290p:大都市内部には、老人・失業者などが集まり、スラムができやすい(インナーシティ問題)。
【ワーク】68p:ドーナツ化現象。都心の人口が減り、郊外の人口増加。
69p:問題2.アフリカの大都市でも、低所得者は都市郊外に集まる。
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第4問 アフリカ

2007-01-27 | 07地理B
第4問 次のアフリカの地図に関連し、各問いに答えよ。




問1 次の図は、4大陸の高度別面積の割合を示す。①~④は、アジア、アフリカ、南アメリカ、ヨーロッパのいずれかである。アフリカはどれか。なお、アジアとヨーロッパの境界はウラル山脈とする。
【 19 】 






問2 次のグラフ(ア)(イ)(ウ)は、図1のABCのいずれかのルートについて、ルート上の5地点における気温と植生の変化を表したものである。(ア)(イ)(ウ)は、ABCのいずれか。
【 20 】








問3 次の地図KLMは、カカオ、小麦、モロコシ(ソルガム)のいずれかの主要生産国である。上位10か国について示している。KLMは何か、あとの組合せから選べ。
【 21 】





問4 図1中のPQRSは世界各地との交流によって発展した都市である。説明文①~④はPQRSのいずれかである。Sに該当するのはどれか。
【 22 】
① 紀元前から栄えた交易都市である。オリーブ、リン鉱石などが輸出された。
② 季節風貿易で栄えた都市である。貴金属、象牙などがアジアやヨーロッパに輸出された。
③ 欧米との交易や植民地経営を目的として建設された都市である。落花生・ゴムなどが輸出された。
④ 19世紀以降、豊富な金鉱床が相次いで発見され、鉱業都市として発展した。その後は商工業都市としても発展した。


問5 アフリカの民族文化の説明として、不適当なものはどれか。
【 23 】
① アフリカ西岸において、複数の民族によって用いられる共通言語には、スワヒリ語がある。
② アフリカには多くの民族が存在するが、ヨーロッパ諸国の植民地支配の影響で、国境線が民族の分布を無視して設定されたものもある。
③ 熱帯アフリカではキャッサバやヤムイモなどの根菜類が、重要な食料となっている。
④ サハラ砂漠以南のアフリカでは世界宗教以外に、自然や祖先を崇拝する、多種多様な固有の宗教がある。



問6 次の説明文(X)(Y)(Z)は、アフリカのノーベル賞受賞者3人とその出身国との説明である。図1の(カ)(キ)(ク)は、3人の受賞者のいずれかの出身国である。(X)(Y)(Z)と(カ)(キ)(ク)の正しい組合せはどれか。
【 24 】
(X)ウォレ・ショインカの出身国は多民族からなり、政治や石油利権を求め、内戦が続いた。彼は1967年に始まった内戦で、地方の民族主義を弾圧した軍事政権を厳しく批判し、投獄されたこともあった。
(Y)ナギーブ・マフフーズの出身国は、アラブ世界の政治や文化における中心的国家である。彼の小説はイスラム教の教義に反するとして、発禁処分にされたこともあった。アラブ世界で多くの読者をもち、映画化された。
(Z)ワンガリ・マータイの出身国は、多様な野生生物が多く生息する。彼女は、砂漠化や薪の採取による森林の破壊が深刻であったため、植林によって農村女性の社会参加を実現する運動をアフリカ各地に広めた。



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第4問 解答解説(アフリカ)

