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廃棄物彩生処

主にジムニーの廃品利用による改造、メンテ、及び4×4トライアル競技などを掲載する場として・・・・!

ジムニー燃料ポンプの復活

2013年06月28日 | JA11
 長期間放置して置いたジムニーの燃料タンクが錆び、その内部の回転不能となった燃料ポンプの復活に挑戦した。

下図は、全体に錆が付着し、モーターポンプが回転不能となった燃料ポンプ。 赤錆はポンプ部材の錆ではなく、タンクの鉄錆がメッキ表面に付着していものである。

 

復活作業手順は、
①ポンプアッシー(ASSY)を分解して、
②ポンプの吸入口と吐出口から、パーツクリーナーとCRC556などを吹き込む。
③ポンプ横腹をハンマー等で叩く。・・内部に付着の錆を落とすために(効果の程は不明だが)
④ポンプ電源線に、DC12Vを接触させ、次に+、-を反転を繰り返す。
 【注】接触端子に火花がでた状態で、すぐに接触を離すこと。連続通電するとモーターが焼損するので。
⑤ポンプに何らの反応がなければ、上記②、③、④を繰り返す。
⑥そのうちに、内部がカチッと音が出てくるので、更に②、③、④を繰り返し、正常回転するまで根気よく繰り返す。
⑦正常回転が得られたら、分解したものを元に戻す。

 分解し清掃したポンプパーツ

 元に戻したポンプASSY

この方法で3台のうち2台を復活させることができた。
しかし、1台についてはハンマーでたたいて分解してしまったので復活不能となってしまったぁ・・・・! これが最も新しい物だったのに・・・

こんなボロボロのポンプを復活させよう、なんて思うのは、貧乏人のわが廃棄物彩生処しかいないだろう、と思う反面、復活できたことを満足しつつ、誇らしげにこの記事を綴っているのである。


ジムニーフロントハブベアリング異常

2012年11月22日 | JA11
 ジムニーJA11のフロント・ハブ異常のため分解したところ、ベアリングが異常摩耗していた。

 下図画像のとおり、加圧面が異常に荒れており、ローラー、内輪共に小径側が接触していない状棚なので、可成り摩耗しているようだ。また全体的に黒っぽく変色している。
グリースは正常に塗布されていたので、過去に水が進入し摩耗した物を、清掃して組み付けしたかも知れないが、記憶にない。

 ローラ表面が荒れている

 内輪面も傷だらけ

 これまでこのホイールベアリングナットの締め付けは、回転状況を感触で判断して適当に締め付けしていたため、締め付け過ぎたかも知れないとの反省から、ベアリング交換後の組み付けには、規定の締め付けをすることにした。 

【規定のホイールベアリング締め付け方法】

・まず、ベアリング組み付け状態を落ち着かせるため、ナットを800kg・cmのトルクで締め付ける。
・次に、ナットを緩めてから、100~150kg・cmのトルクで締め付ける。
・ホイールボルトにバネ秤を引っ掛けて、ハブの起動力(プレロード)が1~3kgであることを確認する。
 この測定は、ブレーキキャリパーは外した状態で!
 なお、この起動力は回転角全周で均一ではなく、またグリース粘度等でも違いがあるので、上記値の範囲に入っていれば良し、とする。

 トルクレンチで締め付け

 バネ秤での起動力確認

 このホイールベアリングナットの締め付けを正規に計測するには、大きなソケットレンチが必要だが、スズキ純正工具が用意されているので、これが安価かも。¥3,000程度か?  品番は:09941-58010

 以前はこれが無かったので、マイナスドライバー先端で叩きながら締め付けしたのだが、これは緊急時急場しのぎだけにしたい。

ジムニー電磁ポンプの分解!

2012年06月20日 | JA11
ジムニーJA71、JA11などの燃料タンクに埋め込んであるインジェクション用電磁式フューエルポンプは、ブラケットに配線やフィルターなど組み込んだ一体ものでしか購入できない。 このため、¥30,000超の高価品である。

 今回、長期間未使用の燃料タンクから取り外したさび付き不良品を、興味本意で分解してみたところ、意外なことに各パーツが簡単に分離できることが判った。

 分離したさびさびの電磁ポンプASSY

 電磁ポンプ/配管/フィルター等の接続は、耐油性ゴム栓に差し込んであるだけである。これなら、アセンブリー販売でなく電磁ポンプ単体で販売して欲しいよぉ~・・・!

