川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

金芝河(キム・ジハ)と朴槿恵(パク・クメ)

2012-12-22 09:43:20 | 韓国・北朝鮮

金芝河は70年代前半にもっとも尊敬した詩人です。

詩「五賊」などを発表して朴正熙大統領の独裁体制を批判し、「死刑」判決まで受けた人です。

朴政権の弾圧と闘う中で日本人に寄せられたメッセージをぼくは心のよりどころとしていました。

「韓国の民主化は私たちが闘い取る。日本人にできることはない。日本人は日本の社会の民族差別などの課題に向き合ってほしい。私たちの闘いが生み出す思想があなたたちの闘いに力を付け加えることができるかもしれない」。

正確な言葉は忘れたがこんな趣旨だった。ぼくは70年ごろから学校や地域での民族差別を撤廃する取り組みに全精力を注いでいた。金芝河のメッセージに励まされて、韓国民主回復統一促進国民会議(韓民統)などの民主化運動とは意識して距離を置き、「在日朝鮮人生徒の教育を考える会」の創立に力を入れたものです。

その金芝河が朴槿恵候補を支持して大統領に押し上げる一助になったのです。言うまでもなく朴槿恵さんは朴大統領の遺子です。

あれから30年余。それぞれが過酷な人生を生き抜いて力を合わせるというのですからうれしいニュースでした。

何百万の国民を餓死させても自分の地位を守ることだけには狂奔する「北」の独裁政権。世界中を見渡してもこれほどの独裁国家は見当たりません。

新しい大統領が朝鮮半島に民主主義と人権を回復する不退転の闘いの先頭に立つことを願っています。金芝河をはじめ、韓国の民主化を闘ったひとびとが同じ隊列に立てばどんなにか心強いことでしょう。「民主化人士」の真贋が問われるときです。

母に続いて父の非業の死を見せ付けられ、「独裁者の娘」の烙印に苦しめられたはずの人が「大統領」になります。どういう人なのか?

ぼくは何も知りません。自叙伝があるそうです。読んでみたくなりました。

『絶望は私を鍛え、希望は私を動かす【朴槿恵自叙伝】』●

http://www.amazon.co.jp/%E7%B5%B6%E6%9C%9B%E3%81%AF%E7%A7%81%E3%82%92%E9%8D%9B%E3%81%88%E3%80%81%E5%B8%8C%E6%9C%9B%E3%81%AF%E7%A7%81%E3%82%92%E5%8B%95%E3%81%8B%E3%81%99%E3%80%90%E6%9C%B4%E6%A7%BF%E6%81%B5%E8%87%AA%E5%8F%99%E4%BC%9D%E3%80%91-%E6%9C%B4%E6%A7%BF%E6%81%B5/dp/4891883529

 

 

【韓国大統領戦】

「恩讐を越えて」あの金芝河氏が朴槿恵候補を支持

2012.12.1 20:17 韓国

 【ソウル=黒田勝弘】1970年代の韓国の朴正煕(パクチョンヒ)政権当時、反朴闘争の抵抗詩人として国際的にも知られた作家、金芝河(キムジハ)氏(71)が、大統領選で与党セヌリ党の朴槿恵(パククネ)候補支持を“宣言”し話題になっている。故朴正煕の長女に対する「恩讐を越えて」の支持表明に左派文化人をはじめ野党陣営は「変節だ」と非難。金芝河たたきに懸命だ。

 金氏は朴政権時代に風刺詩「五賊」などを通じた反政府・民主化活動で逮捕され、死刑判決を受け投獄された。日本をはじめ国際的に救援運動が行われ、韓国を代表する反体制作家としてもてはやされた。

 朴大統領死後、80年に出獄。80年代以降は“生命運動”など伝統回帰の共同体主義的な考え方に傾き、政治至上主義的な闘争には批判的で左派とは対立することが多かった。

 今回の大統領選では「女性が世の中を率いる時代だ」などと語り、テレビインタビューや講演などで積極的に朴候補支持を主張。これに対し左派など野党陣営は「朴支持も政治的風刺か?」「頭がおかしくなったのではないか」など猛烈に非難している。

 左右対決になっている大統領選で野党の在寅(ムンジェイン)陣営は、父、朴正煕の反政府・民主化運動弾圧などマイナスばかり取り上げ、娘の朴槿恵非難に使っている。朴政権時代の政治的被害者である金芝河氏の朴候補支持は「過去との和解」であり、過去非難を続ける野党陣営には手痛い。


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