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二級建築士ブログ受験講座 「No.7」

2018-10-17 09:54:20 | ビジネス・教育学習
◇今日、明日と二日に渡り、「換気設備」を取り上げます。
◇換気設備にホルム対策が入りますが、これは明日、改めて取り上げることします。
◇今日は、二級建築士試験の重要課題の一つ、火気使用室等の換気設備に重点を絞ります。

◇法28条では、採光規定(1項)、換気窓の規定(2項)があります。
◇同3項で、原則、建築物の火気使用室と特殊建築物の居室に換気設備の設置義務を課しています。
◇しかし、かっこ書きで「政令で定めるものを除く」としています。
◇その技術基準については、「令20条の3」を参照し、照合することになります。
◇「令20条の3」では、換気設備を設置しなくてもよい条件が書かれているのです。

◇「令20条の3」にある換気設備を必要としない条件には、3つあります。
 ①「密閉式燃焼器具等」を設置した場合。
 ②床面積が100㎡以内の住宅、住戸における調理室で、次の条件を満たす場合。
  ・12kW以下の火を使用する設備
  ・有効開口面積を有する換気上有効な開口部を設置
  (有効開口部とは、調理室の床面積の1/10以上で0.8㎡未満の場合は、0.8㎡とする。)
 ③調理室以外で、発熱量が6kW以下の火を使用する設備・器具を設置した場合(住宅以外も対象)。
◇この条件のいずれかに該当しない限り、換気設備の設置義務が課せられます。

◇また、令20条の3第2項において、火気使用室の換気設備に関する構造規定があります。
◇出題頻度は高くはないですが、これも重要事項と考え、その中の特質すべき事項を列記します。
・給気口の設置位置について、天井高さの1/2以下と規定しています。
・排気口の設置位置について、天井から下方80㎝以内の高さと規定しています。
◇仕事をしている人には当たり前の基準ですが、出題の際には、この数値への注意が必要なのです。

◇出題傾向としては、今年(H30年)は出ませんでしたが、ここ10年で6回でています。
◇特に、H29、H27、H25年では、正答としての出題でした。
◇奇数年に正答として出ていますので、ちょっとギャンブル発想ですが、H31年に出るかも?

2018年10月17日 by SHRS(シュルズ)「一級建築士、建築基準適合判定資格者」
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二級建築士ブログ受験講座 「No.6」

2018-10-16 11:16:28 | ビジネス・教育学習
◇今日は、「採光有効面積計算」を取り上げます。
◇法28条で規定し、計算方法は令19条、令20条で規定されています。
◇近年の出題傾向ですが、大きくは2つに絞ることが出来ます。

◇ひとつは、文章題で、規定の内容の正誤を問う問題です。
◇今年(H30年)は、川と面した場合の採光計算の基準となる境界線の位置を問う問題です。
◇H26年は、法28条に基づき、便所に採光・換気を設ける基本的基準を問う問題です。
◇いずれも正答として出題ですので、重要度が高いと解釈できると思います。

◇もう一つは、図形による計算問題で、H29、H24、H23、H22年に出題されています。
◇図形による採光計算の種類は、大きくは3つに分類できます。
 ①有効採光面積を法令の手順に沿って計算する問題です。
  この場合、川を挟んだり、軒先が2段階になったりの条件が加わります。
 ②測定境界線までの水平距離を「X」として、有効採光確保の為の逆算問題です。
  学生が苦慮するのは、この水平距離「X」を求める問題です。
  でも一見難しそうですが、方程式を建てて解けば、簡単だと思います。
 ③有効採光面積から適用用途の室の床面積の最大値を逆算する問題です。
  学生の反応は、この採光計算問題が一番やさしいと言っていました。

◇演習の手順は、まず、採光補正係数を計算し、開口面積を乗じて採光有効面積を算出する。
◇このオーソドックスな手順に慣れることが大切だと思います。
◇その後、採光有効面積と開口部面積から採光補正係数を求め、法令の公式から逆算する演習です。
◇算定軒先から境界線までの水平距離を、開口部中心までの距離で除したものが採光関係比率です。
◇最後は、法28条の必要床面積の比率から、採光有効面積算出後に最大床面積を求める演習です。
◇採光補正係数の計算式は、法令集では文章記載ですが、数値に下線を引けば、簡単に理解できます。