 これまた意外なことに、電源リード線はガソリンに浸してあるにもかかわらず普通のコネクタで接続されているではないか・・・。
それもそのはず、ガソリンは鉱油であり絶縁物である。・・・・少し納得!

 この電磁ポンプ本体(ポンプとモーター)は一体構造で分解できないが、サンダーで無理やりカットして内部構造を見ることにした。 

 ケースを切断して分解した電磁ポンプ本体

【電磁式フューエルポンプのしくみは】

・画像左の3個の円形物がポンプで、渦流タービン式(カスケードポンプ)である。このポンプは薄型の簡単な構造だ!
・その右側が、ブラシ式の極く普通の直流モーター(永久磁石界磁式整流子モーター)だ。
 ただし、通常の整流子モーターは、整流子はモーター軸方向でブラシは軸と直角配置なのに対して、このモーターは
 整流子は円盤状で軸に直角、ブラシは軸方向としたコンパクト構造である。
・ポンプで吸い上げたガソリンは、モーター内部を通ってブラシ側の穴から配管へ送り出す構造。
 ガソリンでモーター発熱を直に冷却できるので、長寿命となるのだそうである。

 この燃料タンクに埋め込むモーター構造に興味を持った理由は、”電気火花に対する防爆対策はどのようなものなのか”であったのだが、これまた意外なことに電気火花が発生するブラシ式であり、しかもブラシ部をガソリンが通過する構造であったのだぁ・・・! これでは防爆構造でなく、全くの期待外れであった。

 可燃ガスは、酸素との適度の混合ガスでないと爆発しないことから、液体ガソリンの内部でスパークしても、爆発できないことを今回の電磁ポンプ分解で認識することができ、予想外の収穫であったようだ!

 しかし、上述の説明だけでは少し納得できないものがある。
燃料タンクのガソリンが空になった状態では、当然ガソリンが気化して酸素との可燃ガスが充満する。そこで電磁ポンプをぶんぶん回せばブラシ部アークで爆発するのじゃないのか?

 少し調べたところ、インジェクション式エンジンは燃料ポンプを含めてコンピュータ制御しているので、異常時にはポンプ電源をカットする車があるとのこと。 しかしジムニーはそのようになっているのだろうか。 要調査だぁ・・・!


【ご注意】
 ここで、ジムニー乗りへのご忠告!
 P車改造などでは、しばしば燃料タンクを自作することがあるが、燃料タンク内にこのようなブラシ式電磁ポンプを埋め込む際には、注意が必要である。
 
 なお、キャブレター用の電磁ポンプは、一般にはダイヤフラム式であり、これは接点アークは生じるが電気室と燃料室がダイヤフラムで隔離されており、また、これはタンクの外付けであるため爆発の危険性は少ない。 


F6Aタイミングベルト交換

2012年01月11日 | JA11
 今回、譲渡したF6Aボアアップエンジンのタイミングベルトを交換した。

車から降ろした状態での作業のため、手前側に邪魔物が無く、とても簡単であった。

交換手順は以下のとおり。
・カーバー周辺のパーツを外す。(オイルレベルゲージ、ターボタービン・冷却水パイプなど)
・ファンベルトを外し、エアインパクトレンチを使ってクランクプーリーを外す。
・タイミングベルト・カバーを外す。
・ベルトを回転し、下画像のようにマーク合わせをする。


・テンショナーのスプリングを外し、ベアリングを外す。


・ベルトを交換する。
 【注】・ベルトを外した状態で、クランク、カムシャフトを回転させないこと。
    
・ベアリングを取け、スプリングをセットする。
・ベルトを2~3回ほど回転方向へ回して、たるみをとる。
・ベアリング中心のボルトを締め付ける。
・ベルトカバー、クランププーリー、ファンベルト、その他付属パーツを戻して、完了!

