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甘いものと政治の話

天皇と菅首相の言葉の違い

2021-03-11 17:53:18 | 日記
3月11日…
東日本大震災から10年がたちました。
東京に居ても感じた大きな揺れ。
テレビでみた津波の恐怖。
原発事故。
そして実際に感じた被災地
復興はまだまだこれからです。
 
今日は東日本大震災10周年追悼式が行われました。その中での天皇と菅首相の言葉です。
 
天皇の式辞全文
 
東日本大震災から十年が経ちました。
ここに皆さんと共に、震災によって亡くなられた方々とその御遺族に対し、深く哀悼の意を表します。
十年前の今日、東日本を襲った巨大地震とそれに伴う津波により、二万人を超す方が亡くなり、行方不明となりました。
また、この地震に伴う津波や原子力発電所の事故により、多くの人々が避難生活を余儀なくされました。
この震災の被害の大きさは、忘れることのできない記憶として、今なお脳裏から離れることはありません。
あれから十年、数多くの被災者が、想像を絶する大きな被害を受けながらも、共に助け合いながら、幾多の困難を乗り越えてきました。
また、国や全国の地方自治体、百六十を超える国・地域や多数の国際機関、大勢のボランティアなど、国内外の多くの人々が様々な形で支援に力を尽くしてきました。
私も、皇后と共に、被災地を訪れてきましたが、関係者の努力と地域の人々の協力により、復興が進んできたことを感じています。
これまで復興に向けて歩んできた多くの人々の尽力とたゆみない努力に深く敬意を表します。
一方で、被災地ではまだ様々な課題が残っていると思います。
復興が進む中にあっても、新しく築かれた地域社会に新たに人と人とのつながりを培っていく上では課題も多いと聞きます。
家族や友人など親しい人を亡くしたり、あるいは住まいや仕事を失い、地域の人々と離れ離れになったりするなど生活環境が一変し、苦労を重ねている人々のことを思うと心が痛みます。
た、原子力発電所の事故の影響により、人々がいまだに自らの家に帰還できない地域や、帰還が始まったばかりの地域があり、農林水産業への風評被害の問題も残されています。
高齢者や子供たちを含め、被災された方々の心の傷を癒やし、心身の健康を見守っていくことも大切であると感じます。
今後、困難な状況にある人々が、誰一人取り残されることなく、一日でも早く平穏な日常の暮らしを取り戻すことができるように、復興の歩みが着実に実を結んでいくよう、これからも私たち皆が心を合わせて、被災した地域の人々に末永く寄り添っていくことが大切であると思います。
私も、皇后と共に、今後とも被災地の方々の声に耳を傾け、心を寄せ続けていきたいと思います。
先月にはマグニチュード七を超える地震が福島県沖で発生しました。
被災された皆さんに心からのお見舞いを申し上げます。
この地震は東日本大震災の余震と考えられており、このことからも、震災を過去のこととしてではなく、現在も続いていることとして捉えていく必要があると感じます。
我が国の歴史を振り返ると、巨大な自然災害は何度も発生しています。
過去の災害に遭遇した人々が、その都度、後世の私たちに残した貴重な記録も各地に残されています。
この度の大震災の大きな犠牲の下に学んだ教訓も、今後決して忘れることなく次の世代に語り継いでいくこと、そして災害の経験と教訓を忘れず、常に災害に備えておくことは極めて大切なことだと考えます。
そして、その教訓がいかされ、災害に強い国が築かれていくことを心から願っています。
今なお様々な困難を背負いながらも、その苦難を乗り越えようとたゆみない努力を続けている人々に思いを寄せ、安らかな日々が一日も早く戻ることを皆さんと共に願い、御霊への追悼の言葉といたします。

菅首相の式辞全文

 かけがえのない多くの命が失われ、東北地方を中心に未曽有の被害をもたらした東日本大震災の発生から、10年の歳月が流れました。
 最愛のご家族やご親族、ご友人を失われた方々のお気持ちを思うと、今なお哀惜の念に堪えません。ここに改めて、衷心より哀悼の誠をささげます。また、被災された全ての方々に、心からお見舞いを申し上げます。
 震災から10年がたち、被災地の復興は、着実に進展しております。地震・津波被災地域においては、住まいの再建・復興まちづくりがおおむね完了するなど、復興の総仕上げの段階に入っています。
 原発事故によって大きな被害を受けた福島の被災地域では、昨年に、帰還困難杭域を除く全ての地域の避難指示が解除されるとともに、帰還困難区域でも初めて一部で避難指示が解除されるなど、復興・再生に向けた動きも着実に進んでいます。
 一方で、いまだ2000人の皆さんが仮設住宅での避難生活を強いられるなど、長期にわたって不自由な生活を送られています。
 また、被災地では、被災者の心のケア等の課題が残っていることに加え、一昨年の台風19号、昨年来の新型コロナ感染症に続き、先般も大きな地震が発生するなど、さまざまなご苦労に見舞われています。特に、新型コロナ感染症により、地域の皆さまの暮らしや産業・なりわいにも多大な影響が及んでいます。
 政府として、新型コロナ感染症対策に万全を期すとともに、今後も、被災者の生活再建のステージに応じた切れ目のない支援を行ってまいります。中長期的な対応が必要な原子力災害被災地域においては、帰還に向けた生活環境の整備や産業・なりわいの再生支援などを着実に進めます。来年度からの第2期復興・創生期間においても、福島の本格的な復興・再生、そして東北復興の総仕上げに、全力を尽くしてまいります。
 震災による大きな犠牲の下に得られた貴重な教訓を決して風化させてはなりません。国民の命を守る防災・減災を不断に見直し、あらゆる分野において国土強靱(きょうじん)化に取り組み、災害に強い国づくりを進めていくことを、改めて、ここに固くお誓いいたします。
 震災の発生以来、地元の方々や関係する全ての方々の大変なご努力に支えられながら、復興が進んでまいりました。世界各国・各地域の皆さまからも、多くの、温かく心強いご支援をいただいており、心より感謝と敬意を表したいと存じます。
 震災の教訓とわが国が有する防災の知見や技術を、世界各国・各地域の防災対策に役立てていくことは、われわれの責務であり、今後も防災分野における国際貢献を、一層強力に進めてまいります。新型コロナ感染症を克服し、一日も早く安心とにぎわいのある日常を取り戻せるよう、全力を尽くしてまいります。
 わが国は、幾度となく、国難と言えるような災害に見舞われてきましたが、そのたびに、勇気と希望をもって乗り越えてまいりました。今を生きる私たちも、先人たちに倣い、手を携えて、前を向いて歩んでまいります。
 み霊の永遠に安らかならんことを改めてお祈り申し上げるとともに、ご遺族の皆さまのご平安を心から祈念し、私の式辞といたします。

 

被災地ではまだ多くの問題が山積しています。津波ですべてが流された地域では、かさ上げなどが進んでいます。しかし整地された場所でも空き地が目立つといいます。家を失った人が入る災害公営住宅。計画された3万戸はすべて完成しました。しかし仮設住宅からようやく引越し、暮らしはじめた入居者を苦しめているのが家賃の引き上げです。また新しい場所での生活で孤独死などの問題もあります。漁業や水産加工業、観光業もコロナと重なり復興にはほど遠い状況があります。福島第一原発の廃炉への道はまだほど遠いところにあります。

政府は10年を期に様々な支援を減らしていこうとしています。しかし復興はまだまだ先です。

いまこそ力が必要です。