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泡盛なかゆくい

第一期・泡盛マイスターがお届けする、沖縄やアルコールに関する日々雑感。

八丈島の焼酎「Jonnalie(ジョナリー)」

2007年04月07日 | スピリッツ/リキュール/ウイスキー/焼酎
八丈島の坂下酒造さんの麦焼酎「Jonnalie(ジョナリー)」です。「近所のコンビニで見つけたんだよ」と父が、「Jonnalie」さんを連れてウチにやってきました。伊豆七島が実は焼酎づくりが盛んなエリアだというのは以前から知っていましたが、あまり飲む機会がなくて、極々限られた銘柄を知るだけでした。しかし、突然我が家にやってきたのが「Jonnalie」さんとは、まさにWhere are you from? なわけで、「このラベルの酒を、知らずによく買えたねぇ!」と思わず言ってしまいました。なんでも「Jonnalie」は奥様のお名前だそうですが、ラベルデザインは何とも言えない「高校美術」な雰囲気で(失礼!)思わず微笑んでしまいます。

伊豆七島の焼酎は、昔は芋焼酎が中心だったそうです。もともと罪人の流刑地(いわゆる島流し)だったこの島々に、薩摩の貿易商が密輸で島流しにあった際に、島で芋焼酎を作ったのが始まりなのだとか。芋を栽培する農家の減少と共に、島の焼酎が麦焼酎に切り替わっていったそうです。九州の焼酎が米麹が主流なのに対して、伊豆七島の焼酎は麦麹が主流です。そのせいか「Jonnalie」もライ麦パンのような香りとロースト香が、さわやかに残ります。これが東京の焼酎か!とガツンと後頭部を殴られたような発見がありました。

「Jonnalie」は麦90%・芋10%のブレンドで、ブランデー樽、シェリー樽、ホワイト・オーク樽で熟成させた40度の原酒を、八丈島焼酎「黒潮」とブレンドしたものだそうです。白麹・常圧蒸留で25度。うっすらと芋の香りも感じますが、ラベルの記載を見なければ気がつかなかったかもしれません。シェリー樽の影響を強く受けているのか、予想以上に上品な焼酎で、値段もお手頃(父が買った値段は、1000円前後だったようです)とあって、勝手にお勧めの1本に認定しちゃいます。東京の焼酎も、いろいろ飲み比べたら面白そうです。ちょっと追いかけてみようかなと思いました。

ところで奥様の「Jonnalie」さんて、どこの国の出身なのでしょうか。Where are you from? ;-)


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厚岸牡蠣まつり

2007年03月18日 | スピリッツ/リキュール/ウイスキー/焼酎
会社の同僚から嬉しい待ち望んだメールが届きました。北海道支店から本社に戻ってきた彼が、毎年この時期になると希望者を募って厚岸の牡蠣を産直でまとめ買いしてくれるのです。さっそくメールに注文したい旨を返信してほどなく、ぷくっと丸く、新鮮ぷりぷりの食感の牡蠣が、今シーズンはノロウイルスの影響もあったのか、昨年よりも少し安く届きました。殻がはずされた状態で、大きな28粒の牡蠣が水でパンパンのビニール袋に詰まった状態で我が家に到着。キレイに洗って、さっそくナマで試食してみることに。

村上春樹さんの『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』(新潮文庫刊)によると、アイラ島では名産の生牡蠣にシングルモルトをかけて食べるのだとか。このくだりに出会ってから、いつか実際に試してみたいと思っていました。以前にどこぞのバーで「生牡蠣ならボウモアだよ!」と強く勧められたことを思い出したのですが、ちょうどラフロイグのクォーターカスクの封を切った直後だったので、ラフロイグで試してみることに。

なんということでしょう!牡蠣ならではの磯の香りに、ラフロイグのスモーキーな部分が驚くほど鮮やかに調和しました。
(↑ビフォー・アフター風に。笑)