下図はエンジン購入者が持参した社外品のベルトとテンショナーベアリング



〔参 考〕
・タイミングベルト仕様について
  このエンジンはジムニーJA11用の3型であるが、JA11初期の1型はウォータポンプをタイミングベルトで駆動する方式であり、ベルト長さが異なるため、パーツマニュアルから品番指定して購入する際は注意を要する。
  自分はこれを知らずに間違えて購入し、未だに在庫だぁ



F6Aボアアップエンジンを激安譲渡

2012年01月10日 | JA11
 ジムニーJA11用F6Aエンジンの720ccボアアップエンジン一式を、手違いにより激安で知人へ譲渡してしまった。新年早々の失策だぁ~

 譲渡したF6Aボアアップエンジン

このエンジンは、新車購入したジムニー搭載エンジンを自前ボアアップしたもので、詳細は以下のとおり。
・ベースエンジン:ジムニーJA11C、3型、H6年車、F6Aシングルカムシャフト、660CC、インタークーラー・ターボ付
・H14年走行距離8万Km時点で以下のボアアップ
 *K6Aエンジン用ピストンによる719ccへのボアアップ : ピストン径φ65→68mm
 *各気筒ピストンの重量差を1g以下に切削調整
 *コンロッドの贅肉切削による軽量化
 *ヘッド燃焼室切削による各気筒燃焼室容量調整(圧縮比の均平化)
 *燃焼室容量計測とメタルガスケットの枚数(厚み)調整による圧縮比の調整:圧縮比はノーマル値の約8.1
 *シリンダー研磨時のピストンとのクリアランスはノーマル値と同値:0.025~0.04mm 
・ガスケット、オイルシールは全数新品に交換
・ターボタービン取付ボルト交換
・ウォータポンプ交換
・燃料インジェクターを大容量品に交換 : DENSO 210cc/min?(青)
・取り外したもの:EGR、ブローオフバルブ
・変更しないもの:タイミングベルト、シリンダーヘッド関係

 以上の改造後にP車に搭載し、3年間競技用として10数回の競技で運転。改造後の運転時間は数時間、10km未満であったと思われる。今回、分解したクラッチディスクの厚みは新品8.1→7.9mmで、0.2mmしか摩耗していなかった。

 このエンジンは譲渡するつもりはなかったのだが、知人の強い要望に負けて譲渡を承諾。 肝心の価格を安易に10万円を提示。 断るだろうと思ったら、何と「是非、お願いします!」とのこと。

 後に改造記録を確認したところ、ピストン、同リング、メタルガスケット、燃料インジェクター、その他ガスケット類のパーツ代とボーリング代などの総費用が約10万円かかっていたのである。
 しかも、知人の要望でターボタービン、発電機、セルモーターなど補記類一式付であった。

 そこで知人に事情説明により不要パーツ取り外しを要望し、ミッション、クラッチ類、セルモーター、点火コイルを取り外し、また、知人負担で購入したタイミングベルトを翌日に交換して、即刻引き渡しとなった。

 このエンジンは平成6年に新車購入し、その後に念入りなボアアップ改造を行って長年連れ添った愛着品であったことから、今回の予期せぬ突然の別れに少し寂しさを感じたことと、別れて時間が経つにつれ、激安と云えども高額な出費をした知人が果たしてそのパワーに満足していただけるだろうか、との心配が生じてきて複雑な心境の一件であった。


ジムニーJA11Cの板金修理

2011年10月26日 | JA11
 先月、山形DPMでの競技中に左前フエンダーのコーナーを立木に激突し、大破した。
このコーナー部はFRPでガードしているので凹まないのだが、反面他の部分が変形してしまい、善し悪しである。

 今回は、フエンダーのドア付け根付近がくの字に膨らみ、フロントグリルが湾曲してしまった。




 板金のため分解

 取り外して板金修復しようとしたが、フエンダー板金が厄介なので以前に取り外したJA11純正品を再び取付た。
フロントグリルは板金修復をしたのだが、これはSJ40用のためJA11フエンダーとの組合せには若干の加工が必要なため、これまた厄介なのでJA11純正品に取り換えた。

 修復完了状態

 塗装はスプレー缶塗料で。
この種の作業は手慣れていて素早いのだが、「また凹むか」とを思うと、修復にもイマイチ力が入らず、雑な作業となってしまうのである。

 これで今度の日曜日に、また山形DPM大会に参戦予定である

洗車による電気系統トラブル記

2010年12月01日 | JA11
 先般ジムニーJA11Cを高圧洗浄器で洗車した際に、室内ダッシュボード内も洗浄したことから、ECU(エンジン制御コンピュータ)が水を被り、燃料ポンプ不動作の障害発生

障害原因が判らず難儀したが、その経過は以下のとおり。
・エンジンかからず。 先ず点火確認-OK
・燃料ポンプ作動音がしないので、ポンプ端子電圧確認→電圧なし、ポンプ-OK。
・燃料ポンプリレー作動振動を手で確認するも”カチッ、カチッ”なし。
・燃料ポンプリレーを交換してみたが、変化なし。

洗車による影響であることは確かなのだが、これでお手上げ・・・。配線を確認すべきなんかぁ・・・!

