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平成30年「1級建築士試験問題」ブログ解説 「No.3」

2018-10-31 09:55:59 | ビジネス・教育学習
◇今年(平成30年)の「1級建築士試験・建築法規」の問題解説です。
◇問題文の掲載は、著作権との兼ね合いも有りますので、割愛します。
◇内容は、公益財団法人 建築技術教育普及センターのH.P.(下記アドレス)をご参照ください。
◇二級建築士試験同様に、問題文と正答肢表については、公開されています。

〔No.5 〕採光・換気・階段・天井高等の一般構造規定に関する問題です。
正答 2
1.正しい。
  ・令20条2項二号:準工業地域の採光補正係数=(採光関係比率)0.24×8-1=0.92
  ・同号ロ:水平距離が5m以上で、算定値が1.0未満の場合、採光補正係数は「1.0」とする。
  ・令20条2項かっこ書き:幅90㎝以上の縁側がある場合の採光補正係数=1.0×0.7=0.7
2.誤り。法28条の2第三号、令20条の8:集会場の居室には、法28条2項による換気のための開口部の規定に適合していても、ホルムアルデヒド対策と
 しての換気設備を必要とする。
3.正しい。令24条1項、令23条表(2)項:物品販売業を営む店舗で床面積の合計が1,500㎡を超えるものは、高さ3m以内ごとに踊場を設けなければな
 らない。
4.正しい。令21条1項、同2項

講評: 設問2が正答ですが、難易度的には、易しい問題だと思います。ホルム対策の法改正があった時にも話題となった、居室への換気設備の設置義
 務規定です。二級建築士試験や木造建築士で見かける問題ですね!ただ、設問1で悩まされて誤答を誘発する可能性を持った問題ではないでしょう
 か?でも、良く問題文を読めば、採光有効面積計算の基本事項との照合であり、難しくはないと思っています。設問3と4については、条文を読むだ
 けで回答可能な容易な問題だと思います。

〔No.6〕防火区画に関する誤っている記述を選択する問題です。
正答 3
1.正しい。令112条9項(竪穴区画):3階以上の階に居室を有する準耐火構造建築物の昇降機の昇降路部分は、原則、竪穴区画が必要。
2.正しい。令112条13項(異種用途区画)法27条1項二号、別表第1(4)項(は)欄、令115条の3第三号: 2階を物品販売業を営む店舗は、法27条1項二号に
 より、法別表第1(4)に該当し、同(は)欄で、その部分が500㎡以上の場合、令112条13項の異種用途区画の対象となる。その場合、令112条1項で定め
 る特定防火設備(60分遮炎性能)で区画する必要がある。
3.誤り。令112条9項ただし書き:準耐火構造とした延べ面積200㎡、地上3階建て建築物の場合、原則、竪穴区画を必要とするが、同令ただし書き二
 号で、3階建以下で200㎡以内の一戸建住宅は、規制対象から除かれているので、防火区画する必要はない。
4.正しい。令114条2項、令19条:有料老人ホームは、児童福祉施設等に該当し(令19条)、令114条の防火間仕切壁等の規制対象となる建築物で、令
 114条1項に従い、準耐火構造とし、小屋裏又は天井裏に達せしめなければならない。なお、建築面積が300㎡を超える小屋組が木造の建築物の場合
 (令114条3項)には、令112条2項一号により、告示694号に基づく構造方法の強化天井の場合には、対象から除かれている。

講評: 竪穴区画の規定である「令112条9項」のただし書き規定(3階以下200㎡以内の戸建住宅、又はマンションの住戸内メゾネット住戸)を問う問題
 で、二級建築士試験における防火区画の問題では、この竪穴区画(9項)と異種用途区画(12項、13項)は常連の問題で、この問題は、二級建築士試験で
 も、そのまま使えそうな問題です。ただ、来年の試験から法改正で法24条が無くなり、その余波で、令112条12項の異種用途区画が削除されます。と
 いう事は、二級建築士試験での防火区画の問題は、この問題のように、9項(竪穴区画)、13項(異種用途区画)、令114条(界壁)の中で問題が構成され
 ると推察しています。注視しているのは、13項の異種用途区画では、特定防火設備(60分遮炎性能)による区画を要求しており、その記述が、令112条
 1項にある事です。

学科Ⅲ「建築法規」問題集
http://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/1k-mondai.files/1k-mondai-h30-gakka3.pdf
学科の正答肢
http://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/1k-mondai.files/1k-gakka-gokakukijyun-h30.pdf

2018年10月31日 by SHRS(シュルズ)「1級建築士、建築基準適合判定資格者」
コメント
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