上から目線の謝罪

BBCが対応に迫られ声明を発表した。YouTubeへのコメント、大使館からの抗議、メールでの意見が増えて、番組制作側だけの対応では不十分、BBCとしての対応が必要と判断したと思われる。が、「ＱＩは人々の気分を害する意図は全くないが、日本の視聴者にとっての（原爆という）題材の微妙さを考えれば、（お笑い）番組で取り上げるには適切ではないと人々が感じた理由は理解できる」(日経の訳を拝借）としているらしい。

もしもし？

不適切と感じた理由が理解できるのと、不適切であったと認めることは全く別物。要は「そちらの主張はわかるけど、そりゃおたく（視聴者側）の問題であって、うちの問題じゃない」ってことじゃない。日本の政治家が「誤解を招くような発言で有権者に不快な思いをさせて申し訳ない」と、失言のたびに繰り返す誠実さを欠く言い訳と全く一緒。上から目線っていうか、不快になったこっちが悪いんかい、みたいな。だったら謝ってもらわなくても結構ですから、ってかんじ。

ちなみに、BBCのサイトからこの問題の番組QIの情報にアクセスすると「あなたの住んでいる地域ではこの番組は放映されていない」というメッセージがでて、更なる情報を得ることがブロックされる。日本人の目に触れることを想定していない番組なのである。だから、日本人が見ない番組で被爆者を笑いの種にすることは、適切ではないとは思っていない、ということなのか。それっていよいよ深刻。

BBCの番組解説では、QIはクイズ形式だから正解を出すことも必要だが、回答者の答えがどれだけ笑えるかもポイントの一つ、とあった。そういう番組で原爆・被爆を取り上げるなんて、まさに題材として適切だと正当化する理由が微塵もないじゃないの。原爆をあれだけ面白おかしく扱ったことに対する反省は皆無なのだろうか、信じられない。公共放送として世界が（言葉の上だけでも）核なき世界を目指そうっていうときに。

あたしが見たYouTubeバージョンでは、二度も被爆しても93歳まで生きられたわけだからとか、それで友達がたくさんできたとか、翌日には列車が運行していたことに驚きを感じる（イギリスの鉄道は悲惨なので）とか、コップに水が「半分しかない」とみるか「半分もある」と見るか（二度の被ばくがアンラッキーとみるか生き残れてラッキーとみるか）だけど水は放射能で汚染してるとか、いい爆弾と悪い爆弾があって「さっき着弾したのはいい爆弾だから大丈夫、サンドイッチは放射能汚染してませんよぉ～（空襲警報のアナウンスのまね？）」とか、とにかく被爆者の山口さんを使って、いかに原爆・爆撃が「たいしたことないか」を吹聴しているかのように聞こえる部分がてんこ盛りなのである。それに対する反省ってないのかしらん。

あたしの抗議には未だ反応はないけど、公式謝罪文と同じのが来たら怒り再燃だなぁ。「日本人が観てないところで笑いものにしてるつもりだったので、テレビ税も払わずYouTubeで観てるあんたには文句言われたくない」と言われたほうがまだ許せる気がする（苦笑）。

そんな態度なら、ケバを送り込んでしっぽを噛みちぎってもらっちゃいますよぉ～