原子力エネルギー問題に関する情報

杜撰で不経済極まりない原子力政策が、生存権を脅かし環境を汚染し続けていても、原発推進派の議員を選挙で選びますか?

中国電力部長(点検漏れ対策担当者)の死

2010年04月17日 | こんな国と事業者に原発を任せられない!
【8月25日追記】Twitterのcostarica0012さんのつぶやき
【拡散願い】ルポ、明石昇二郎氏の「中国電力・山下隆社長の悪事を暴く!」http://bit.ly/cwZbdUには、祝島住民へのスラップ訴訟以前にも、公益通報者保護破壊、内部告発社員に対する報復人事のレポートが。あろうことか、安全データー捏造なのに国交省と地元新聞社が情報提供して

で、以下の記事のことを知ったので情報を追加する。
上関原発建設も中国電力が進めている。
早く社長を交替させてほしいと切に願う。
ただし、原発に関する議論に誠実に対応してくれるような人材が、中国電力にいればの話だが・・・。

「中国電力「品質保証」担当部長はなぜ死んだのか(記事掲載タイトルは「部下ふたりを〝見殺し〟にした中国電力・山下隆社長の悪事を暴く!」)」→PDF
明石 昇二郎 著 (集英社『週刊プレイボーイ』2010年8月16日号掲載)

【追記ここまで】

前回のエントリで、123箇所の点検漏れが見つかった島根原発1,2号機で、定期点検項目が約7万ヶ所のうち、まだ5万カ所以上残っていることを書いた(追記:その後3月に123カ所だった点検漏れは、4月には1665ヵ所に増えたことが5月にわかった)。

その点検漏れ対策を担当していた中国電力部長が、13日に亡くなった。

いくつかの新聞をオンラインでみたが、以下のような、判で押したような共同通信の記事ばかりだった。

中国電力部長が自殺か 島根原発点検漏れ問題を担当 2010年04月15日
 松江市の島根原発1、2号機で発覚した点検漏れ問題で、中国電力の緊急対策本部で原因調査に当たっていた同社電源事業本部の男性部長が13日午前、松江市のホテル駐車場で倒れているのが見つかり、死亡していたことが15日、松江署などへの取材で分かった。  松江署は現場の状況から、部長がホテルの部屋から飛び降り自殺を図ったとみて調べている。同署や中国電力によると、部長は12日夜はこのホテルに宿泊していた。  中国電力は3月30日、123件の点検漏れを公表。緊急対策本部を設置して原因究明を進めている。(共同)


 13日の死亡が15日に報道されたことについて、ブログ「反戦な家づくり」では15日、以下のような疑問をなげかけている。

 まず、対策チームの中心的な人物が自殺(?)した13日当日に、中国電力の山下社長が何食わぬ顔をして、それには一切触れずに訓辞を垂れていたこと。

 そして、14日には松江市原子力発電所環境安全対策協議会が松江市役所であり、123件の点検漏れがあった問題などについて質疑が交わされたこと。

 さらに、「反戦の家づくり」によると、おとなりの日本海新聞には出ているのに地元の山陰中央新報が部長の自殺(?)について報じておらず、島根日日新聞にも見あたらなかったという。

 島根日日新聞には17日付で以下の記事があったが、やはり中国電力部長の死は報じていない。

島根原発に立ち入り検査/点検漏れ問題で/松江市と島根県
島根原発1、2号機(松江市鹿島町)で百二十三件の点検漏れが見つかった問題で、島根県と松江市は十六日、中国電力との安全協定に基づき、立ち入り調査を実施した。  この日は、県と松江市の原子力安全対策室の職員ら十三人が参加。二班に分かれて点検漏れが見つかった1号機原子炉内の蒸気外側隔離弁駆動用電動機を現場で確認し、中電から安全性について説明を受けたほか、同社が三月三十日に県などに提出した報告書の確認や、国の命令・指示で行っている総点検の体制について聞き取り調査を行った。  冒頭、中国電力の清水希茂島根原子力本部長は、「調査に全面的に協力したい」とあいさつ。  島根県の福間亮平危機管理監は、「今回の事態は県民に不安や懸念を与え、原子力発電に対する信頼を揺るがすもので誠に遺憾。中国電力には原子力発電所の保守管理体制について足元から厳正な再点検を実施してほしい」と述べた。


 以前、日本の公害専門の大学教授から「地元の企業による公害の記事を、地元の新聞は書かない。記者は、左遷や解雇が怖くて書けない」という話を聞いた事があるが、公害報道や原発報道の欠如の根っこは同じだ。おそらく重要な広告主を失いたくないのだろう。

 Twitterでは、中国電力部長の「自殺説」を疑う声も少なくなかった。1995年のもんじゅの事故の後、情報隠蔽問題で内部調査にあたっていた動燃職員の西村成生さんが、記者会見後に遺体で発見されたことを覚えている人は、私も含めて「本当に自殺だろうか」と疑うのかもしれない。

 ブログ「低気温のエクスタシー」には、『週刊金曜日(2008.10.24号)』に掲載された高田欽一氏(ジャーナリスト)による「動燃総務部次長の怪死を取りまく謎(「夫は自殺じゃない」と動燃相手に遺族が訴訟)」という記事など、西村氏のご遺族が暴かれた「自殺説の綻び」も載っている。

 Twitter: lime_green_M さんの15日のつぶやきも気になる。
 私の伯父は1970年に玄海原発を造った九電チームの一員。高レベル放射能廃棄物処理業務に回され東京へ、チェルノブイリ事故直後は日本からの代表団として視察にも…。もちろん癌にもなりましたが、結局はありえないような交通事故で死亡。疑問が残ります。調べようがなく残念。

 原子力エネルギーに依存することの大きな問題は、大勢の労働者や周辺住民の命や健康が被曝によって脅かされることに加え、事故や不祥事によって関係者の命が不審な形で失われることにもある。