これまで生牡蠣と言えば、レモンを絞ったり、ポン酢で食べるぐらいしかしてきませんでしたが、ここまで「かけ算」的な味わいになるとは想像もしていませんでした。次に牡蠣を20秒ほどレンジでチンして軽く温めたところに、同じくラフロイグをかけてみます。牡蠣が温もることで甘さを増して、そこにラフロイグのほろ苦さがマッチして、これまたうっとり。忘れられない味の体験になりました。ぜひ皆さんも機会がございましたら、お試しくださいね。

以前に生牡蠣であたったことがありましたので、生牡蠣を6粒ほど堪能した後は、カキ雑炊、カキグラタンやカキフライへと熱を加える料理に化け、たっぷりと堪能させていただきました。まさに年に一度の厚岸牡蠣まつりの週末となりました。


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ウイスキーマガジン・ライヴ! 2007

2007年02月18日 | スピリッツ/リキュール/ウイスキー/焼酎
3万人が東京を走り抜ける東京マラソン開催日の今日、そのゴール地点となる東京ビッグサイトに行ってきました。ゴールする選手たちを出迎える人たちを横目に見ながら「ウイスキーマガジン・ライヴ!」に行ってきたのでした。

会場に入るときに、テイスティンググラスがひとつ手渡されました。このテイスティンググラスを持って、試飲会場ではさまざまなウイスキーを自由に飲むことができました。普段なかなか見かけない年数の銘柄や、高価で口にしてこなかったシングルモルトをたっぷりと堪能しました。テイスティングで少量とは言っても、かなりの種類のシングルモルトをストレートで飲み続けているわけですから、しっかり酔ってしまいます。会場の随所にチェイサーとなる給水所がありましたが、さながらシングルモルトの祭典となっている雰囲気に飲み込まれて、自分の許容量を忘れて片っ端から味わってしまいました。

泡盛とは異なる上品かつ高貴な香りに、あらためてシングルモルトの奥の深さを実感し、しばらくはウイスキーに傾倒してみようかという気持ちになりました。泡盛は食中酒として引き続き楽しんでいきますが、ウイスキーは食後酒として、いろいろさぐってみたいと思っています。今日発見したウイスキーについては、ぽちぽち写真を整理しながらご紹介していきたいと思います。

入場料4,000円は正直高いなぁと思っていましたが、数々のシングルモルトを一同に試飲できるのであれば安いなぁと思いました。結局は賞味4時間近く、ブースを順番に回って飲み続けてましたので、今日はさすがに飲み疲れました。帰りにりんかい線で座れたのが幸いに、ひたすら熟睡して帰ってきたところです。もっぱらアイラを中心にしたシングルモルトを大好物にしてきましたが、国産のウイスキーも侮りがたし。これまで興味を示さなかったことを後悔することしきりです。


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麦焼酎「是空」(喜多屋)

2007年02月12日 | スピリッツ/リキュール/ウイスキー/焼酎
2007年1月11日のエントリー(石川酒造場 玉友・吟濾過)の話には続きがあります。さいたま新都心駅のそばにある「仁左衛門」にて、また新しい好みの酒を発見してしまいました。一緒に行った父が「お、般若心経か。いい名前の酒だねぇ」とネーミングに惹かれて飲んだ麦焼酎「是空」がそれです。一口飲ませてもらった「是空」は、まさに私を虜にするお酒でした。

「是空」は福岡県八女市にある「喜多屋」さんで作られています。瓶ラベルにある喜多屋さんの住所を見たときに真っ先に思ったのは「ホリエモンの実家がある市だな」と。「是空」は、貯蔵年数4~14年に渡るさまざまな樫樽貯蔵と甕貯蔵の原酒をブレンドしているとのこと。ブレンドが絶妙なのでしょう、麦チョコを思わせる香ばしく甘い香りとまろやかさが実に心地よい、ウイスキーやブランデーに近いテイストの焼酎です。この熟成感が残るテイストは、皇太子様が愛飲されているという宮崎・黒木本店の「百年の孤独」に通じるものがあります。「百年の孤独」はもはや10,000円を超えるプレミア商品になってしまっています。「是空」も置いてある酒販店さんは限られているようですが、まだ比較的普通の価格で入手ができますし、その味わいは「百年の孤独」に匹敵すると言っても過言ではないでしょう。太鼓判を押して、お勧めします。

