あさねぼう

記録のように・備忘録のように、時間をみつけ、思いつくまま、気ままにブログをしたい。

長尾住宅

2019-09-19 18:57:48 | 日記
交通
溝の口駅よりバスで7分
沿線
『溝の口駅』 JR南武線 東急田園都市線 東急大井町線 
所在地(住所)
神奈川県川崎市宮前区神木本町2丁目7番3号

構造:RC(鉄筋コンクリート)5階建
1971年12月
総戸数:240戸
土地権利:所有権
用途地域: 第二種中高層住居専用地域

☆ 何年かを過ごした、森林公園近くの懐かしい長尾住宅です。(つかさ)

東電原発事故裁判、9月19日判決 

2019-09-19 14:08:36 | 日記
東電原発事故裁判、9月19日判決 旧経営陣は無罪主張

東京電力福島第一原発事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴された旧経営陣3人の第37回公判が12日、東京地裁であった。弁護側が最終弁論を行い、巨大津波の予見性を否定し、改めて無罪を主張した。1年8カ月余り続いた公判は結審し、永渕健一裁判長は判決期日を9月19日に指定した。

東電元会長「万能ではない」 被災者「責任逃れだ」
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起訴されているのは元副社長・武藤栄(68)、元副社長・武黒(たけくろ)一郎(72)、元会長・勝俣恒久(78)の3被告。
被害者側「過酷な避難で命奪われた」 東電強制起訴裁判
最終弁論で弁護人は「3・11以前にマグニチュード9クラスの地震を想定する知見はなかった」と強調。3人の責任について「いかなる方法をとっても結果を回避できたとは言えず、予見可能性を認める余地もない」と指摘した。
指定弁護士は、3人は国の地震予測「長期評価」に基づいて算出した「最大15・7メートル」の津波予測を軽視し、「対策を先送りした」と主張。3人にいずれも禁錮5年を求刑している。

起訴状によると、3被告は原発の敷地を超える高さの津波が来る可能性を予測できたのに対策を怠り、2011年3月の東日本大震災に伴う原発事故で、避難を余儀なくされた双葉病院(福島県大熊町)の入院患者ら44人を死亡させるなどしたとされる。(阿部峻介)

<主文>
被告人らはいずれも無罪。

<主な争点>
過失により人を死傷させたとして業務上過失致死傷罪が成立するためには、人の死傷の結果の回避に向けた注意義務、すなわち結果回避義務を課す前提として、人の死傷の結果及びその結果に至る因果の経過の基本的部分について予見可能性があったと合理的な疑いを超えて認められることが必要である。

本件の主たる争点は、被告人らにおいて、福島第一原子力発電所 (本件発電所) に一定以上の高さの津波が襲来することについての予見可能性があったと認められるか否かであり、前提として、①どのような津波を予見すべきであったのか、②津波が襲来する可能性について、どの程度の信頼性、具体性のある根拠を伴っていれば予見可能性を肯認してよいのかという点に争いがある。

<予見可能性の考え方>
前記①については、本件発電所に10m盤 (小名浜港工事基準面からの敷地高さ) を超える津波が襲来することの予見可能性が必要である。

前記②については、問題となっている結果回避措置を刑罰をもって法的に義務付けるのに相応しい予見可能性として、どのようなものを必要と考えるべきかという観点から判断するのが相当である。本件で問題となる結果回避義務は、平成23年3月初旬までに本件発電所の運転停止措置を講じることに尽きている。

ところで本件事故の結果が誠に重大であることは明らかであって、本件で問題となっているのは、このような重大な結果の発生を回避するための結果回避義務であるということを、まずもって考慮する必要がある。しかしながら、他方において、現代社会における電力は、ライフラインの一つであって、本件発電所はその一部を構成しており、小さくない社会的な有用性が認められ、その運転停止措置を講じることとなれば、地域社会にも一定の影響を与えるということも考慮すべきである。

また、運転停止という作為がどのような負担、困難等を伴うものであるのかについても考慮して然るべきと考えられる。結果の重大性を強調するあまり、自然現象について想定し得るあらゆる可能性を考慮して必要な措置を講じることが義務付けられるとすれば法令上その設置、運転が認められているにもかかわらず原子力発電所の設置、運転に携わる者に不可能を強いる結果となる。前記津波襲来の可能性があるとする根拠の信頼性、具体性の程度については結局のところ前記のような結果回避義務の内容、性質等を踏まえ、原子炉の安全性についての当時の社会通念を中心として、平成23年3月初旬の時点までにおいて、どのような知見があり、本件発電所の安全対策としてどのような取組が行われ、本件発電所がどのような施設として運用されてきたのかなども考慮した上でこれを決するほかない。

<予見可能性判断の前提となる事実関係>
原子力事業者には法令上の義務又は自主的な対策として、国の示す安全確保のための指針等に従い、原子炉による災害のリスクを常に最大限低減したレベルでの安全性確保が求められていた。そのような中で、東京電力は本件発電所について法令上の許可を得た上で設置、運転していたことは勿論、安全対策の面でも必要と判断される対応をしてきており、本件発電所は地震及び津波に対する安全性を備えた施設として適法に設置、運転されてきた。