・その後に、ポンプはECUでON-OFF制御していることに気付く。
・ECUプリント基板を裸にして、ヘアドライヤーで乾燥→エンジン始動


JA11の燃料ポンプ回路は下図で、その制御は以下の通りである。
・イグニッションSWをON後、5秒間:ON
・エンジン回転中:ON
・上記以外:OFF

 JA11の燃料ポンプ回路図(一部修正)

 なお、上図はサービスマニュアルの110頁の図であるが、一部実態と異なるため修正した。(修正が汚く見難いが・・・)

 サービスマニュアルには、他のページに下図の回路図は2ヶ所に記載されているが、これも実態と異なり、これ以外にも違いが目立つので注意が必要だ!

 実態と少し違う回路図

実際のポンプ回路について巻末の電気回路図で確認したのだが、ここにも間違いがあった。メーンリレーと燃料ポンプリレーが並んで記載されているが、これら2個のリレー内部図が間違っている。
操作コイル側と接点側の絵が逆に描かれている。



ジムニーのクラッチ摩耗交換

2010年11月23日 | JA11
 過日、山形県銀山サーキットでのトライアル競技で、動けなるまで摩耗させたJA11Cのクラッチの交換修理を行った。

 これを分解したところ、ディスクカバー側のディスク摩擦材がほとんど無くなっており、このためディスクカバーのプレッシャープレートが削られて使用不能だ。
 フライホィールよりプレッシャープレートが熱容量が小さいため、ディスクのこちら側が高温となり摩耗するようだ・・・!

 激摩耗したクラッチ

 パーツは純正品と同じアイシン製(ASCO)をヤフオクで購入するのだが、今回は急ぎのため初めてススギ純正を購入したら高額にビックリ・・・・!

 ・ヤフオクは3点セット、送料・振込手数料込みで ¥12,000以下  
 ・純正品は 3点、消費税込みで          ¥20,842

購入した純正品

 純正品の現物にはなぜか品番が全く表記されていないのだが、ASCO品であること間違いなし。


 このクラッチ交換は最もいやなメンテ作業のひとつであり、特に重量物ミッションのセットが一人作業のため大変である。

 これまではミッション重心点をジャッキアップしたが、今回は次のような手法でやってみたが、なかなか良いアイデアでなかったか・・・!

・ミッション後部を床のシフトレバー穴からロープで吊り、そのロープはトランスファレバー穴から床下へ通して引っ張り、マフラーへ縛り付ける。
・ミッション前部をジャッキアップして行く。
・ミッションが水平とした状態で、ミッションに後部のマウントをボルト付けする。
 (このマウントを付ければ、後部は落下せず安定する)
・ミッションをエンジン側へ挿入セットする。  

 ミッションへのロープ、ジャッキ取付状態

 吊り上げロープをマフラーへ縛りつけた状態(マフラーは左側へ寄せてある)


〔今回の失敗〕
 ・ミッション吊り上げ時に、クラッチレバーが引っ掛かりレリーズベアリングが脱落し、セットできなかった。
  ---対策として:クラッチレバーを外しておいた方がよい。

〔今回の改善点〕
 ・トランスファの後方への移動を要するが、このT/Fはマウンチングブラケット加工により取付アップされているために、左側が床との隙間が狭くマウンチングボルトが抜けず、T/F移動に難儀した。
 ---改善策として: 左側マウンチングボルトをサンダーで5mm程短く削った。




ジムニー後輪シャフトについて

2010年08月15日 | JA11
先日、依頼により5速ミッション改造をしたSJ10のセンターパーキングブレーキを、ドラムブレーキに変更改良を行った。

このブレーキ改良には、ドラムブレーキのバックプレートをJA11用などに取替なければならないが、これを替えるにはドライブシャフトのベアリングを外さなければならない。

 なお、ジムニーの後輪ハブ部の構造はSJ10以降現型式まで同じであり、またパーツは改良されているものの、互換性があり現在のものが使える。
 この広範な互換性がジムニーの良いところで、貧乏人向きの車である。


