暮らす、生きる、繋がる、持続可能な未来

人も社会も、成長と負荷を切り離して、落としどころを考える。

エコ検定フォロー講座 No.18

2019-02-15 11:10:32 | ビジネス・教育学習
◇「カーボンリサイクル構想」という記事が、今朝の毎日新聞に掲載されています。
◇大気中の二酸化炭素を回収し、燃料や素材に変換して有効活用しようというもののようです。
◇従来からある、二酸化炭素の貯蔵技術とは異なる考え方のようです。
◇うまくゆけば、地球温暖化対策、地球環境保全対策の革新的技術の一つとなるのでしょうが・・・。
◇石炭火力発電を正当化するための、一時しのぎの構想ではないことを期待したいと思います。
◇そこで今回は「エコ検定」の試験範囲から「地球の炭素循環と海洋の酸性化」を整理していきます。
◇大気中の二酸化炭素の増加は、海洋の生態系にも大きく影響しているのです。

◇ポイント①:地球の炭素循環の収支(気象庁の炭素収支模式図添付)
 ・炭素は炭素化合物として、大気、海洋などで、移動、交換、貯蔵を繰り返しています。
 ・地球上の炭素発生量は、産業革命以前は9億トン(図の黒字)。
 ・うち、海洋に2億トン、大気中に7億トンが存在していた(図の黒字)。
 ・産業革命以後は、人為起源二酸化炭素が89億トン加わります。(図の赤字)
 ・内訳は、化石燃料燃焼で78億トン、土地利用変化によるものが11億トンです。(図の赤字)
 ・結果、大気中への残留が40億トン追加となります。(図の赤字)
 ・また、陸上への吸収が26億トン、海洋への吸収が23億トン追加となります。(図の赤字)

◇ポイント②:生物ポンプによる海洋の二酸化炭素貯蔵機能
 ・海洋に取り込まれた表層の二酸化炭素を利用し植物プランクトンが光合成により有機物にします。
 ・プランクトンを食べた海洋の生きものたちが食物連鎖を経て遺骸(有機炭素)となります。
 ・その遺骸(有機炭素)は、海洋の中層、深層にマリンスノーとして運ばれます。
 ・そして海洋に、溶存無機炭素として、大部分は海洋に貯蔵されるのです。
 ・海洋は、二酸化炭素の吸収源として、地球の大気成分の安定化に寄与しているのです。

◇ポイント③:大気から吸収する二酸化炭素の増大による海洋の酸性化の影響
 ・海洋が酸性化することにより、二酸化炭素を吸収する能力が低下するといわれています。
 ・海洋の酸性化は、海洋の生態系に大きな変化が起きる怖れがあるといわれています。
 ・その影響は、植物プランクトン、動物プランクトンなどにとどまらないようです。
 ・珊瑚(サンゴ)、貝類、甲殻類など、種々の海洋生物の成長や繁殖に影響が及ぶといわれています。

◇ポイント④:海洋の働きの整理(まとめ)
 ・地球上に不可欠な淡水の供給源となる。
 ・海洋生物の生存・成長の環境を与え、海洋資源を育成する。
 ・海流などの循環によって、物質を移動させ、気候を安定させる。
 ・二酸化炭素を吸収・貯蔵する。

◇ポイント③:SDGsとの照合で考える
 ・目標14:海の豊かさを守ろう
   「海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する。」
  ⇒ターゲット14.1
   「2025年までに、陸上活動による海洋堆積物や富栄養化をはじめ、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に減少させる。」
  ⇒ターゲット14.3
   「あらゆるレベルでの科学的協力の促進などを通じて、海洋酸性化の影響に対処し最小化する。」

2019年2月15日 by SHRS(シュルズ)「一級建築士、CASBEE評価員資格者、エコ検定合格」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする