我が競技用P車の前輪ドライブシャフトは、ジョイント部が大きなJA51純正品を組み込んでおり、長年使用してきたがこれまでにこれの折損は一度もなかった。
今回このシャフトが折れてこの奇跡的記録の更新は終わってしまったのだが、このシャフトの破断面が自分の常識と異なものだったことから、その原因について考えてみることとした。
この破断シャフトの外観観察から、次ぎのことが分かる。・・・シャフトは右側の短い方
①破断点は等速継ぎ手側の断面変化部で、その破断面は軸に垂直、かつ平面であり、通常の高強度鋼材のねじりせん断破壊ではない。
②デフ側スプラインのねじれ歪み状態から、相当のねじり力が加わったが、ここで破壊しなかった。
③このスプラインのねじれ歪みの方向から判断すると、異常なねじり力は、エンジン側からでなく、車輪側からのものである。


〔異常破断の原因追求〕
回転軸のねじりせん断破壊面は、力学的に45度の角度を成すものだが、この破断は軸に垂直で、しかも刃物でスパッと切断したような破断面であることから、せん断破壊ではないような気がする。

なお、破断面が滑らかなのは、破断後もシャフトを回転させていたため、双方の破断面が少し研磨されたものである。
この原因に対する素人推測では
・シャフトセットに何らかの無理があって、シャフト破断点に過大な曲げ応力が生じ、
・これが長年使用での金属疲労で、微少なクラックが生じ、
・そこに大きなねじり荷重が加わって、クラック点で破断した。
そこで、実車のシャフトのセット状態を確認した結果、左右にハンドルを切ってもシャフトは浮動状態を保っており、無理な曲げモーメントは一切かかっていないことが分かった。
となると、上記の推測はボツなり・・・!
鋼材破断面の調査
インターネットで鋼材のねじり破断面記事を検索・調査したところ、概略以下のようである。
①高硬度(もろい)のものは、45度の傾斜面で破断する。
②・粘りあるものは、垂直面の破断となる。
〔①の例〕


〔②の例〕


と云うことは、このシャフトの破断は、単なる”ねじりせん断破壊”であったと思われる。
ここで、このシャフトが切れた主な原因を紹介すると、
・ヒューム管の先に巾広のU字溝が埋め込んであるような、障害物を越えなければならないため、前輪デフをロックしてジャンプ→左車輪が着地してロック→右側の重量車輪が空転するねじり衝撃荷重で、シャフト破断。
スプラインのねじれ方向から、車輪側の荷重であることが明確である。下図

なぜ、ここで破断しなかったのだろうか? ここが熱処理強化されているからなのだろう。熱処理で固いものが割れずに、こんなにねじれるものか、と驚きである。
以上について、余り釈然としないが、この分析はこれで 「一件、落着~」とする。 私的事情で余り時間がないので・・・!
ノーマルシャフトに長時間負荷をかけ続けると、CVが破損しますね。私は過去2回それをやってしまいました。
ロッククローリング連中と走って強化シャフトが破損したときは、デフのスプライン部分の根元から折れて、仲間内で磁石のピックアップツールで回収していました。
スプライン部分はなぜか曲がっていましたね。
また、自身でもリアにロックライト入れていた時にシャフト降りましたが、スプラインは曲がっていました。なぜかスプライン部分で折れず、曲がって外れなくてデフバラしたとか耳にします。
私の推測になってしまいますが、51現役の80年代は柔らかく、焼入れが不十分であった。
オイルシール部分を削る時に熱処理が入った。
なんて想像してみたりします。
このシャフトは、51発売当初の車から外した物で、可成り年代物です。
随分と長持ちしたものだと思ってますが、折れた場所と折れ方が気になって・・・・!