後輪アクスルのパーツは、以下の型式で互換性がある。 
・シャフト : SJ30、40、JA71、11、12、22 共通 R:44211-73A80 L:44221-73A00
  (SJ10、20はデフがセンターにあることから長さが異なる)
・ベアリング :SJ10、20、30、40、JA71、11、12、22、51、JB23、、31、32 共通 09269-35009
・ベアリングリテーナリング:SJ10、20、30、40、JA71、11、12、22、51、JB31、32  43485-73000
  (ただし、ABS仕様車は回転検出板があることから、別サイズである)
・オイルシール:SJ10、20、30、40、JA71、11、12、22、51、JB23、31、32 09283-48007
・オイルシールプロテクタ:SJ10、20、30、40、JA71、11、12、22、51、JB23、31、32 43588-73000


 今回のこの作業で気付いてのだが、このハブ部分のパーツ組み合わせが当初から変更されている。

 SJ10~JA11初期までは下図のようになっていた。

 JA11のサービスマニュアルでの後輪ベアリング部説明図

 SJ10のベアリングを外した状態(スペーサ付きである)


当初からの変更点は
①ベアリングスペーサが無くなった。
②ベアリング仕様がオイルシール付きに変更された。
 この変更後のベアリングは外側となる側がゴム製オイルシールが組み込まれており、水浸入防止を強化改善したようである。

 オイルシールが組み込まれたベアリング

ベアリングスペーサを無くして、ベアリングの内輪の巾をスペーサ分だけ広くしてある。

 内輪の巾を広くしたベアリング 

 このベアリングには品番が刻まれていないことから、規格・汎用品でなく特注品なのだろう!

【注】変更ベアリング組込みの注意について
  ベアリング挿入の向きが、サービスマニュアルでは上図のとおり、”シール側を外側に向ける”と書かれているが、変更後のベアリングはゴムシール側が外側、鉄板シール側が内側である。


 なお、今回、出張先にプレスがなかったことから、ベアリングとリテーナリングを単管パイプを差し込んで打ち込んだのだが、固くて難儀した。
 下図奥のパイプ端がめくれている様子から、その固さが想像されるでしょう・・・・!

 バックプレートを通してベアリングを打ち込んだ状態

 このレテーナリングを固くしてある理由は、ドライブシャフトの抜け止めとしてベアリングをバックプレートで押さえているが、このベアリングがシャフトから抜け出さぬようにリテーナリングでガッチリ固定しているのである。
 よって、挿入し易くするために、シャフト径を研磨などしないように・・・。ご注意を!




ジムニー・スターターの改善

2010年04月08日 | JA11
 所有するジムニーJA11Cは、電気系統のトラブルが出始めている。平成6年製で年数が経過していることに加えて、水溜りに飛び込んだことがあることから、接続部の接触不良が主なものであり、全てのコネクタを抜いて接点復活スプレーを吹きかけた。

 しかし最近、スターターの起動がし難いことから、アーシングの点検・強化を行ったが改善が見られないため、スターター回路にリレーを入れて改善することとした。

 この車には後付けとして電動パワステ、ARBエアロッカー、電動ファンなどを付けており、これらの電源配線には個別にヒューズを入れてあるが、その位置がバラバラなため、今回これを一ヶ所にまとめて整理した。

 これには廃品のSJ40用ヒューズボックスを利用して、コンパクトにまとめることができた。
  
追加したスターターリレーとヒューズBOXの回路図


 バッテリー取付位置付近に配したリレーBOXとリレー

 廃品流用したSJ40のコンパクトなヒューズBOX:6回路用

 ヒューズボックスのはめ込み端子の抜き取りは、通常の配線コネクタと同じく配線と反対側(ヒューズ差し込み側)に薄いドライバー等を差し込んで、配線側へ引っ張れば抜き取れる。
 しかし、配線はカシメてあるので配線取替は困難なため、新たな配線をハンダ付けした。



 なお、この車は重量バランス改善として、バッテリーをボディ後方へ移動しているが、即戻すことができるよう既存のバッテリー端子はそのまま残して、これと移動バッテリーとを22sqほどの太いケーブルでつないでいる。



JA11のレスポンス改善-5 (EGR)

