テレビ東京という関東ローカルな局ゆえ、このブログの何人の読者のみなさんが放映地域に住まれているのか存じませんが、私の大好きなテレビ番組に「日経スペシャル カンブリア宮殿」(月曜22時~)という番組があります。村上龍と小池栄子を司会に、何かを成し遂げた魅力的な経営者などが紹介されるトーク番組なのですが、番組のコンセプトは「この人の下で働きたい」(そう思うことはほとんどないのですが)。大好きと言い切るぐらいですので、毎週必ず録画してまで見るのは当然のこと、書籍化されれば買って読み返しては「よその社長は良いこと言うなぁ」と経営者の金言を自分の引き出しにしまったりしています。
昨夜、5月19日のカンブリア宮殿のタイトルは「日本酒を、飲んで、酔って、売りまくれ!」。
東京・亀戸に本店を構える長谷川酒店社長・長谷川浩一氏が登場。テーマは、1978年をピークに消費量が減少の一途、造り酒屋の倒産件数も増え、今や瀕死の状態とも言える「日本酒」。その復権を目指して、奮闘している姿が描かれていました。東京駅のエキナカとして注目される「グランスタ」や、原宿の「表参道ヒルズ」に、ちょっと洒落た日本酒メインのショップがあるのは気がついていたのですが、長谷川氏が仕掛人だと知ったのは「カンブリア宮殿」を見てのことでした。
長谷川氏の取り組みを簡単にまとめると、
・地域の酒屋どうしでネットワークを作り、売れるオリジナルの日本酒の開発をメーカーに働きかけ、ディスカウントリカーショップとの差別化で生き残る仕組みを作った。
・若者層に日本酒の魅力を知ってもらうべく、若者が集まる好立地にショップを出店した。
・無名だが可能性のある酒造を発掘。他の酒造との交流を支援して、お互いに学び成長していくネットワークを作った。
・マーケットとしてまだまだ拡大の可能性がある海外への展開。良質な(←これ重要なポイント)酒を初期段階で投入することで、日本酒の存在感と価値を高める。
といったもの。日本酒には割と痛いめに合ってきているのですが、ちょっぴり飲みたくなってきました。
自身の取り組みに対して、長谷川氏曰く「自分一人では成し遂げられない。お互いに助け合う存在になれば、日本酒業界全体が強くなるはずだ」と。長谷川氏がマセラッティを飛ばして地方の小さな酒造さんを訪ねる映像は「ここは笑うところか」と思いましたが(テレビって怖いですね)、その強い信念とメッセージはとても印象に残りました。泡盛業界には、長谷川氏のような存在はいないのか。何かヒントはないか。泡盛マイスター有志で、何かきっかけを作れないものか?と自問自問。確かに自分一人では……一人でも立ち上がれる人は、実に立派です。
村上龍がこの番組の途中で言いました。
最近の若い人は「酔っぱらいたくない」と言う。
希望がないからだ。希望がないと、酒って飲む気にならないんじゃないか。
ちょっと良いことがあるから、楽しい気分だから、今日はちょっと飲もうか、みたいな
「飲もう」と思えるような楽しいことがないんじゃないか。
なんか判る気がするんですね。サラリーマンの酒と言えば、会社や上司への不満やら何やらを酒肴に盛り上がったりすることもあるでしょう(もちろん普通に楽しい飲み会もあります)。偉い人と飲みに行ったなら、どんなに酔ってもついつい気を遣いまくるのはサラリーマンの性。まだ明るいというのに、新橋SL広場でテレビカメラに取材されちゃうようなホロ酔いのサラリーマンなんかをテレビを通じてみれば、やっぱり若い人たちなら「(あんな風に)酔っぱらいたくない」と思っちゃうんじゃないかなぁ、と。
ここ1年間、親しい泡盛マイスター仲間たちの間で、泡盛マイスター協会が著しく信用できないという事態に陥っているのですが、協会への不信感も我慢の限界を越えると、ついに「泡盛が飲みたくなくなった。見たくもない」「このままじゃ、沖縄が嫌いになりそう」と可哀想なぐらいの精神状態になってしまったマイスター仲間がいます。マイスター協会が設立時の「志」をありとあらゆる手段ですり替えて会員をごまかそうが、私個人にとってはもはや見捨てた組織ですので今更どうでもいいのですが、マイスター協会に失望したばかりのときの自分を思い出せば、村上龍の「希望がないと酒が飲めない」という言葉がやけに胸に響くのでした。
