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平成30年「1級建築士試験問題・建築法規」ブログ解説 「No.15」

2019-02-26 09:03:46 | ビジネス・教育学習
◇平成30年度の一級建築士試験解説も今回が最終回です。
◇建築士法と建築基準法の混合問題、および省エネ関連のその他関連法規からの問題です。
◇留意点は、問題文を読み取り、何の判断を求めているのかを察する事ではないでしょうか?
◇明日27日は、国交省による大阪地区での改正建築基準法(本年6月施行予定)の説明会です。
◇従って明日のブログはお休みし、説明会を受けての改正法の報告を、28日にさせて頂きます。

◇なお、試験問題は、公益財団法人 建築技術教育普及センターのH.P.をご参照ください。
◇二級建築士試験、木造建築士試験と同様に、問題文と正答肢表が公開されています。
◇参考までに、該当アドレスを下記に記載します。

〔No.29〕建築基準法と建築士法の混合問題です。
 1.構造設計一級建築士の定期講習受講義務規定を問う問題です。
 2.構造計算適合判定資格者である建築主事による構造計算適合性判定の範疇を問う問題です。
 3.報告義務を怠った所有者等への罰則適用の問題です。
 4.罰則規定適用の対象者が誰かを問う問題です。

正答 4
 1.正しい。建築士法22条の2、令17条の37、表左欄二号:一級建築士等のように、建築士事務所に属するという条件はなく、教育に関する業務を行
  っている場合でも、定期講習を受けなければならない。
 2.正しい。建築基準法6条の3ただし書き、同令9条の3、同令81条2項二号イ、同規則3条の13第二号):確認審査が比較的容易にできる、31m以下の
  建築物で許容応力度計算(令81条2項二号イ)等の特定構造計算基準(令9条の3)への適合性判定は、構造計算適合判定資格者(規則3条の13第二号)が
  審査したものについては、構造計算適合性判定(法6条の3)の規定の適用について、ただし書きで除外されている。
 3.正しい。建築基準法99条5項、同法12条5項:1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に称せられる罰則規定の適用がある。
 4.誤り。建築基準法101条1項一号、法5条の6第4項、同5項:一級建築士でなければ工事監理ができない建築物の工事(法5条の6第4項)において、一
  級建築士を定めずに施工した場合(法5条の6第5項)、施工者が罰則の対象(法101条1項一号)となる。建築主は、罰則の適用の対象となっていない。

講評:罰則規定の適用に関しては条項で表現されているので、何のことを指しているのかを、条項で理解することが必要です。条項の検索・照合スピ
 ードの問題かもしれません。

〔No.30〕省エネ関連の関係法令の混合問題です。
 1.「低炭素法」に基づく、容積率算定の基礎となる延べ面積に関する緩和内容を問う問題です。
 2.「低炭素法」に基づく、認定申請に関する適合審査に関する問題です。
 3.「建築物省エネ法」に基づく、建築確認申請書と適合判定通知書の提出時期を問う問題です。
 4.「建築物省エネ法」に基づく、認定と適合性判定通知書の関係を問う問題です。

正答 3
 1.正しい。都市の低炭素化の促進に関する法律第60条、同令13条:延べ面積の1/20を限度として、算入しないことができきる。
 2.正しい。都市の低炭素化の促進に関する法律第10条3項:条文参照
 3.誤り。建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律第12条8項:建築確認の申請書を受理した場合において、建築主から適合判定通知書又は
  その写しの提出を受けた場合に限り、建築確認をすることができるとしており、併せて適合判定通知書を提出するという記述は、法に適合しな
  い。
 4、正しい。建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律第30条8項:条文参照

講評:パリ協定の目標を目指して、建築関連の対策法として重要な位置づけにある法律だと思います。主に手続き規定に関する条文が多いので、条文
 に読み慣れることが重要だと思います。

学科Ⅲ「建築法規」問題集
http://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/1k-mondai.files/1k-mondai-h30-gakka3.pdf
学科の正答肢
http://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/1k-mondai.files/1k-gakka-gokakukijyun-h30.pdf

2019年2月26日 by SHRS(シュルズ)「1級建築士、建築基準適合判定資格者」
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