SJ10/30用トランスミッションのケースに、JA11(orJA71)ミッションギヤを組み替えすることで前進5速化改造が可能であるが、これにはバック駆動用アイドラーギヤのシャフト位置に数mmのずれがあるため、このずれを補正するために何らかの対応が必要となる。
この対応パーツとして考案された”偏芯ピン”という優れものが市販されている。
先日、これをネットオークションで入手しようとしたら、開始価格¥4,000に対して何と\9,750の高額落札。これでは当分落札額低下は望めないとの判断から自作することとした。
この偏芯対応には、必ずしも偏芯ピンでなくともシャフトを固定する片方を何らかの方法で固定できれば良いのである。この固定方法について、自作加工が容易、かつ簡易なパーツ製作を条件に数種類の案を検討したが、今回の改造は自分のミッションでないことから、ミッションケースに穴を明けるなどの手荒な方法は避けることとし、結果として偏芯ピンと同じようなものが出来上がった。
以下にその製作品を紹介する。
厚さ2mm薄板に位置決めピン(SJ10アイドラーギヤシャフトを使用)が入るφ14mmの穴と、振れ止め固定用のφ6mmボルト用穴を明ける。

SJ10ケースのアイドラーシャフト穴に通した位置決め用のピンと薄板のφ14mm穴を連結する。
SJ10のケースにセットして
連結部を溶接し固定する。

溶接部をベルトサンダーで研磨し、これで偏芯シャフト(ピン)の片方を支持するプレートが完成。
偏芯シャフト(ピン)を支持するプレート
このパーツの偏芯シャフトを固定する位置に、φ14mmの穴を、深さが薄板厚み分の穴繰りする。
穴底に数mmの偏芯量が見える
このピンは焼き入れ処理品でドリル削孔できなかったため、ガスバーナーで焼き戻しして削孔した。
このプレート穴にJA11アイドラーギヤシャフト(ピン)の回り止め溝部分で切断したものを差し込んで、一応JA11-5速ミッションのアイドラーギヤをセットすることができる。
しかし、この穴で支持するシャフトは、回転してしまうので何らかの回転防止を施す必要がある。
この回り止めの一例としては、ピン穴の一部をピンの回転防止溝と合致するような鉄片を溶接すればよい。
今回は、より堅固にするためプレート穴にピンを溶接固定することとした。 このため仕上がり形状は、市販品の偏芯ピンと同じようなものとなった。
市販品と異なる点は、位置決め・固定プレートがあることで、市販品よりもピンを堅個に固定できるものである。
完成品

アイドラーギヤをセットした状態
中間ケースをセットした状態
〔市販偏芯ピンの問題点について〕
このアイドラーギヤ①は、カウンターギヤ②からメーンシャフト側ギヤ③へ動力を伝えるもので、この3個のギヤ配置上(3角配置)、偏芯ピンの偏芯段付部分には②と③からはじかれる方向へ可成り大きな力が加わり、またピンの片端がアルミケース穴に差し込んだ片持ち梁のような構造であることから僅かではあるがシャフト角度が揺れる筈である。その点で市販偏芯ピンの固定方法は、バック時だけで使用時間が少なく問題は少ないとは思われるものの、構造設計としては望ましい構造ではない。
今回製作したものは、ピンの偏芯側がプレートで支持固定されているので、変形する事はない。
〔φ14mm削孔工具は〕
・削孔は硬いシャフト材と柔らかい薄板の固さの異なる2種類の材質に跨るため、大径ドリル削孔は中心が柔らかい方にずれてしまう。これを避けるためにホールソーを使うことにした。
・穴位置は正確に芯出しする必要があるため、中間ケースをセットし、そのシャフト穴にφ14mmドリルを貫通させ、これで芯出し後に、ホールソーで穴位置を掘り下げ、その後にドリル仕上げを行った。
なお、当初は硬くて刃が立たなかったため、焼き戻しをしたので、ホールソーは不要だったかも知れない。
使った削孔工具
〔製作を振り返って〕
・もっと簡単なものを目標としたのだが、成り行きで立派な物となってしまった。
・正確な偏芯量と、プレートとピンの垂直度の確保が要求されるため、その加工方法に随分と悩み、またそれの達成に自己満足した。
・市販偏芯ピンにはプレートはないが、純正構造はシャフト(ピン)回転止め用の2mm厚プレートがギヤとケースの間に入っているので、これと同厚のプレートを入れることが好都合なのある。
このプレート厚みは3~4mm程度としても、ギヤの余裕厚み分を削れば問題ないので、自分のものであれば、その方が加工し易いかもしれない。
・自分のミッションであれば、もっと簡単な方法で行う方法?が2案あるので、何時の日か試してみる積もりである。
「高い市販品よ、さようなら」である。
・製作希望者には、紹介しますのでご連絡を!
おわり
この対応パーツとして考案された”偏芯ピン”という優れものが市販されている。
先日、これをネットオークションで入手しようとしたら、開始価格¥4,000に対して何と\9,750の高額落札。これでは当分落札額低下は望めないとの判断から自作することとした。
この偏芯対応には、必ずしも偏芯ピンでなくともシャフトを固定する片方を何らかの方法で固定できれば良いのである。この固定方法について、自作加工が容易、かつ簡易なパーツ製作を条件に数種類の案を検討したが、今回の改造は自分のミッションでないことから、ミッションケースに穴を明けるなどの手荒な方法は避けることとし、結果として偏芯ピンと同じようなものが出来上がった。
以下にその製作品を紹介する。
厚さ2mm薄板に位置決めピン(SJ10アイドラーギヤシャフトを使用)が入るφ14mmの穴と、振れ止め固定用のφ6mmボルト用穴を明ける。

