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人も社会も、成長と負荷を切り離して、落としどころを考える。

エコ検定試験・解答解説「第24回2018年度7月試験」その3

2018-10-02 10:28:06 | ビジネス・教育学習
◇パリ協定、SDGs(エスディージーズ)と、地球温暖化対策活動が活発化しています。
◇温暖化対策に挑む「地球人としての知識と教養」を高めると考えてもよい検定試験があります。
◇東京商工会議所主催の「エコ検定試験」で、全国各地の商工会議所との共催での展開です。
◇今後は、ビジネスでは勿論、様々な分野で活用可能な知識と教養だと思います。
◇そこで、今年7月実施の「第24回2018年度7月試験」の解答解説をしていきます。

◇解説において参照するページを記載していますが、東京商工会議所発行「公式テキスト」のページです。
◇公式テキストは、本年発行済みのものを参照しています。
◇また、問題の原文は記述できませんが、解説と公式テキスト参照ページと照合することで理解できると思っています。
◇毎年2回開催されていますので、12月度試験に向けて、お役に立ちたいと思います。

第5問(各2点×5問):各設問毎に、不適切な回答文を選択する問題です。
ア:1992年開催の地球サミットに関する問題です。
 ①正しい。「環境と開発に関するリオ宣言」採択。(16P参照)
 ②正しい。「アジェンダ21」採択。(16P参照)
 ③不適切。SDGsが掲げられたのは、1992年の地球サミットではない。:2015年9月の国連持続可能な開発サミットにおいて、持続可能な開発のた
      めの2030アジェンダが採択され、17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(SDGs)」が掲げられた。(25P参照)
 ④正しい。「気候変動枠組条約」「生物多様性条約」への署名の開始。(16P参照)
イ:生態系を維持する生物同士の様々な関係を問う問題です。
 ①正しい。捕食被食(食べるー食べられる)の関係を「食物連鎖」という。(38P参照)
 ②正しい。生態系における種類と構成者において、無機物から有機物をつくる生物を「生産者」、他の生物から栄養分を得る生物を「消費者」とし
      て定義している。(38P参照)
 ③正しい。食物連鎖の中で、食べられる生物は食べる生物より多いという、量的関係を図で表したものを「生態系ピラミッド」と呼んでいる。(39
      P参照―図を含む)
 ④不適切。設問の「生態系ピラミッド」の量的関係を「生物濃縮」というのは不適切で、「生物濃縮」とは、環境中に放出された化学物質が、ごく
      微量でも、食物連鎖の各段階を経るごとに生物の体内での蓄積量が増加する現象をいう。
ウ:地球温暖化に対する「緩和策」を問う問題です。
 ①正しい。緩和策(1)エネルギーの供給段階での対策⇒化石燃料の利用削減。(58P参照)
 ②正しい。緩和策(2)エネルギーの利用段階での対策⇒省エネなどの利用の効率化。(58P参照)
 ③不適切。高温耐性の水稲・果樹の品種改良は、緩和策ではなく、農業部門における「適応策」である。(59Pの表参照)
 ④正しい。緩和策(3)森林・吸収源対策⇒森林の整備と適切な管理・保全。(58P参照)
エ:生態系サービスの内容を問う問題です。
 ①正しい。供給サービス:食料、淡水、木材、繊維、燃料、医薬品の原料。(89P参照)
 ②不適切。調整サービス:気候の調整、洪水制御、自然災害の防止、被害の軽減、疾病制御、水の浄化などで、医薬品の原料の提供は、供給サービ
      スである。ここで注意したいのは、設問文に「提供」とあるので、これは調整サービスではなく、供給サービスと推察すればいい。(89
      P参照)
 ③正しい。文化的サービス:自然景観などの審美的価値、宗教などの精神的価値、教育やリクレーションの場の提供。(89P参照)
 ④正しい。基盤サービス:栄養塩の循環、土壌形成、光合成による酸素の供給。(89P参照)
オ:「廃棄物処理法」の内容を問う問題です。
 ①正しい。廃棄物の定義:ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿などの汚物又は不要物で、固形状又は液状のものをいう。(128P参照)
 ②正しい。産業廃棄物の定義:事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、法令で定められた20種類のものと輸入されたものをいう。(128P左注釈欄参
      照)
 ③正しい。一般廃棄物の定義:産業廃棄物以外の廃棄物を指し、し尿、家庭のゴミ、及びオフィス、飲食店、学校などの事業系ごみを含む。(128P
      参照)
 ④不適切。特別管理廃棄物の定義:人の健康や生活環境への被害が生じるおそれのある有害廃棄物が、特別管理廃棄物であり、設問の災害に伴って
      発生した瓦礫や金属くずは、災害廃棄物である。(128P&162P参照)

第6問(各1点×10問):各設問の文章ごとに、最も適切な語句を選択する問題です。
ア ①低炭素:第4次環境基本計画(2012年)における、持続可能な社会の実現に向けて統合的に達成する分野を問う問題です。既に、2007年6月策定の
      「21世紀環境立国戦略」において、「低炭素社会、循環型社会、自然共生社会」の3つを掲げていますが、加えて、東日本大震災の教訓を
      踏まえ、「安全」を基盤としています。(175P参照)
イ ①リユース:「繰り返し使えるものは使う」という、「3R(リデュース、リユース、リサイクル)」の、再利用を問う問題です。(122P参照)
ウ ③3E+S:東日本大震災での原子力発電所事故を受けて、エネルギー基本計画で、従来、重視されてきた「3E(Economic efficiency、Energy
      security、Environment)」に、「安全性(Safety)」を加えたものの実現が基本課題になりました。(78P参照)
エ ②小笠原諸島:世界遺産は、「文化遺産、自然遺産、複合遺産」に分類され、日本は「文化遺産」が多く、4つしかない「自然遺産(屋久島、白神
      山地、知床、小笠原諸島)」を問う問題です。よく「富士山」が自然遺産と間違われるので、注意です。「富士山」は、山岳信仰等の世界
      文化遺産です。(94P、95P右注釈欄)
オ ③種の宝庫:非伝統的な焼畑耕作、過剰放牧、商業的伐採、森林火災などにより、「種の宝庫」ともいわれる熱帯林に生息する野生生物の減少(生
      物多様性の危機)を危惧する問題です。(90P参照)
カ ②ポリ塩化ビフェニル(PCB):1968年発生の、米ぬか油に製造ラインの熱媒体が混入し発生した食中毒事件「カネミ油症事件」の原因物質を
      問う問題です。(132P左注釈欄参照)
キ ①そらまめ君:環境省が提供している、大気汚染物質広域監視システムの名称を問う問題です。(140P参照)
ク ④ベクレル(Bq):放射線物質汚染対策特措法において、「指定廃棄物」と呼ばれる廃棄物の基準値(8,000 Bq/㎏以上)の単位を問う問題です。ベク
      レル(Bq)は、放射能を出す能力の単位で、シーベルト(Sv)は、放射線による物理的なエネルギーの強さを表すグレイ(Gy)に、人体への影
      響の度合いを加味した単位です。
ケ ④コンプライアンス:近年、企業・団体に属する全ての者に対して、企業の社会的責任(CSR)の基本となる考え方である、法令遵守「コンプライア
      ンス」を問う問題です。(210P、208P参照)
コ ④六次産業:農林漁業の活性化手段として、一次産業(生産)、二次産業(加工)、三次産業(販売)を連携させた新しい産業の形態について、それら
      を足して「六次産業」と称している。(225P参照)

2018年10月2日 by SHRS(シュルズ)「一級建築士、CASBEE評価員資格者、エコ検定合格」
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