仁左衛門で「是空、旨いなぁ」と父と語っていたところ、さっそく翌週に父が行きつけの酒屋さんで仕入れてきて1本を我が家に置いていきました。おかげで今や家「是空」の日々です。この焼酎は口当たりの良さと上品な樽の香りが特長的ですので、ストレートかロックでちびちび楽しむと良いでしょう。試しに水やお湯で割ってみましたが、とたんにバランスが崩れて「是空」の良さが消えてしまいました。ぜひストレートで、どこまでも奥深い甘みを堪能していただきたい。

そういえば、麦焼酎をご紹介するのはこれが初めてですね。麦焼酎を簡単に解説すると、主に麦麹や米麹、大麦で作られる蒸留酒です。同じ大麦を使う蒸留酒にはウイスキーがありますが、ウイスキーの場合は麹ではなく麦芽を使って作るなどの違いがあります。麹に米を使うか麦を使うかによって、テイストに差がでてきます。米麹を使った麦焼酎は、米特有のほんのりとした甘みが感じられます。一方、麦麹を使った麦焼酎は、香ばしさはそのままに米麹よりも軽い風味に仕上がるようです。


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ニッカ ブレンダーズバー

2007年01月20日 | スピリッツ/リキュール/ウイスキー/焼酎
前からずっとチャンスを窺ってきたもののなかなか行けるチャンスがなかったのですが、とうとう行って参りました。青山での仕事が終わった後、まっすぐ帰るにはちょっと時間に余裕がありそうです、という感じで、骨董通りにあるニッカウヰスキー本社ビルB1Fにある「ニッカブレンダーズバー」を覗いてきました。

ここは云わば、ニッカウヰスキーの直営バー。ニッカウヰスキーのマスターブレンダーなどが定期的にバーに立ち、ブレンドやテイスティングなどの説明を聞けるのだとか。かなり戦略的に作られたバーですが、私はこういうの大好きです。目下、私は「ウイスキーコニサー」という資格に興味があるので、ここでなら情報収集ができるだろうと目論んでカウンターに座りました。

ここでの楽しみは、キーモルトのテイスティングです。キーモルトと言うのは、ブレンデッドウイスキーのベースとなる原酒のことです。言い換えれば、ブレンデッドウイスキーというのは、数十種類のウイスキー原酒をブレンドしているというわけで、まさに原酒だけを使うカクテルの様です。このブレンドを行う職人はブレンダーと呼ばれています。大量の原酒の中から、割合を決め、レシピを作ってブレンドするわけですが、商品としては可能な限り品質を揃えなければなりませんので、それはものすごい大変な作業であることが想像できます。

ブレンデッドウイスキーでは「バランタイン」が有名ですが、このバランタインのマスターブレンダー「ロバート・ヒックス」さんは4,000種類の香りを嗅ぎ分け、記憶できるのだとか。もの凄い才能です。

話が脱線しました。

ブレンダーズバーには、ニッカとアサヒビールに関連するシングルモルトの瓶がずらりと並んでいます。市販されていない、珍しいものもありそうです。私が注文したのは、キーモルト&カフェグレーン テイスティングセット15ml x 6種類 3,000円。これだけの種類のキーモルトを一度に味わえるとあって、俄然テンションが高まります。

左から順に、
キーモルト余市12年 “Sherry & Sweet”
キーモルト余市12年 “Peaty & Salty”
キーモルト余市12年 “Woody & Vanillic”
キーモルト宮城峡12年 “Fruity & Rich”
キーモルト宮城峡12年 “Soft & Dry”
カフェグレーン12年 “Woody & Mellow”
です。

