ケメコ通信ブログ版Ⅲ

みなみ西陣のおっさんのひとりごと

企業っていう字は人が止まる業って書きます。

2008-02-19 07:09:33 | D‐ジェネ スペシャル
「よい品をどんどん安く、より豊かな社会を」

これは1960年代に流通革命の炎を燃え上がらせた
中内ダイエーが掲げたことばです。
彼は製造業でなく流通業です。

メーカーの人も「よい品をどれだけ安く作れるか」とおっしゃる。
そうでないと同業他社との価格競争で負けるからです。
技術力だけでは他社を圧倒するような優位性を保持できません。

かつて日米貿易摩擦が激しかった時代
確かソニーの盛田さんがその頃のアメリカとの
交渉の様子を書かれた文章を読んだことがあります。

「アメリカ製品がなかなか日本で売れない」というアメリカ側の抗議に対して
「日本製品はいい製品を極力安く造るために身を削る程の努力をしているが
アメリカの製品はいい製品でも安くないから日本で売れない」と言うと
「日本は安くするためにちゃんと必要なものに払っていない」と反論された

製品や価格に対する考え方が全く違い話しにならなかったと書かれていました。
つまりアメリカは公害防止のために多額の投資をしているし
経営者にも従業員にもちゃんと給料を払っている。

日本は(当時は)公害垂れ流しで従業員にも安い給料で酷使している。
必要な経費は必要であり企業は払わなくてはならない。
そのコストのうえで販売価格が決まるので日本の価格が不当廉売であるという言い分です。

メーカーが価格決定権を握っていた当時の時代です。
価格の決定要因は複雑な経営上のこともありなかなかムツカシイ問題ですが
少なくとも正統な必要経費は払わなければなりません。

「営業部第一営業課係長補佐心得」
以前こんな肩書きのついた名刺をいただいたことがあります。
思わず「ほさっ!こころえぇですかぁ!」って言ってしまいました。

「補佐心得」なんてまさか今ではないですよねぇ。
こんなことをしているから「名ばかり管理職」とか
「偽装管理職」が生まれるのです。

企業っていう字は人が止まる業って書きます。
使い捨てにするのでなく人が止まる企業でありたいと願います。

今日のケメコ通信ブログ版の写真は「降りしきる雪の二条城①~⑤」です。

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