原子力エネルギー問題に関する情報

杜撰で不経済極まりない原子力政策が、生存権を脅かし環境を汚染し続けていても、原発推進派の議員を選挙で選びますか?

浜岡より危険な玄海原発!

2011年06月23日 | こんな国と事業者に原発を任せられない!
当ブログで訴えてきた浜岡原発停止は、とりあえず実現したが、意外なところに盲点があった!
佐賀県の玄海原発は浜岡より危険という専門家の証言に、この夏九州に里帰りする身にとっては、背筋が寒くなる思いだ。

玄海原発の問題は、
日本一危険といわれる一号機が稼動していることと、
定期検査で停止中の2.3号機を強引に運転再開しようとする動きがあることだ。

EUもIAEAもフクシマの原発震災を教訓に、全原発の安全性検査を厳しく、危険なら停止という方向に進んでいるのに、
事故の収束すらも見えない日本では逆行するばかり。
知事や大臣などが国民のために働く政治家ではなく、自分の利権を守ることしか考えない政治屋を選んだからだ。
ちょっと長いが、重要な情報ばかりなので、是非最後までお読みいただきたい。


まずは、1号機の問題から・・・eirene’s memoriesというブログから部分的に転載させていただく、感謝!

今週の週刊現代(7月2日号)で、井野博満・東大名誉教授(金属材料学)が警告している。現在稼働中の玄海原発1号機は「中性子照射脆化」という現象によって、原子炉の圧力容器が壊れ、爆発する危険が高いという。
 一部を引用させていだだこう。

 「原子炉は老朽化するにつれ、圧力容器が中性子線によって脆化=劣化していきます。すると、ある条件に陥った場合に、容器がバリン、と割れてしまう危険性があるのです。

 圧力容器の破壊は、原発にとって究極の大事故と言うべきものです。圧力容器が割れたら核反応の暴走を防ぐ手立てはほとんどなくなります。原子炉が、福島第一原発でも起きなかったような大爆発を起こすのです。その危険が、いま玄海原発(佐賀県・九州電力)に迫っています。

 そう指摘するのは、金属材料学の権威で、東京大学名誉教授の井野博満氏だ。」
(中略)

 「75年に稼働した玄海原発1号機は、いまや日本一危険な原子炉であるといっても差し支えありません。なぜなら、地震や故障など、何らかの原因で通常の冷却機能が停止し、緊急炉心冷却装置(ECCS)が作動して原子炉圧力容器が急冷されると、その際に容器そのものが破壊されてしまう危険性があるからです。

 玄海原発1号機のような加圧水型軽水炉(PWR)は通常、圧力容器内が150気圧、300度以上の高圧・高温で運転されています。もし、この150気圧の圧力容器が壊れ、爆発したらどうなるか。容器内の放射性物質はすべて噴出し、空高く舞い上がり、広大なエリアに降り注ぐことになります。福島第一どころか、チェルノブイリ以上の大惨事になるのは間違いありません。

 では、なぜそれほど玄海原発1号機が危険なのかを説明していきましょう。

 原発の老朽化をはかるうえで重要な指標に、圧力容器の「中性子照射脆化」というものがあります。原子炉内で核分裂が起きると、炉内に発生した中性子が飛んで、圧力容器の内壁にぶつかり、金属にダメージを与えることになります。年月がたつにつれて、これが圧力容器を脆くしてしまう。それが中性子照射脆化と呼ばれる現象です。

 一般に原子炉というと、非常に頑丈で、何か特別な材料でできているように思われがちですが、実はまったくそんなことはありません。圧力容器は鉄にニッケルやモリブデンなどを多少加えた鋼でつくられていて、配管にいたってはステンレス製で、これは家庭用の流し台の素材と同じです。

 原子炉というのはそういうごくありきたりの金属でできています。したがって、他の一般的な機械と同様、経年によってガタもくれば、老朽化もする。しかも、その老朽化において原発特有の原因があり、それが中性子照射というわけです。

 では、その脆化=劣化とはどういうものなのでしょうか。簡単に言えば、中性子線によって金属の柔軟性・弾力性が失われて"硬く"なり、壊れやすくなる、ということです。

 人体にたとえれば、動脈硬化によって血管が破れやすくなるのをイメージしてください。金属の場合、劣化が進むと、「ある温度」(脆性遷移温度と言います)より低くなると、まるで陶磁器が割れるように、小さな力であっさりと割れてしまうようになります。この現象が、玄海原発1号機のような老朽化原子炉では進んでいるのです。

 通常、鋼の脆性遷移温度はマイナス20度くらいです。しかし、中性子線を浴びることによってこの温度がだんだんと上昇していきます。

この温度が高いほど、原子炉は危険になります。なぜなら、地震等で緊急炉心冷却装置が作動し、圧力容器を冷やさねはならなくなった場合、この「冷やす」という必要不可欠な操作自体が、危険を招くことになるからです。