2010年02月02日 | JA11
 JA11Cのレスポンス向上策の一環として、ERG機能をカットすることとした。

 同じF6AエンジンのP車は以前からEGRをカットしているのだが、道路を走る車検付き車両は環境面に配慮してこれまで純正どおりとしていたが、調べた結果、現状のEGRは余り環境面に寄与していないようなので、今回この改善を実施することとした。
 ジムニーJA12Wのエンジンは同じF6Aだが、EGRは廃止されている。

 EGR(排気ガス再循環)は、排気ガスの一部を吸気に混ぜるため、酸素濃度が薄くなって燃焼温度が下がりNOx量を低減できるが、反面、燃焼効率が低下し出力も低下する。
 このため、この機能を停止してレスポンス向上を期待するのである。

 なお、このEGRカットがレスポンスをどれだけ改善すのか、また改善したかは体感頼りでは判らなかった。

 カット方法には種々あると思うが、最も単純で外観上変わりなく、また戻しも簡単なEGRパイプ遮断方式とした。

 EGRパイプ:排気側


 EGRパイプ:吸気側


 EGRパイプの端末にボルトを差し込んで循環を遮断した。

 遮断方法としては、これ以外にEGRバルブを操作する2本のエアホースを取り外すか、または塞ぐことが考えられる。

 F6AのEGR装置説明図

 なお、ジムニーのF6A(及びF5A)エンジンは、エンジン回転数、インマニ吸気圧力、水温、スロットル開度の情報からEGRのON-OFFをコンピュータ制御しており、そのON-OFF制御条件は、以下のとおりである。

 ・エンジン回転数(rpm) : 2000でON、4850でOFF
 ・インマニ圧力 (mmHg) : -410でON、200でOFF



〔EGRとは〕
 ところでEGRとはなんぞや?ということでWeb上で調べた結果、意外なことが分かったため、箇条書きで要約してみると
・排気ガス再循環装置と訳し、通称EGR(Exhaust Gas Recirculation)という。
・酸素がない(少ない)排気ガスの一部を吸気側へ導き、再度吸気させる装置である。
・NOx(窒素酸化物)が減少し、燃費が向上する。
・燃焼効率が低下し、出力が低下する。
・このためアイドリング時と高負荷時はEGRを遮断停止する。(EGRバルブで)
・カーボンなどを含んだ排気ガスを吸気するため、インマニや吸入バルブにカーボンが付着し、長期的にはエンジン性能が低下する。
・当初目的は排出ガス中のNOx低減であったが、ガソリンエンジンでは三元触媒の出現、コンピュータでの燃焼制御でもってNOxへの必要性はなくなった。
(2008/6時点でトヨタ車にはEGR車は無い、とのこと)
・現在のガソリン車への取付目的は、低負荷時の燃費向上のようである。
・ディーゼルエンジンはスロットルバルブがなく、したがってポンピングロスがないため燃費効果がないので、NOx対策として適用している。
・ディーゼル車においては再循環された排ガス中のカーボンがシリンダーの磨耗を促進する。


なぜ、EGRはNOxが少なくなるのか?
・高温燃焼すると空気中の窒素(約70%)が酸素(約20%)と反応して窒素酸化物(NOx)が発生するが、これは温度が高いほど多くなる。吸気に排気ガスを混合すると酸素濃度が下がるため、燃焼効率が低下して温度が下がりNOx発生が少なくなる

なぜ、EGRは燃費がよくなるのか?
・低負荷時はスロットルバルブが閉じた状態で吸気するため、負圧となってポンピングロス(ピストン下降で吸気する時の負圧抵抗)が生じ、燃費が悪くなる。
・しかし、EGRにより吸気に排気ガスを混合すると酸素濃度が薄くなるため、EGRがない場合と同じ酸素量を吸い込むためには、EGRがない場合よりスロットルバルブは開かれるので、負圧が下がりポンピングロスが少なくなるので、燃費が向上する。
・また、高温の排気ガスの混合により、吸気温度が上がって燃料の気化がし安くなって燃焼向上により燃費が若干向上する。
・燃焼温度の低下により、熱放散が少なくなる分、燃費が若干向上する。


ジムニーのシフト表示改善

2009年07月31日 | JA11
 生まれつきなのか、それとも老化モウロクなのか、競技において4駆走行すべきなのに時々2駆に切り替えたままで走ることがある。ところがそれでも結構走るから不思議である。
 また、バックシフトのまま前進しようとすることもある。

