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川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

[ワレラヒカリノ ミチヲフム]

2010-05-02 09:46:16 | 出会いの旅
地図を頼りに羅須地人協会を訪ねたら、花巻空港脇の花巻農業高校に行き当たりました。
花巻農業の校舎の前庭とも言うべきところに羅須地人協会の建物はあります。

 賢治が花巻農学校の教員をやめ、いわば私塾として始めたのが羅須地人協会です。挫折の後、人手に渡りこの地に移設されていたところに偶然の事ながら花巻農業高校の新校舎が建設された(1969年)とのことです。

 ぼくがびっくりもし、感動もしたのは校舎の正面に「ワレラヒカリノ ミチヲフム」と大書されていることです。(次の青文字をクリックして2枚目の写真をご覧下さい)。

 宮沢賢治の里よりhttp://blog.goo.ne.jp/suzukikeimori/e/52536250784dd27e3343b080ec4266f1

 「ワレラヒカリノ ミチヲフム」 なんだか力がわいてくるような言葉です。
 
 多くの学校に「校訓」なるものがあります。ぼくの母校は「報恩感謝」、文京高校は「至誠一貫」…。それらとは違う響きがあります。

 賢治が在職中に作詞した「精神歌」の最後の一節だとのことです。声に出して読んでみましょう。

   花巻農学校精神歌

日ハ君臨シ 輝キハ
白金ノ雨 ソソギタリ
我等ハ黒キ 土ニフシ
マコトノ草ノ 種マケリ

日ハ君臨シ 穹窿(きゅうりゅう)ニ
漲(みなぎ)リワタス 青ビカリ
ヒカリノアセヲ 感ズレバ
気圏ノキハミ 隈(くま)モナシ


日ハ君臨シ 玻璃(はり)ノマド
清澄(せいちょう)ニシテ 寂(しず)カナリ
サアレマコトヲ 索(もと)メテハ
白堊(はくあ)ノ霧モ アビヌベシ

日ハ君臨シ カガヤキノ
太陽系ハ マヒルナリ
ケハシキタビノ ナカニシテ
ワレラヒカリノ ミチヲフム

         宮沢賢治


 懇切丁寧な説明と曲を紹介したHPがあります。今もこんな風に歌われているのですね。


 花巻農学校精神歌http://www.ihatov.cc/song/seisin.html

 この歌の意味を賢治の生徒だった人はつぎのように理解しているという。

  瀬川哲男さん http://plaza.rakuten.co.jp/jifuku/diary/200908060004/

 農業は「菩薩業」だと生徒たちを励ましたという。すごいですね。しかし、当時農業を取り巻く現実は厳しく賢治はやがてこの言葉に対する責任を深く感じて(?)教職を辞し、羅須地人協会の設立へと動くのです。

 花巻農業高校は賢治の精神を正面に掲げて日々の実践に取り組んでいるのでしょう。農業を取り巻く現実は昔と大きく変わりましたが、厳しいことに変わりがありません。

 花巻農業高校に学ぶこどもたちは賢治の言葉をどのように受け止めているのでしょうか。農林業の復権こそ、21世紀の希望を切り拓く道です。

 ぼくは賢治がどういう教師であったか、をほとんど何も知りません。羅須地人協会の活動もきちんと勉強したことはありません。

 この機会に勉強してみたいものだと思い始めました。


 

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