 玄海原発1号機の場合、この温度が、なんと「98度」になっているのです。

 ガラスのコップに熱湯を注ぐと、割れてしまいますよね。これはコップの内側と外側の温度差によって生じる力に、ガラスが耐えられなくなるからです。

 原子炉の場合は、これと逆になります。高温の原子炉の中に、緊急冷却のために水を入れる。すると、それによって圧力容器が破壊されてしまう。「脆性遷移温度」が高いということは、その際、より早い段階で容器が壊れる危険性が出てくる、割れやすい、ということになります。

 ちなみに九州電力が公表している玄海原発1号機の脆性遷移温度は、76年が35度、80年が37度、93年が56度でした。ところが最新の09年の調査で、それが一気に98度へと跳ね上がりました。

 なぜこれほど急激に上昇したのか原因は不明です。ただ、圧力容器の鋼材に銅などの不純物が混ざっていると、老朽化が早く進み、この温度が高くなることがわかっています。以前は関西電力の美浜原発1号機の脆性遷移温度が最も高かった(81度)のですが、ここの圧力容器には銅成分が少なからず含まれています。

 玄海原発の場合、単純には説明のつかないところがありますが、どうも鋼材そのものが均一な材質ではない、という仮説が成り立ちそうです。つまり、圧力容器自体が一種の不良品だった可能性も捨て切れません。」
(中略)

 「もしも玄海原発1号機が爆発を起こした場合、周辺にどれほどの被害を及ぼすのか。元京都大学原子炉実験所講師の小林圭二氏は、こう語る。

 原子炉の脆性破壊は、いまだかつて世界が経験したことがない、巨大な事故になります。福島第一の事故は深刻ですが、それでも放射性物質の9割は圧力容器内に残っていると思われます。しかし、脆性破壊で爆発が起きれば、圧力容器は空になり、ほぼすべての放射性物質が放出されてしまいます。被害は玄海原発がある九州だけでなく、東は大阪にまで及ぶでしょう。大阪は現在の福島県の一部のように、避難区域になって住めなくなります。しかも、事故の進展が早いので、退避することも難しい。さらに、被害は中国など近隣のアジア諸国はもちろん、欧米にまで及ぶことになるでしょう」

「呆れたことに、原子力安全・保安院は、玄海原発1号機の異様に高い脆性遷移温度のことを、昨年12月に私たち「原発老朽化問題研究会」が指摘するまで、把握していませんでした。

 九州電力はこの情報を保安院に伝えておらず、保安院も電力会社に問い合わせる義務がないので知らなかったと言うのです。福島第一原発の事故で、原子力の管理・監視態勢がまったく機能しなかったことが問題になっていますが、ここでも同じことが起きている。

 安全性が顧みられないうちに、日本の原発の老朽化はどんどん進んでいます。

 脆性遷移温度が危険城にあるのは玄海1号機だけではありません。

 美浜1号機は81度、同2号機が78度、大飯2号機が70度、高浜1号機が54度と、ワースト2位から5位まで、福井県にある関西電力の原子炉が占めています。

 また、6位の敦賀1号機(日本原子力発電・51度)も福井にあります。

 老朽化原発は一刻も早く、廃炉にする必要があります。玄海1号機のように、本来40年の使用を想定していたのを強引に60年に延長して使おうなどというのは、もってのほかです。」【記事転載ここまで】

ちなみに、ベルギーで2003年施行の脱原発関連法(本当にそのとおりに実現するかどうかはまだ怪しいがw)では、原発の稼動後40年経ったら順番に廃炉にすることになっている。

【その他関連記事】
こちらのブログも玄海原発1号機の危険性を指摘している。アップされた佐賀新聞・投稿欄の記事も参照。
朝日新聞:玄海原発、想定以上の劣化か 専門家指摘「廃炉に」
西日本新聞:玄海原発1号機 想定超す劣化 九電は「安全」強調



次に、2,3号機の運転再開について
まずは、2011年6月22日付 朝日新聞記事から。
経団連会長といい、電力会社といい、日本の経済界は金儲けと利権維持しか頭にないらしく、公害問題以来いまだに倫理観が欠如しているようだ。


九州商工会議所連合会=会長、河部浩幸・福岡商議所会頭(九電工会長)=は22日、電力の安定供給を求める緊急提言を発表した。原子力発電所の安全性について国が地元住民に説明するよう促し、定期検査で止まっている玄海原発(佐賀県)2、3号機などの運転再開を訴えた。

河部会長は記者会見で「九州に工場を誘致したいと思っても、海外に行ってしまう。原発を再稼働してもらいたい」と述べた。省電力化や電力需要の分散を、会員企業に働きかけて節電に協力する考えだ。【記事ここまで】


再稼動したら、工場誘致どころか今いる企業も出て行くに決まっている!