 そこで、これらのシフト状態をより判り易くするよう次の改善を行った。
①4駆のパイロットランプ表示はあるのだが、2駆シフトのパイロットランプを追加し、表示位置をトランスファレバーの近くとした。
②後退シフト時に動作する警告ブザーを追加した。

 トランスミッションレバーの上部へ、アルミ板で。 右端にブザーを。

 パイロットランプはエーモン工業の12V用LEDを。 表示回路は下図のとおりで、リレーは消費電力の少ないエーモン工業のコンパクトリレー(IC接点、A接点B接点ありの5極タイプ)を使用。
 なお、標準のランプは見難いので切り離した。

 赤線が追加した回路。A接点側に4駆LED、B接点側に2駆LEDを。

【回路動作説明】
・コンパクトリレーは、2駆シフト時はトランスファ4WDスイッチが開放のためリレー不動作であり、B接点で2駆LEDが点灯。(図面の状態)
・4駆シフトするとトランスファ4WDスイッチが閉じてリレーが動作し、A接点側が閉じて4駆LEDが点灯。2駆LEDは消灯。


 配線取り出しは、当初リレーをエンジンルームに配置する積もりだったので、下図の部分とした。
 しかし、実配線ではリレーが極コンパクトなため表示板の裏側とした。

 4WDパイロットランプの配線:青/黒

 エーモンのコンパクトリレー

エーモン工業のコンパクトリレー仕様
 ・品番 1586
 ・12V、10A
 ・IC接点
 ・消費電流 46mA (消費電流が極めて少ない。通常150mA程度)
 ・極数 5
 価格はカー用品店で¥1,200程度
エーモンの12V用LEDは、12V用抵抗器組み込み済みのため便利だが、同色2個セットで¥600程度と、極めて高価なり

 後退シフトのブザーは、後退灯回路に後退灯と並列に。不要時は消音できるようにスイッチを付けた。
 ブザー音は”ピコッ、ピコッ、ピコッ”

 リバーシング・ブザー回路図

 配線接続位置は、トランスミッション内SWのリード線がエンジンルームでコネクタ接続されている部分で、SWのアース側の赤色線に接続。黄色線では電源側なのでだめ!(ブザーが鳴りっぱなしになる)

 リバーシングランプ配線の取り出し(赤線に接続)
 
 以上の表示改善は、非常に判りやすく現状では満足している。 しかし、より確実な警告標示をするとすれば、ブザー音がバターと思われる。


 ところで、この表示改善後にこの車で2回のトライアル競技に参戦したが、2回とも第1セクション目でエアーロッカーを入れるのを忘れ、オープンデフ状態で走行した。
 この表示が余りに判りやすいことから、これに気を取られたのである。

 よって、パイロットランプ類は1ヶ所にまとめて表示すべきであることを痛感した次第である。

おわり 
 




ジムニークールビズ?

2009年07月10日 | JA11
 梅雨明け宣言近し、いよいよ夏本番! そこで愛車ジムニーJA11Cも夏支度を、と少し手を加えることとした。

 リヤドアに風穴を! といっても現状のドアはもったいないので冬用として取り外し、錆腐った廃棄ドアを再生利用することにした。

 錆部分には錆置換剤を塗布して(黒色部分)

 腐ったところはパテでごまかし・・・

 缶スプレー塗装と網を付けて完了。ナンバープレートは左→右で移動して!

 ドア切り抜き後に河原へ試走に出掛けた際、不法投棄ごみの中に格好のネットが・・・。 これぞ”神の恵み”と思い、有り難く頂戴してまいりました。
 計画では足場板などに用いる鋼製菱形ネットを購入、貼り付けする積もりであったのだが、廃棄物再生処として廃品活用(無料)が優先なので・・・

 ところで、この風穴は涼しさの他に、絶大なる効果があるのだが、さてそれはなんでしょう・・・・



JA11のレスポンス改善策-4 (電動ファン)

2009年06月12日 | JA11
 レスポンス向上への改善策第4段として、ラジェターファンの電動化を!