2007-01-27 | 07地理B
問1【 19 】④
① 南アメリカ。アマゾン川・ラプラタ川など、大河の流域に低地が広がる。3000m以上の高地の割合が高いのはアンデス山脈。
② ヨーロッパ。ウラル山脈以西。特に西ヨーロッパでは低地が60%を占める。3000m以上の高地は非常に少ない。
③ アジア。低地と高地の割合が高い。低地は大河の沖積平野、高地はヒマラヤ山脈など。
④ アフリカ。安定陸塊が大部分を占めて、大陸表面が硬い地層から成り立っている。低地はコンゴ盆地が最大。
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【教科書】10p:図4.アフリカ大陸は安定陸塊がほとんど全部である。サハラ砂漠の大部分は卓状地である。
【ワーク】88p:1.アフリカの自然。アフリカの地形一覧。
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二宮書店「データブック」4p②参照。
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問2【 20 】③
(ア)地点1、2、3、4とも砂漠である。アフリカ東部のルートBである。
(イ)地点1、2、3が熱帯雨林である。ギニア湾岸は1と2が熱帯雨林気候である。3は熱帯モンスーン気候だが、植生は熱帯雨林である。ルートAである。
(ウ)地点1、2がサバナであり、他のルートよりは気温の低いルートだから、ルートCである。地中海性気候の硬葉樹林はケープタウンである。
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【教科書】40p:図1.世界の植生分布。アフリカ大陸の地中海性気候は硬葉樹林である。地中海岸とアフリカ南端(ケープタウン)が地中海性気候である。


【ワーク】89p:問題1.2003年センター本試の類似問題。

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問3【 21 】⑤

(K)モロコシ(ソルガム)。サハラ砂漠周辺のサバナで生産量が多い。モロコシは米・小麦の育たない地域で栽培される作物である。アフリカ原産、中国名は高粱(こうりゃん)。
(L)カカオ。ギニア湾岸のコートジボワールとガーナの輸出量は世界第1位、2位である。なおカカオ資本は、治安の安定しない両国を避け、インドネシアでの生産を増やしている。カカオの生産第2位、輸出第3位である(2004年)。
(M)小麦。灌漑設備が整ったエジプトの生産量が多い。
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【教科書】212p:アフリカでは輸出用商品作物の栽培が盛んである。植民地時代のプランテーション農業が続いている。もろこしは自給的作物であり、その主要生産地を示す地図はない。


【ワーク】91p:問題1.(問1)アフリカ主要国の米、小麦、とうもろこしの主要輸出国。
(問2)ガーナ、コートジボワールなどの主要輸出品。
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問4【 22 】④
① P.チュニス(チュニジア)。地中海性気候は別名オリーブ気候である。
② R.モガディシオ(ソマリア)。インドとの季節風貿易の拠点。夏はインドに向かう南西モンスーンを利用する。冬は逆方向の北東モンスーンを利用する。
③ Q.ダカール(セネガル)。欧米とアフリカの交通の接点で、交通都市。フランス植民地時代に落花生の栽培が盛んになった。
④ S.ヨハネスバーグ(南アフリカ)。最初は農業を中心とするオランダに支配され、1814年に金・ダイヤモンドを求めるイギリスに支配された。人種隔離政策はアパルトヘイトといわれた。
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【教科書】213p:サハラ以南アフリカは貧しい国が多い。南アフリカだけは資源に恵まれ、鉱工業が発展した。
【ワーク】91p:問題1.アフリカの輸出品は特定商品にかたよる、モノカルチャー経済である。
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問5【 23 】①
①× スワヒリ語を国語としているのは、アフリカ東岸のケニアとタンザニアである。両国の公用語は英語である。西岸では多様な部族言語があり、フランス語あるいは英語が共通語として使われる。
②○ 例えばスーダンとエジプトの国境は北緯22度である。
③○ 熱帯の伝統的焼畑農業では、自給作物としてキャッサバ、ヤムイモが栽培されてきた。
④○ サハラ以南アフリカは、世界の最貧地帯である。豊作や病気快癒を祈る原始宗教が、民族ごとに異なった形で存在する。
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【教科書】211p:中南アフリカ(サハラ以南アフリカ)では聖堂や寺院を持たず、物に精霊が宿るというアニミズムや祖先崇拝が中心である。
【ワーク】13p:問題1.タロイモ、ヤムイモ、キャッサバの区別と焼畑農業。
28p:1.自給的農業の区分一覧。
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問6【 24 】③
●地図
(カ)エジプト、(キ)ナイジェリア、(ク)ケニア。
●説明文
(X)ナイジェリアはアフリカ最大の産油国である。1967年に産油地帯ビアフラで内戦が始まった。石油利権をめぐる民族対立であった。
(Y)エジプトはアフリカでは先進国とみなされる。イスラム教国家である。
(Z)ケニアの大部分はサバナ気候であり、降水量の長期変動が激しく、干ばつが長期化し、遊牧民が難民となることもある。
●ノーベル賞(知らなくても、正しい解答を得ることができる)
(X)ウォレ・ショインカはナイジェリアの文学者。ヨルバ族神話とギリシャ神話とをテーマに、英語でアフリカ世界を描いた。1986年にノーベル文学賞を受賞した。
(Y)ナギーブ・マフフーズはエジプトの文学者。カイロの平和なひとときを描いた「バイナル・カスライン」が代表作。1988年にノーベル文学賞を受賞した。
(Z)ワンガリ・マータイはケニアの環境副大臣。女性解放運動、砂漠緑化運動などに力を尽くし、2006年にノーベル平和賞を受賞した。
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【教科書】210p:ビアフラ戦争後のナイジェリアでは、1991年に首都をラゴスからアブジャに移転した。36州の連邦国家として、各民族に自治権を与えた。
【ワーク】90p:1.民族対立。エチオピア、コートジボアール、西サハラ、ナイジェリア、スーダン。植民地時代の民族分断に対立の原因がある。
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第5問 現代世界の諸問題