次にTwitter情報から:再稼動阻止行動にご協力をお願いします!
@Dhattam
RT @minminzemizemi: 【拡散希望】佐賀県、九州にお住まいの方、力を貸してください!24日(金)、12時半、佐賀県庁新館の1階ロビーにお集まりください!!!26日(日)に行われるたった5人のやらせ住民説明会に対し講義をしたいと思います。玄海原発プルサーマル裁判の会

@adachirikiya
26日に経産省が開く玄海原発再稼働に関する「地元住民への説明番組」に、経産省から住民代表として参加を打診された方の話。なぜこんなに急に開くのかと尋ねると「経産省と広告代理店の都合でこうなった」と。広告代理店の都合って何だ?説明を要求している住民の都合は聞かないわけ?ふざけんな!

【参考記事】広告代理店が参加者探し

@gpjSato
RT @necorockstar: @gpjSato 佐賀県庁原子力安全課に電話で問い合わせました。佐賀県が現在アドバイスを仰いでいるのは、九州大学の工藤和彦特任教授と出光一哉教授だそうです。どちらも超原発推進派!! このままだと危険です。


以下は【玄海原発プルサーマル裁判の会からの呼びかけ転載】

国と佐賀県は、26日(日)の住民説明会を開催し、玄海原発2.3号機再稼動を強行し、
全国の原発再稼動の足がかりにしようとしています。
説明会はアリバイ作りとしか思えません。
【以下問題点】
・5名はどういう人なのか、何故5名だけなのか?
・私達の請願書が受理され、27日に議会で審議されるその前日に説明会を開催するのは、議会無視というしか
 ありません。
・ケーブルテレビ(ぶんぶんテレビなど)やネット中継で、県民に広く説明が可能と言うが、その機会
 が持てない人はどうして聞く事ができるというのでしょうか。
 質問事項はメール・FAXというが、出来ない人はどうすればよいのか。
・26日説明会開催の広報は、古川知事の議会での発言のみ、当日の夕方の佐賀版ニュースがあっただけ。
 HPに詳細は載っていると回答するが、ほとんどの人はHPなど見る人はいない。きめ細かな広報とは
 到底思えない。
・海江田大臣の安全宣言発言が、福島原発事故の収束も待たずにされたことは言語道断です。
 それを受けて、住民説明会や、再稼動は決して許される事ではありません。
・住民への説明とういなら、なぜ混乱を招くと言う知事の発言になるのか。
・・・・・・以上のことを説明会開催問題点として、列記しました。

下記、住民説明会開催について、この間の行動・経緯を報告いたします。
6月1日・・3団体で、古川県知事に対し、要請文提出。
  「安全保安院が九州電力を伴って住民に対する直接の説明会を実施するよう古川知事
  が海江田万里経済産業相に申し入れされることを要請」
6月10日・・住民への説明会開催するように再度要求する。
6月17日・佐賀県原子力安全対策課から保安院へ、住民説明会開催要求の電話を入れる。
6月18日・・、海江田経産相は全国の原子力電気事業社に再稼動を要請した。(安全宣言)
6月20日・・佐賀県議会へ住民説明会開催要求の請願書提出(紹介議員4名)
6月20日・・古川知事の突然の議会での発言~国からの住民説明会開催を6月26日(日)開催。
       参加者は県民の中から5名程度、場所、時間不明。ケーブルテレビやネット中継。
       質問などは、メールやFAXで受付可能という。ネット中継により広く住民に説明が出来る。
      一度に大勢でやると混乱を招く恐れがあるため5名程度にした。以上内容説明。
6月21日・・古川発言に抗議文提出
     「県民代表は、5名、時間・場所・規模など6日前にして不明と云う驚くべき身勝手なもので、
     とても公開された丁寧に住民に理解を求める説明会とは云えない。」
6月22日・・海江田大臣へ抗議文提出(6月18日発言を受けて)
6月22日・・住民説明会の開催は、保安院より依頼を受けて広告代理店が開催。
       住民5名の選出をも広告代理店が、住民へ電話で依頼。

★ぜひ、皆さん方の思いを佐賀県・保安院に電話やfaxで抗議行動をお願いします。
 子ども達の命と健康を守るために、近々に再稼動が予定されている玄海原発を皆で止めましょう!
 玄海を止めて、全国の原発再稼動を阻止しましょう。


■ 佐賀県 秘書課  FAX:0952-25-7288  
TEL:0952-25-7007
■  原子力安全対策課 FAX:0952-25-7269  
TEL:0952-25-7081

■ 保安院広報課    FAX:03-3501-8434
TEL:03-3501-5890
*********************************


特に3号機ではプルサーマルを実施、すなわちウランよりも危険なプルトニウムが燃料に使われている。
【参考資料】
後藤曜子さんの卒論「佐賀県玄海原子力発電所におけるプルサーマル事故被害予測」(京大原子炉実験所の小出さんが協力)
そして、もちろん1号機の即時廃炉も訴えよう!