もっとも東京電力は、「長期評価」の見解に対しては継続的に検討こそしていたものの、その信頼性には疑義があるとして、これを直ちに安全対策に取り入れるには至らなかった。一連の事実経過に照らすと、10m盤を超える津波襲来の可能性に関する情報として被告人らが接したものはMt8を超えるプレート間大地震(津波地震)が三陸沖北部から房総沖の海溝寄り領域内のどこでも発生する可能性がある旨の 「長期評価」の見解であり、被告人ら3名の予見可能性を検討する上では、「長期評価」 が決定的に重要な意味を持っていた。

<「長期評価」の信頼性>
「長期評価」は具体的な根拠を示さず、そのため専門家、実務家、内閣府によって疑問が示され、一般防災にも取り込まれず、保安院による安全審査等にも取り込まれないなど平成23年3月初旬の時点において客観的に信頼性、具体性があったと認めるには合理的な疑いが残る。

<運転停止措置の容易性又は困難性>
法令に基づく運転停止命令を受けておらず、事故も発生していない状況において本件事故を回避するような方法で、本件発電所の運転を停止するのは、手続的にも技術的にも相当な負担と困難を伴うものであった。

<予見可能性の検討>
原子炉の安全性確保についての原子炉等規制法及びこれを受けた審査指針等における規制の在り方からすると、平成23年3月初旬の時点においては、最新の科学的、専門的知見を踏まえて、合理的に予測される自然災害を想定した安全性の確保が求められていたものと解される。運転停止という結果回避措置それ自体に伴う手続き的又は技術的な負担、困難性も併せ考えれば、本件発電所に10m盤を超える津波が襲来する可能性については、当時得られていた知見を踏まえて合理的に予測される程度に信頼性、具体性のある根拠を伴うものであることが必要であったと解するのが相当である。

被告人ら3名は、条件設定次第では10m盤を超える津波が襲来するとの数値解析結果が出る、もしくはそのような津波襲来の可能性を指摘する意見があるということは認識しており、10m盤を超える津波の襲来を予見する可能性がおよそなかったとはいい難い。

しかしながら、一連の事実経過を踏まえて考えても、被告人ら3名はいずれも平成23年3月初旬までの時点においては、本件発電所に10m盤を超える津波が襲来する可能性について、信頼性、具体性のある根拠を持っているとの認識がなかったとみざるを得ない。

加えて、他の原子力事業者、原子力安全に関わる行政機関、防災対策に関わる行政機関や地方公共団体のいずれもが、「長期評価」を全面的に取り入れることがなく、東京電力社内、他の原子力事業者、専門家、行政機関のどこからも「長期評価」の見解に基づいて直ちに安全対策工に着手し、これが完了するまでは本件発電所の運転を停止すべきである旨の指摘がなかったことに照らせば、被告人ら3名にとって、数値解析結果が出たからといって直ちにこれに対応した対策工に着手し、対策工が完了するまでは本件発電所の運転を停止しなければ本件発電所に10m盤を超える津波が襲来し、炉心損傷等の重大事故につながる危険性があるとの認識は持ち得なかったとしても不合理とはいえない。

そして、このことは、これら関係者にとっても同様であったとみるべきであって、平成23年3月初旬までの時点における原子力安全対策の考え方からみて被告人ら3名の対応が特異なものであったとはいい難く、逆に、このような状況の下で、被告人ら3名に、10m盤を超える津波の襲来を予見して、対策工事が完了するまでは本件発電所の運転を停止すべき法律上の義務があったと認めるのは困難というべきである。

以上のとおり、本件発電所に10m盤を超える津波が襲来する可能性について被告人ら3名がそれぞれ認識していた事情は当時の知見を踏まえ、上記津波の襲来を合理的に予測させる程度に信頼性、具体性のある根拠を伴うものであったとは認められない。

したがって、被告人ら3名において、本件発電所の運転停止措置を講じるべき結果回避義務を課すに相応しい予見可能性があったと認めることはできない。

指定弁護士は、被告人らが、一定の情報収集義務を尽くしていれば、10m盤を超える津波の襲来は予見可能であった旨主張するけれども、被告人らが更なる情報の収集又は補充を行っていたとしても、上記津波が襲来する可能性につき、信頼性、具体性のある根拠があるとの認識を有するに至るような情報を得ることができたとは認められない。

<結語>
事故発生の可能性がゼロないし限りなくゼロに近くなるように、必要な結果回避措置を直ちに講じるということ、社会の選択肢としては考えられなくはない。
しかしながら、少なくとも本件地震発生前までの時点においては、賛否はあり得たにせよ、当時の社会通念の反映であるはずの法令上の規制等の在り方は、絶対的安全性の確保までを前提としてはいなかったとみざるを得ない。被告人ら3名は、本件事故発生当時、責任を伴う立場にあったが、だからといって発生した事故について、法令上の規制等の枠組みを超えて、当然に刑事責任を負うということにはならない。
被告人らにおいて、本件公訴事実に係る業務上過失致死傷罪の成立に必要な予見可能性があったものと合理的な疑いを超えて認定することはできず、本件公訴事実については犯罪の証明がないことになるから、被告人らに対しいずれも無罪の言渡しをする。

以上



☆ 東京電力の幹部3人の事故の責任が問われているが、一審では「無罪」の判決でした。当然上告するが、これからの裁判は長い道のりになる。(つかさ)