図書館に行ったついでに、久留米市にある石橋文化センターをぶらりと散歩しました。
ここは小学生の時から遊び場所として、文化活動の場として、そして老年になった今も散歩の場所として長年お世話になっています。
石橋文化センターは、7ヘクタールの面積からなる「野中公園」の一部になります。文化センターそのものは、フェンスで囲まれた4ヘクタール程度の施設です。
園内図です、
石橋文化センターは昭和31年、ブリヂストンタイヤ創立25周年を記念して石橋正二郎氏が久留米市に寄付しました。開設時は美術館をメイン施設として、文化会館、50m公認プール、体育館、野外音楽堂、遊園地がありました。その後、正二郎氏は文化ホール、日本庭園も久留米市に寄付しました。
何しろ、福岡県立美術館が県立文化会館の併設施設として開館したのが昭和39年でしたから、石橋文化センターは福岡県のみならず、九州でも隋一の文化施設ではなかったでしょうか。開設記念の美術展があった時、園内に入場を待つ長蛇の列の写真を見たことがあります。
正面からの風景です。写真には写っていませんが、「世の人々の楽しみと幸福のために」という正二郎氏の言葉がレリーフに刻まれています。
左が図書館、右奥が美術館です。美術館は当初は白亜の建物でしたが後に煉瓦タイルに改装されました。
図書館は昭和53年に体育館の跡地に建設されました。美術館に合わせて煉瓦タイルの外装です。図書館のオープンに合わせて入園料(確か100円だったと思います)が無料になりました。体育館には20台程の卓球台やバドミントンコートが常設されており、私も友人とよく通いました。
石橋美術館です。
石橋財団は1年後に久留米市からの運営委託を解除し、収蔵品を東京に引き揚げるそうです。私はこの美術館はブリヂストン美術館の分館であるとばかり思っていました。名品はもっと幅広い人々に見てもらう必要がある、との理由らしいですが。これからは、青木繁など地元作家の絵を見るためには、東京まで行かなければなりません。
寄付から月日がたち、これからは正二郎氏の想いとは別にビジネスライクにされていくのでしょう。
ペリカン噴水です。正面入口の「緑のリズム」像とともに、石橋文化センターの象徴となっています。ここは以前はペリカンプールと呼んでいて、子供用のプールとなっていました。私も母親に連れられて来てここで泳ぎ、隣の芝生で着替えをしたものです。
図書館裏手の広場です。昔は右奥に小さな遊園地があり、プロペラの小型機が置いてありました。
日本庭園と楽水亭です。楽水亭は先年、建て替えられています。
美術館裏の菖蒲池です。
正二郎氏の子息、幹一郎氏が寄贈した美術館別館です。50m公認プールの跡地に建設されました。世界記録を出したこともあるプールで、記念にスタート台が残されています。
石橋文化ホールです。幹一郎氏が携わりました。優れた音響効果には定評があります。
石橋文化センターは昔からよく手入れの行き届いた公園でしたが、近年はフラワーパークとして力を入れており、春秋のバラフェア以外でも季節の花が目を楽しませます。建物や園内の造作も開設時からは殆んどが改修・更新されており、人の手が加わった施設であると感じさせます。
石橋正二郎氏は文化センター以外にも、九州医専(今の久留米大学)設立時に敷地と校舎を寄付したり、当時の市内全小中学校にプールを寄贈したり、久留米市の教育文化に大きな貢献をしました。私もその恩恵にあずかった一人です。
一時期を除き、私は子どものころから久留米で過ごしています。
石橋文化センターは小学生の時に開園しました。また正二郎氏から小学校にプールの寄贈があり、そこで水泳を覚えました。
中学生にもなると50メートルプールでよく泳いだものです。
文化センターは開園当初と比べるとほとんどの施設が更新されていて、時代の流れを感じます。
コメント有難うございました。