ケメコ通信ブログ版Ⅲ

みなみ西陣のおっさんのひとりごと

礼文島ツアーレポート2日目前半篇

2007-09-06 08:07:54 | D‐ジェネ スペシャル
今日は早めに会社から帰りましょうね!

台風が首都圏に狙いを定めてまっしぐらに向かってきています。
台風銀座で防災体制ができている沖縄や九州の町と違って
自然災害になれてない都会のまちはナンジャクでウタレヨワイです。

まさか東京では刈り入れ前の田圃で農水路に転落ということもないと思いますが
土砂崩れや洪水などが発生するかもしれません。
交通機関のマヒ状態でいろんな混乱もおきると思います。

どうかこの台風でひとりの犠牲者も出ることがないことを思います。
誰も助けてくれません。自分のことは自分が判断して行動しましょう。
どうやらこの台風9号は日本縦断をして北海道を目指しているようです。

で、今日も昨日に続いて北海道カンレキ礼文島ツアーレポート三回目です。

●礼文島ツアーレポート2日目前半篇(2007年9月01日SAT 快晴)

「さあぼう!明日の日の出は4時50分頃だからな!4時半ごろから朝焼けがきれいだから!」
前日桃岩荘のミーティングから帰ってきてすこし一杯飲もうと仲間と一緒に飲んで
11時ごろに部屋に引き上げるときに教えてもらいました。

目覚ましもセットしなかったのですがちゃんと4時半に起きて「はな心」の外へ。
道路を越えて海岸に立つと利尻が雲ひとつなく雄大なシルエットを見せています。
左手の稚内方向が赤く朝焼けしています。

半袖Tシャツ1枚でも寒くありません。
今日も快晴!暑くなりそうです。
4時50分太陽が顔を出します。

地球の自転がこんなに速いのかと改めて思うぐらいあっという間に太陽が昇ります。
光の帯がキラキラ輝きながらこちらに伸びてきます。
壮大な宇宙船「地球号」のファンタジックドラマです。

5時になるとコンブの旗が揚がったのでしょう。
一斉に漁船が漁場にフルスロットルで向かいます
ウニとコンブは漁業組合で採れる日をコントロールしていて旗が揚がったときしか採ることができません。

「さあぼう!せっかくだからがんばって4時間コースを歩いておいでよ!」
昔の仲間が勧めてくれます。彼らのクルマで島の北端スコトン岬まで送ってくれて
また迎いに来てくれると言ってくれました。

正直言って日ごろの運動不足もありあまり歩き回ることを計画してなく
一緒にきてくれたカンリエーヨーシ姉妹も歩くことを想定して準備はしてなかったのですが
ソーテーガイですがここはえい!やぁ!と決心して4時間コースのチャレンジすることにしました。

今やすっかり礼文島の名物になった「愛とロマンの夢の8時間コース」ですが
40年前の当時はまだ今みたいに完成されたものではなかったのです。
ユースホステルは原則予約で運営しています。

仕入れも食事もすべて予約数をもとに準備をしています。
ところが離島というエリア事情は船の欠航はもとより何らかの事情で
当日ドタキャンが結構多くて悩みの基になっていました。

連絡があるのはまだしも、まったく連絡もしてこないという輩も多いのです。
それをなんとかできないか?もうすこし宿泊数を確定できないか?
そのためにはどうすればいいのかとみんなで考えました。

その結果は「明日の客より今日の客、つかまえて荷物は離さない!」です
来るかどうか分からない明日の客よりも今、ここにいる
今日の客に明日も泊まってもらえればゼッタイ確実なお客になる!と考えました。
今時のマーケ用語でいうところのCRM(カスタマーリレーションシップマネジメント顧客の囲い込み)です。

それが「愛とロマンの夢の8時間コース」です。
車が入れない断崖絶壁の礼文島西海岸の北端スコトン岬を朝スタートして
延々32キロ8時間かけて歩きとおし夕陽が落ちる頃に桃岩荘に帰るという過酷なコースです。

もうその頃には最終便は出港しています。ゼッタイに2泊しないとできません。
結構ハードなのでもうすこし楽なコースも欲しいとのリクエストを受けて
前半の4時間だけのショートコースもつくられて若者以外でも参加できるようになりました。

今回はそこを美人姉妹と三人で歩きます。
40年前にヘルパーになる前のホステラー時代に2回ほど8時間は歩いています。
しかし今回はきつかったぁ!ほんとうにきつかったぁ!

距離にしては8キロほどなのですが断崖絶壁の稜線を歩きます。
熊笹の中の細い獣道です。丸太を横にしただけの段差の道を黙々と登ります。
最初は景色を見ながらと余裕もあったのですが途中からは必死でなって登らないと進めません。

ペットボトルに入った水を持たせてくれていたのですがいくら飲んでも喉が渇きます。
足元が危なかしいのでうつむいて歩くのですが流れる汗が目に入ります。
もう!足が上げられない!と思った頃にようやく頂に到着しました。

見渡すとものすごいパノラマです。
眼下に真っ青な海が180度で広がります。
吹き上げてくる風が心地いいです。

しばらく休んで今度は下ります。
同じように熊笹の中をゆっくり下ります。
ところどころ水が流れていたり石ころが浮いていたりして結構危ないです。

もしここで捻挫とか骨折なんかしてもどうしようもありません。
車もはいれません。誰も助けてくれません。自分で危機管理しなければなりません。
そんなコースを延々歩くこと4時間。8時にスタートして12時にゴールに到着です。

ひょっとしたらぼくの人生の中でこの道をもう歩くことはないかもしれません。
でもこうして歩き通したことは決して忘れることはないでしょう。
ほんとうにまるで夢のような時間でした。

足は疲れ切っていましたが幸い筋肉痛になることもありませんでした。
ぼくが見てきた景色はなんと中島みゆきの「銀の竜の背に乗って」のPVを
ユーチューブで見ることができます。

でも便利になりましたよねぇ。こんな断崖絶壁でもケータイの電波は届いています。
4時間コースの途中でケータイから写真をブログに載せることができるのですから。
みなさんリアルな実況中継をご覧いただけましたでしょうか。

さっ!後は香深まで送ってもらって冷たいビールとウニ丼が待っています。つづく

今日のケメコ通信ブログ版の写真は「礼文島ツアーレポート2日目前半篇①~⑩」です。

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