たいした希望はなくても、わかりあえる友と旨い酒があれば豊かに生きていけそうです(笑)
昨夜、5月19日のカンブリア宮殿のタイトルは「日本酒を、飲んで、酔って、売りまくれ!」。
東京・亀戸に本店を構える長谷川酒店社長・長谷川浩一氏が登場。テーマは、1978年をピークに消費量が減少の一途、造り酒屋の倒産件数も増え、今や瀕死の状態とも言える「日本酒」。その復権を目指して、奮闘している姿が描かれていました。東京駅のエキナカとして注目される「グランスタ」や、原宿の「表参道ヒルズ」に、ちょっと洒落た日本酒メインのショップがあるのは気がついていたのですが、長谷川氏が仕掛人だと知ったのは「カンブリア宮殿」を見てのことでした。
長谷川氏の取り組みを簡単にまとめると、
・地域の酒屋どうしでネットワークを作り、売れるオリジナルの日本酒の開発をメーカーに働きかけ、ディスカウントリカーショップとの差別化で生き残る仕組みを作った。
・若者層に日本酒の魅力を知ってもらうべく、若者が集まる好立地にショップを出店した。
・無名だが可能性のある酒造を発掘。他の酒造との交流を支援して、お互いに学び成長していくネットワークを作った。
・マーケットとしてまだまだ拡大の可能性がある海外への展開。良質な(←これ重要なポイント)酒を初期段階で投入することで、日本酒の存在感と価値を高める。
といったもの。日本酒には割と痛いめに合ってきているのですが、ちょっぴり飲みたくなってきました。
自身の取り組みに対して、長谷川氏曰く「自分一人では成し遂げられない。お互いに助け合う存在になれば、日本酒業界全体が強くなるはずだ」と。長谷川氏がマセラッティを飛ばして地方の小さな酒造さんを訪ねる映像は「ここは笑うところか」と思いましたが(テレビって怖いですね)、その強い信念とメッセージはとても印象に残りました。泡盛業界には、長谷川氏のような存在はいないのか。何かヒントはないか。泡盛マイスター有志で、何かきっかけを作れないものか?と自問自問。確かに自分一人では……一人でも立ち上がれる人は、実に立派です。
村上龍がこの番組の途中で言いました。
最近の若い人は「酔っぱらいたくない」と言う。
希望がないからだ。希望がないと、酒って飲む気にならないんじゃないか。
ちょっと良いことがあるから、楽しい気分だから、今日はちょっと飲もうか、みたいな
「飲もう」と思えるような楽しいことがないんじゃないか。
なんか判る気がするんですね。サラリーマンの酒と言えば、会社や上司への不満やら何やらを酒肴に盛り上がったりすることもあるでしょう(もちろん普通に楽しい飲み会もあります)。偉い人と飲みに行ったなら、どんなに酔ってもついつい気を遣いまくるのはサラリーマンの性。まだ明るいというのに、新橋SL広場でテレビカメラに取材されちゃうようなホロ酔いのサラリーマンなんかをテレビを通じてみれば、やっぱり若い人たちなら「(あんな風に)酔っぱらいたくない」と思っちゃうんじゃないかなぁ、と。
ここ1年間、親しい泡盛マイスター仲間たちの間で、泡盛マイスター協会が著しく信用できないという事態に陥っているのですが、協会への不信感も我慢の限界を越えると、ついに「泡盛が飲みたくなくなった。見たくもない」「このままじゃ、沖縄が嫌いになりそう」と可哀想なぐらいの精神状態になってしまったマイスター仲間がいます。マイスター協会が設立時の「志」をありとあらゆる手段ですり替えて会員をごまかそうが、私個人にとってはもはや見捨てた組織ですので今更どうでもいいのですが、マイスター協会に失望したばかりのときの自分を思い出せば、村上龍の「希望がないと酒が飲めない」という言葉がやけに胸に響くのでした。
たいした希望はなくても、わかりあえる友と旨い酒があれば豊かに生きていけそうです(笑)