◇あとは、スポーツの基礎練習同様に、繰り返し演習をすることだと思います。
◇そのうちに、採光計算が易しいことが理解出来てくると思います。
◇何事も訓練だという事を念頭に置いて演習をし、ヴィクトリーロードを進んでもらいたいです。

2018年10月16日 by SHRS(シュルズ)「一級建築士、建築基準適合判定資格者」
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二級建築士ブログ受験講座 「No.5」

2018-10-15 10:01:15 | ビジネス・教育学習
◇今日は、一般構造に関する分野の中で、「天井高さ」と「床下防湿)」を取り上げます。
◇政令の条項で言うと、令21条「居室の天井高さ」令22条「居室の床高、防湿方法」です。
◇近年の出題傾向ですが、令21条「居室の天井高さ」は、形は違いますが毎年出題されています。
◇特に、図形で基準法上の天井高さを算出させる問題が、この10年間で5回でています。
◇令22条「居室の床高、防湿方法」は、10年間で6回、設問に挿入されています。
◇文章問題での挿入は、いずれも正答での設問が一つもないところが特徴的です(易しいから?)。

◇居室の天井高さで、一室での天井高さが異なる場合は、その平均高さになります(令21条2項)。
◇基準法では、「高さを2.1m以上にしなさい。」というだけで、計算方法は算数の世界になります。
◇ひとつが、天井の高さ=居室の断面積÷居室の幅
◇もう一つが、天井の高さ=居室の容積÷居室の床面積ということになります。
◇図形問題ですので、計算方法は複数あることになりますが、子供のころの算数と同じです。
◇特に、居室の容積を必要とする問題は、ちょっとクイズっぽくて、楽しいかもしれません。
◇H23年に一度出て、今年(H30年)またでていますが、あと4回は「断面積÷幅」の二次元の世界です。
◇文章問題では、居室の定義との照合問題で、「居室の高さを2.1m以上」というだけです。
◇設問は、居室であるか否かを問う問題で、居室であれば「2.1m以上」というだけです。

◇「居室の床高、防湿方法」は、ただし書で、床下をコンクリートで覆った場合の緩和があります。
◇基本は、床下45㎝、床下換気孔(面積300㎠以上、壁長さ5m以下の設置)の義務付けがあります。
◇勿論、ネズミの侵入防止設備も、基本的義務事項です。
◇しかし、べた基礎の場合、または構造には関係なくともコンクリートで床下を覆えば緩和対象です。
◇試験問題の文章としては「床下を30㎝にした。」というような問いかけになります。
◇判断要素は、設問の室が居室か、床下はコンクリートで覆われているかの二つになります。

◇出題傾向から、学生への演習では、図形問題での「天井の高さ」計算としています。
◇意外と算数に弱い学生が多いことに驚いているのが現状です。
◇図形で、勾配天井を持ち、一部分が欠けている形状の容積計算に苦慮しています。
◇H29年の木造建築士試験で出題された問題を前期に演習し、少しは効果が出ているかも?
◇今回は、二級建築士試験のH23年問題を演習しましたが、もう一息というところでしょうか。
◇今年(H30年)も、H23年とほぼ同様の問題でしたので、習得状況の再確認をする予定です。

2018年10月15日 by SHRS(シュルズ)「一級建築士、建築基準適合判定資格者」
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二級建築士ブログ受験講座 「No.4」

2018-10-14 10:57:32 | ビジネス・教育学習
◇一般構造に関する問題で、今日は「階段の構造(傾斜路を含む形状)」を取り上げます。
◇近年の出題傾向ですが、H24年から、正答ではないですが、毎年設問に挿入されています。
◇正答で出題されたことが一度だけあり、H28年で、傾斜路の勾配を問う設問です。