 ジムニーJA11は660ccとエンジン容量が小さいため、冷却ファンの負担比重が高くこれの電動化はレスポンス向上に可成り効果的であり、加えて燃費向上、アイドリング時騒音低減などがはかられると思われる。

 以前にから予定していたことから、車種は忘れたが軽自動車の電動ファン付きラヂェターを確保しておいたので、これを利用した。このラジェターは少し小振りなのでまるごと交換すれば軽量化になるかと思われたのだが、ホース取り回しが厄介なので電動ファンのみを改造移植する方法とした。

 サーモスイッチ(水温スイッチ)は、ホースへの割り込み式の中古手作り品を所有してたので、これを活用。その他リレーなども中古在庫品を活用したので、今回費用は出費なしで・・・。

 赤字で水温センサーと記されているが、水温SW(サーモSW)の誤り

 リレーはA接点、サーモSWもA接点である。 

【サーモSW取付位置】
 サーモスイッチの動作温度は不明なのだが、アンダーホースに付いていた物なので取付位置はラジェターからの戻り側ホースの中間とした。

 自分がこれまでに見た電動ファン仕様車のサーモスイッチは、ラジェター下部の戻りホース接続付近に付いていたので、これが当たり前と思っていたのだが、意外にそうではないようなのである。

 今回、webでの一部情報で以下のようなことが分かった。

 このサーモスイッチの取付位置は、メーカーの設計思想によって違いがあり、

〔ダイハツ〕
 ミラターボは、サーモスイッチ動作温度を高温の100℃(ミラは91℃)として、ラジェターの前のアッパーホースに取付ている。

〔マツダ〕
 ロードスターは、91℃(寒冷地仕様97℃)で、これもラジェターの前でサーモスタットキャップに付いている。

〔トヨタ〕
 設定温度?、ラジェター下部の取付で、動作温度に達すると接点開放のB接点方式である。


 このサーモスイッチの取付位置には一長一短があってどちらが良いかは、その車の使い方によって変わるのかも知れない。

 ・アッパー取付(ラジェターの前)は、ラジェターで冷やす前の高温部で検知するので、ファンが頻繁に作動するし、オンロード走行時は走行風で自然冷却するのにファンが作動してしまう、などの懸念があるが、オーバーヒートに対して安全側。過冷却気味で、燃費悪し。
 ・アンダー取付(ラジェターの後ろ)は、これとは逆の特性で、ラジェター通過後の冷やされた温度を検出するのでファンは頻繁には回らない。しかし、ラジェター通過後の水温が高くなってから回り出すので、瞬間的にはオーバーヒート気味になるが、動作頻度が低いので燃費良し。

【電源系統】
 ファン電源はACCなどからでなく、バッテリーから直接接続とした。エンジン停止直後の冷却水温度は、ウォーターポンプが停止して冷却水が循環しなくなるせいなのか可成り高温になる。
 このため、エンジンキィを抜いた後でも電動ファンが回るようにした。エンジンが停止してるので大した温度ではないとは思うが、高温による冷却水系統の圧力抑制の観点からこのような方式とした。

 この場合、エンジン停止後1分ほどしてファンが回り出す。 ウォーターポンプは停止しているので、高温の冷却水が自然対流によってラジェター側を循環しているものと思われる。

【SW類の接点方式】
 今回のサーモスイッチは設定温度に達すると接点が閉じるA接点SWであるが、前述のとおりトヨタ車は設定温度に達すると接点が開くB接点SWのようである。

 B接点方式を採用する理由は、サーモスイッチ回路の断線や接続部の接触不良が生じるとファンが回り出し、安全側に働くフェイルセーフ(fail safe)設計である。


つづく



JA11のレスポンス改善策-3  (ブローオフバルブ)

2009年05月29日 | JA11
 当ブログの”JA11のレスポンス改善策-2”へのコメントで、ひがしさん、小太郎さん、SJ30Fs Evolution.さんからレスポンス改善にはブローオフバルブ取り外しを、とのアドバイスを得ました。
 よって、少し調べた結果、無用の長物のようなので早速取り外すこととした。

 ジムニーJA11整備マニュアルには、このブローオフバルブはサージ音を押さえるために取り付けた、と記されており、点検方法が示されていない。
 点検方法を示さないということはタービン保護等の重要装置ではないということでしょうね。ちなみにJA71の初期には付いていなかった、とのこと。


取り外し前。 新車直後から高額でブシュッ、ブシュッとうるさい社外品を付けていた。


 取り外してスッキリした状態。


 純正ブローオフバルブ

 ところで整備マニュアルでの”サージ音”とはなんぞや? どんな音なんだぁ!
これも試乗してないんでわからない

つづく