2007-01-27 | 07地理B
第5問 現代世界の問題について、各問いに答えよ。

問1 次のグラフの①~④は、タイ、中国、日本、バングラデシュの合計特殊出生率を示す。タイに該当するものは、①~④のどれか。
【 25 】




問2 次の図は、10~14歳の児童が就労している割合を、国別・地域別に示したものである。凡例ABCは児童の就労する割合が高位、中位、低位のいずれかである。ABCはどれか。あとの①~⑥から、正しい組合せを選べ。
【 26 】



      


問3 次の表は国民一人当たり総所得(GNI)と男女別識字率を国別に示す。KLMに該当する国名の正しい組合せは、①~⑥のどれか。
【 27 】






問4 次の図は、アジア、アフリカ、ラテンアメリカの3地域について、人口規模上位20か国について、供給栄養量と就業人口に占める農業就業人口の割合を示したものである。図の(ア)(イ)(ウ)と地域名の正しい組合せを、あとの①~⑥から選べ。
【 28 】






問5 多民族国家では人種、民族の共存への努力がなされている。次の①~④の説明文のうち、(青色部分)が不適当なものを選べ。
【 29 】
① オーストラリアでは、長い間実施されてきた白豪主義が廃止され、多民族文化の社会をめざすことになった。その結果、移民が急増し、(ラテンアメリカ出身者が移住者の大半を占めるようになり、先住民の復権も進められている)
② シンガポールでは中国系の住民以外に、インド系、マレー系住民が居住している。公用語は英語、タミル語、中国語、マレー語であり、(教育現場では、主に英語が用いられている)
③ フランスでは南太平洋、インド洋、カリブ海などにある海外県にも本国と同じ制度が導入されている。海外県は(国会議員をパリに送り、高等学校卒業資格試験などの国家試験を、本国と同じように実施している)
④ 南アフリカ共和国では、長年にわたり白人が先住民を支配する政策が行われてきた。国際社会からの批判があり、1991年までに(人種差別に関連する法律が廃止されたが、今なお白人の経済的優位が続いている)



問6 先進国から発展途上国にODA(政府開発援助)が行われている。次の表は1995年と2004年のODAの実績と、GNIに対するODAの割合%を示す。①~④はアメリカ合衆国、イギリス、日本、フランスのいずれかである。日本は、①~④のどれか。
【 30 】



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