◇階段の構造(形状)は、法36条で「補足技術基準を政令で定める」という規定に基づきます。
◇それを受けて、令23条の表で、階段の構造(形状寸法)の規定を表示しています。
◇留意点はただし書きで、屋外階段の幅と住宅の蹴上、踏面の形状寸法を緩和していることです。
◇屋外階段の幅は、令120条、121条で規定する避難階段の場合は、90㎝以上としています。
◇避難階段を必要とする建築物は、令117条で定義する、特殊建築物と階数が3以上の建築物です。
◇すなわち住宅の屋外階段は、上記の避難階段ではない場合に該当し、60㎝以上となります。

◇二級建築士試験の場合には、屋外階段の規定より、住宅の蹴上、踏面の規定の方が重要です。
◇勿論その場合、共同住宅は対象外で、戸建住宅だけを念頭に置けばいいです。
◇表において直上階の居室が200㎡超える、地階の居室が100㎡を超える場合以外は、(4)項です。
◇表の(4)を参照すると、蹴上22㎝以下、踏面21㎝以上と規定しています。
◇しかし、ただし書で住宅の蹴上を23㎝以下、踏面を15㎝以上としていいと規定しています。
◇すなわち多くの戸建住宅の階段は、幅75㎝以上、蹴上23㎝以下、踏面15㎝以上でいいのです。
◇ついでに同2項で、周り階段の踏面の測定位置は、狭い方から30㎝の位置としています。

◇階段手摺について、側壁があっても必ず片側に手すりがいることに注意です(令25条1項2項)。
◇手すり幅は、10㎝を限度に階段幅に未算入でもよい、という緩和措置もあります(令23条3項)。
◇踊り場は、住宅では高さが4mを超えるものに対して必要としていることにも注意です(令24条)。
◇あと、階段に替わる傾斜路の勾配を1/8以下にする規定がある事にも注意です(令26条1項一号)。

◇演習をして学生の反応から見る注意点は、3つ。
◇住宅の階段のただし書き規定(蹴上、踏面)緩和に注意が向いてなく、表の数値で回答している。
◇この要因は、法令集を根気よく読み込み、ただし書きに注意する事に慣れていないと推察します。
◇特に、図の問題が出ると、緩和条項が頭から離れて計算に夢中になり、誤答する。
◇あと、踊り場の設置規定の理解不足で、踊り場を付加した階段の設問に惑わされて誤答する。
◇すなわち、踊り場の踏幅120㎝に惑わされて、計算ミスをしてしまう事です。
◇以上、学生の演習時の反応を加味して、重要ポイントの解説をさせて頂きました。

2018年10月14日 by SHRS(シュルズ)「一級建築士、建築基準適合判定資格者」
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エコ検定ワンポイント受験講座 No.2

2018-10-13 09:41:11 | ビジネス・教育学習
◇エコ検定受験講座における学生の反応から、気になるポイント整理「その2」です。
◇講座の締めとして、第17回から3回分の試験問題抜粋の○×式に変換した演習からの反省です。

◇ポイント①:「循環型社会形成推進基本法」では、3Rの優先順位を決めている。
 ・リデュース(発生抑制)
 ・リユース(繰り返し使用)
 ・マテリアルリサイクル(原料としての再生利用)
 ・サーマルリサイクル(熱回収)

◇ポイント②:意外と知らなかった、クールビズ、ウォームビズの室温。
 ・クールビズ
   夏期の地球温暖化対策のひとつとして、冷房時の室温を「28℃」で快適に過ごすライフスタイルの推奨を呼びかけている。
   設定温度が「28℃」という事ではない。
 ・ウォームビズ
   冬期の地球温暖化対策のひとつとして、暖房時の室温を「20℃」で快適に過ごすライフスタイルの推奨を呼びかけている。
   設定温度が「20℃」という事ではない。

◇ポイント③:カーボンフットプリントとカーボンオフセット
 ・カーボンフットプリント
   製品のライフサイクル全体を通して排出された温室効果ガスをCO2の量に換算して製品などにラベルで表示する「見える化」の仕組み。
 ・カーボンオフセット
   自らの努力で削減できない温室効果ガスの量を、削減活動などへの投資で埋め合わせる制度のことをいう。

2018年10月13日 by SHRS(シュルズ)「一級建築士、CASBEE評価員資格者、エコ検定合格」
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