日本共産党新宿区議会議員 佐藤佳一

日本共産党新宿区議会議員です。 家族、妻、1男、1女、新宿区北新宿在住、現在地元の町会長です。

区議会第4回定例会 代表質問ー建築行政について

2013-11-28 16:46:57 | 区議会

11月28日行われた第4回定例会で代表質問を行い、建築行政について質問した部分をアップしました

質 問

 第1に、中高層建築物に係わる紛争の予防と調整に関する条例(以下建築紛争予防条例)に基づく説明会の義務化についてです。

 南元町で計画されている地上7階、地下1階のマンションは、4月30日に標識設置届けが出され、5月17日に1回目の住民説明会が行われて以降、住民が再度の説明会を要望しても業者は説明会も開かない状態が続きました。5月31日住民が業者に質問書を出し、6月26日に業者から要望は受け入れられないという返事がきました。その後、7月30日に建築確認がおりて工事が着工されました。そして、区のあっせんにより調停が2回行われ、現在も継続されています。また、馬場下町のマンション計画では、各戸に資料を配付した時に住民が説明会を求めていましたが開催せず、いよいよ工事が始まる段階で数名の住民が再度強く要望し、ようやく説明会が行われたのは建築確認後でした。そのため説明会は紛糾しましたが、業者は建築計画の変更は行いませんでした。

 新宿区の建築紛争予防条例では、説明会について「説明会を開催する等の方法により」となっており、説明会を義務付けていません。そのため、先ほどの事例のように住民に充分な説明がないまま確認申請を出したり、説明会をせずに工事に着工するなどトラブルになるケースがあります。

 23区中3区が条例や要綱で説明会を義務付けています。特に港区では、条例施行規則で「建築計画の内容の周知方法は、説明会によるものとする」として、建物の高さと等しい水平距離つまり1Hの範囲内の隣接関係住民に対しては、標識設置から10日以内に説明会を開くことを義務付けています。また、欠席者には説明会開催日の翌日以降かつ標識を設置した日から20日以内に個別説明を行い、留守の場合は2回訪問をすることも義務付けています。さらに高さの2倍の水平距離、2Hの範囲内の近隣住民には「申し出があれば話し合う機会をもつことを努める」と定めています。標識設置から10日以内の説明会を義務付けることは、建築確認申請前に説明会を実施することとなり、近隣との紛争を減らすことにつながります。港区の担当者に伺ったところ、「1対1では聞くことも限られており、説明会を開くことで地域の景観などの問題が参加者全体のものになる」とのことでした。

 そこで伺います。新宿区でも、港区のように説明会の義務付けを行うように条例、規則の改正を行うべきと考えますがいかがでしょうか。また、現行制度でも住民が申し出れば説明会を開くことができることを建築計画の標識に明記するなど周知を徹底すべきと考えますがいかがでしょうか。

 第2に、区役所各課の情報共有についてです。

 第3回定例会の決算特別委員会で取り上げた仮称ロイヤルパークス柏木の建築計画で、建築主である大和ハウス工業が、近隣住民への説明と異なる図面を区に提出していたことは住民と新宿区を欺く背信行為です。この事に対して区長が10月4日の決算特別委員会で「抗議します」と表明し、同月21日付で大和ハウス社長宛に抗議書を送ったことについて、その迅速かつ適切な対応を高く評価するものです。その後大和ハウス工業は、東京本店長が区に謝罪に訪れ、11月15日の住民説明会では東京本店長が、謝罪し「工事着工ありきでなく、一からやり直したい」と表明し、住民との話し合いが継続されています。

 今回の問題は、新宿区の建築行政のあり方にも問題を投げかけました。大和ハウス工業から住宅課及び景観と地区計画課に、それぞれワンルームマンション条例、景観条例に基づく図面が提出されましたが、住民説明会で配布された図面と違っていたことに同じフロアでありながら気がつかなかったことも決算特別委員会で指摘しました。その後、再発防止の対策として9月から周知期間60日の建物等、10月からは、周知期間30日の建物のうち大規模な建物に供覧の対象を拡大し、都市計画部内で情報の共有化が図られています。対象建物の2012年度の実績は、85件ですから年間90件弱のチェックが必要となります。

 情報共有のための供覧を始めた迅速な対応は高く評価しますが、2度とこのようなことを起こさないためにも供覧だけでなく、建築調整課に情報を集中させチェックする体制を強化すべきではないでしょうか。

 第3に、景観まちづくり審議会の審議対象についてです。

 景観条例では、その基本理念で良好な景観を区民の共通の財産として次代に引き継ぐことを謳っています。これまでは、景観まちづくり審議会でどのような建物を審議の対象とするか基準がなく、仮称ロイヤルパークス柏木のように182メートルもの横に長いマンションについては、審議会での報告、審議の対象とはなりませんでした。

 しかし、高さの問題とともに擁壁のような形状のマンションについても景観上影響が大きいのですから、報告、審議の対象とすべきではないでしょうか。この仮称ロイヤルパークス柏木についても直近の審議会で議題とすべきです。そして、少なくとも東京都が所管となるのべ面積10,000㎡以上の建物については、審議の対象とすべきと考えますがいかがでしょうか。

区長答弁

 

建築行政についてのお尋ねです

 

  はじめに、 説明会の開催を義務付けるよ 紛争予防条例及び規則の改正を行うべき、 とのことについてです。

 

 建築紛争予防条例では、近隣関係住民に対する建築計画等の説明は、 建築主が説明会又は個別説明等の方法により行うこととしています。また、建築主が個別説明を行う場合でも、近隣関係住民が説明会の開催を求めた場合には、建築主は応じなければならないと規定しています。 これは、繁華街や低層住 宅地など多種多様な地域を持つ新宿区の特性を考慮 し、 その地域にふさわしい説明方法を近隣関係住民自ら、選択することを可能にしたものです。

 

今後は、今まで以上に適切、 かつ充分な説明が行われるよう、 そのあり方について検討していきます。

 

また、近隣関係住民の申し出により説明会が開催されることを周知徹底すべきとのことについては、これまでリーフレットやホームページで周知するとまた、近隣関係住民から問い合わせがあった際にはその旨お知らせしてきました。今後は、建築計画のお知らせ標識に明記することも含め、より一層の周知を徹底する方法について検討していきます。

 

 

 

次に、建築調整課に情報を集中させチェック体制を強化すべきではないかとのお尋ねです。

 

 本年9月から、 延べ面積が3000平方メートルを超えるなど近隣への影響が危倶される建築計画については、都市計画部内で関係各課への届出書類を相互に供覧することとしました。 この供覧では、関係各課での建築計画に関する情報共有を図るとともに、 建築調整課に情報を集中させています。また、供覧にあたっては、届出書類の内容を建築調整課を含む関係各課相互でチェックしています。 今後も情報の共有と集中、 及び内容のチェックを徹底し、建築行政の適切な執行に務めていきます。

 

 

 

次に、 新宿区景観まちづくり審議会に報告する建築物の基準についてのお尋ねです。

 

景観まちづくり審議会に報告を行う基準については、 平成25年9月の審議会にて延べ面積3万㎡または高さ60mを超えるものを報告するべきとの意見を頂きました。 また、との基準を満たさない計画であっても地域性のあるものや景観上特別な配慮が必要なものについては報告するようにとの意見も頂いております。こうした意見を踏まえて、報告すべき建築物の基準の策定を進めているところです。

 

 また、 仮称ロイヤルパークス柏木.の建築計画については、 景観にかかわる設計変更があると聞いていますので、変更に伴う景観協議の申請が提出された場合には、 直近の審議会に報告したいと考えています。