こんばんは。またもレトロシリーズです。聞いてやってくださいな。
100年前の恋の物語。
久しぶりに彼女に会った。
いくぶんほっそりしたような彼女はにっこり微笑む。
「ひさしぶり」
「ひさしぶり」
「やせた?」
「うん、すこし」
「仕事、どう?」
「うん。まあまあ。でもあなたがいないとだめだってまわりの人が言ってるわ」
「そんなばかな」
「だって、あなたは他の社員と違ってより好みしないでしょ。あなたはみんなに慕われているわ」
「そんなことないよ」
「いえ、みんながそう言ってる」
「私は、みんなが同じだと思っている。別により好みしている訳じゃない」
「だから、慕われているのよ。他の社員ではだめだわ。若い人ばっかり丁寧で。」
「そんなことないじゃない。あいつはあいつなりにやっているよ」
「いえ、あなたはあの人と同じじゃない。わかっているわ。みんな同じ意見よ」
「そうかなあ」
「私はあなたと年をとっても付き合いたい。だってわたしの気持ちがわかるのはあなただけ。他の人は
全然聞いてくれない。あなただけだよ。本音で話せるのは。」
「・・・・・・・。」
「あなたと一緒に出かけたい。どこかに連れて行って。私、家事ばかりでどこにも連れて行ってもらってないの」
「どこに行きたいの」
「ううん、おいしいものが食べたい。温泉にも行きたいわ。あなたと一緒ならどこでもいいわ」
「わかった。本気だね。」
「うん・・・・・・・。また会いたい・・・・・。」
「私も・・・・・。」
そんな会話が聞こえてきそう。
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