SJ10ケースのアイドラーシャフト穴に通した位置決め用のピンと薄板のφ14mm穴を連結する。

連結部を溶接し固定する。

溶接部をベルトサンダーで研磨し、これで偏芯シャフト(ピン)の片方を支持するプレートが完成。

このパーツの偏芯シャフトを固定する位置に、φ14mmの穴を、深さが薄板厚み分の穴繰りする。


このプレート穴にJA11アイドラーギヤシャフト(ピン)の回り止め溝部分で切断したものを差し込んで、一応JA11-5速ミッションのアイドラーギヤをセットすることができる。
しかし、この穴で支持するシャフトは、回転してしまうので何らかの回転防止を施す必要がある。
この回り止めの一例としては、ピン穴の一部をピンの回転防止溝と合致するような鉄片を溶接すればよい。
今回は、より堅固にするためプレート穴にピンを溶接固定することとした。 このため仕上がり形状は、市販品の偏芯ピンと同じようなものとなった。
市販品と異なる点は、位置決め・固定プレートがあることで、市販品よりもピンを堅個に固定できるものである。




〔市販偏芯ピンの問題点について〕
このアイドラーギヤ①は、カウンターギヤ②からメーンシャフト側ギヤ③へ動力を伝えるもので、この3個のギヤ配置上(3角配置)、偏芯ピンの偏芯段付部分には②と③からはじかれる方向へ可成り大きな力が加わり、またピンの片端がアルミケース穴に差し込んだ片持ち梁のような構造であることから僅かではあるがシャフト角度が揺れる筈である。その点で市販偏芯ピンの固定方法は、バック時だけで使用時間が少なく問題は少ないとは思われるものの、構造設計としては望ましい構造ではない。
今回製作したものは、ピンの偏芯側がプレートで支持固定されているので、変形する事はない。
〔φ14mm削孔工具は〕
・削孔は硬いシャフト材と柔らかい薄板の固さの異なる2種類の材質に跨るため、大径ドリル削孔は中心が柔らかい方にずれてしまう。これを避けるためにホールソーを使うことにした。
・穴位置は正確に芯出しする必要があるため、中間ケースをセットし、そのシャフト穴にφ14mmドリルを貫通させ、これで芯出し後に、ホールソーで穴位置を掘り下げ、その後にドリル仕上げを行った。
なお、当初は硬くて刃が立たなかったため、焼き戻しをしたので、ホールソーは不要だったかも知れない。

〔製作を振り返って〕
・もっと簡単なものを目標としたのだが、成り行きで立派な物となってしまった。
・正確な偏芯量と、プレートとピンの垂直度の確保が要求されるため、その加工方法に随分と悩み、またそれの達成に自己満足した。
・市販偏芯ピンにはプレートはないが、純正構造はシャフト(ピン)回転止め用の2mm厚プレートがギヤとケースの間に入っているので、これと同厚のプレートを入れることが好都合なのある。
このプレート厚みは3~4mm程度としても、ギヤの余裕厚み分を削れば問題ないので、自分のものであれば、その方が加工し易いかもしれない。
・自分のミッションであれば、もっと簡単な方法で行う方法?が2案あるので、何時の日か試してみる積もりである。
「高い市販品よ、さようなら」である。
・製作希望者には、紹介しますのでご連絡を!
おわり
30は乗ったことがないので、分からないが、公道走行では必要なんでしょうね!
教えるどころか、改造してあげますよ。今も作業中で、手慣れたもんですよ!
その際、高速仕様のJA11が良いのか、程々の71仕様がよいのか? 自分には30のpowerが分かんないんで・・・。要情報収集かなぁ!