海を見に鹿島まで

　師走に入ってからぐずついた日が多く、このところ遠出をしませんでした。先週の金曜日は久し振りに青空がのぞいたので、海を見に行きました。ここは道の駅鹿島です。有明海を隔てた対岸は柳川あたりになります。写真には写っていませんが、有明海はいま海苔の季節です。一方、干潟体験はオフシーズンになります。

　道の駅では刑務所作業製品の即売会があっていました。刑務所で作られる製品は安価で丁寧な作りに定評があります。この日、私が思わず買ったのはブックカバーとスマホホルダーです。いずれも丸に「獄」という商標がプリントされていました。函館少年刑務所の企画制作で、洒落でしょうか「ＰＲＩＳＯＮ］「本日開監」「創業明治弐年」という文字が縫いこまれています。

　矯正協会のホームページ等によると、このほかにも前掛けなど函館少年刑務所のマル獄シリーズは人気商品で、生産が間に合わず縫製は他の刑務所でも行っているそうです。濃紺の綿生地が裏表についた丈夫な作りが気に入りました。

　帰り道、祐徳稲荷にお詣りしました。門前商店街は神社祭事がある日以外はいつも閑散としています。この先に駐車場があるので、参詣する人は商店街を通らずに神社に行くようです。

 　崖の上にあるのが本殿です。私はいつも下にある神楽殿でお参りを済ませてしまいます。

　写真は六角川河口堰です。いつも横目で見ながら通り過ぎていましたが、この日は近くに車を止めて橋の上から写真を撮りました。漁船が船団を組んで川を遡っているように見えますが、みな浮きブイに係留されています。

　河口堰にどことなくボリューム感があるのは、ゲートが上がっているからです。漁船はたぶん海苔養殖船でしょう。海苔は夜明け前の薄暗い時間に摘みとるので、出航は早朝です。一方、河口堰は堰による淡水取水が目的でしたが、漁業者との調整がつかず、今は高潮を防ぐ時だけ水門が下ろされます。

　係留されている漁船と水門が上がったままの河口堰。私がここを通る時のいつもの変わらぬ風景です。

　堤防から下流を見たところです。ここから河口までは4キロほど。海の香りが漂ってくるようです。農業用のクリークが縦横に走る田園地帯から海に来ると、解放感を感じます。平野部の人と海の人と、住んでいる環境で気質まで違ってくるような気もします。

　それで時々海を見に来ます。いつもは静かな内海の有明海に来ますが、たまには荒々しい玄界灘も見てみたいと思っています。