ここでのチェックポイントは、原料の違い、蒸留所・蒸留方式の違い、貯蔵方法の違いです。
実はそんなに難しく考えなくても、普通の舌と嗅覚があれば、その違いは誰でも判るだろうと思います。とはいえ、ここはブレンダーズバーです。その違いが何によって生まれるのかを、ひとつひとつ丁寧に教えてくれるのがブレンダーズバーの素晴らしいところです。飲み比べてみると、自分の好みの傾向などが掴めて面白いです。モルト(大麦、単式蒸留)の力強さにちょっぴり疲れたときに、グレーン(とうもろこし+小麦、連続式蒸留)のふんわりとした柔らかさに癒されたりして、実に楽しい。ウイスキーは度数も高めで、どことなくオヤジの飲み物という見られ方をしているようですが、たぶんこの上品な香りと優しさは女性にも受け入れられるだろうと思います。

青山あたりでの仕事を積極的に引き受けて、その帰りに通ってしまいたくなるような体験になりました。


ニッカ ブレンダーズ・バー Tel. 03-3498-3338
東京都港区南青山5-4-31 ニッカウヰスキー本社ビルB1
[地図]
営業時間: 17:00~23:30
定休日: 日 曜・祝 日
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ラフロイグのソーダ割

2006年09月06日 | スピリッツ/リキュール/ウイスキー/焼酎
ISLAYと書いてアイラと読みます。シングルモルトで有名なアイルランドのすぐ北側にある小さい島の名前で、いつか行ってみたいと思っています。Google Earthを使えばあっという間にアイラに辿り着けますし、8つの蒸留所を地図で眺めることも容易いです。でも実際に行こうと思ったら、普通にサラリーマンをしている私にとっては遠い遠い島なのです。

そんないつか行ってみたいアイラへの憧れも相まって、ラフロイグを始めとする家にあるアイラのシングルモルトは実にじっくりと味わって飲むようにしてきました。ラフロイグ10年がまもなくカラになってしまう寸前、やってみたいと思いつつも、もったいなくてできなかったソーダ割りをとうとう試してしまいました。結論から言えば、普通に旨い。ラフロイグの個性は、ソーダ割りをしても薄れることなく味わうことができます。旨い、けど惜しかったなぁ、普通にストレートで飲めばよかったなぁ、とちょっぴり後悔の念が頭をよぎります。

ラフロイグは、創業が1815年。ピーティでヨード香の強い男性的な風味が特長のシングルモルトウィスキーです。同僚とバーで飲んだりすると「お前は、ヨードチンキみたいな薬品臭いウィスキーばかり飲んで、しかもそれを重宝がっている。変なヤツだ」と言われたこともあります。アメリカでは禁酒法時代に医薬品として流通していたらしいので、あながちハズしてはいないかもしれません。最近になって私はこの男性的なウィスキーが、女性経営者の手によって発展を遂げてきたことを本で読んで知りました。女性がウィスキー造りの陣頭指揮を取るなんて希有な例ではないでしょうか。

ラフロイグを始めとするシングルモルトウィスキーは、10年、15年と年数別にいくつかのバリエーションがあります。どことなく酒は年数が大きいほうが旨いと考えがちで、実際そのとおりだったりすることが多いのですが、10年の旨さ、15年の旨さがそれぞれあるのが興味深いところです。15年は10年をさらに5年寝かせたものですが、その5年というかけがえのない時間の中で、得られるものもあれば失うものもあるということでしょうか。10年には10年の個性が、15年には15年の個性があって、どちらも魅力的だから困ったものです。
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芋焼酎「不二才(ぶにせ)」

2006年08月26日 | スピリッツ/リキュール/ウイスキー/焼酎
義父が70歳「古稀」を迎えました。厚生労働省によると平均寿命(平成16年)は、男性78.64歳、女性85.59歳なのだそうです。70歳の平均余命(平成16年)は、男性14.51歳、女性18.98歳。昭和22年の平均寿命が、男性50.06歳、女性53.96歳だったというのですから、随分と伸びたことが伺えます。義父はそろそろ引退しようと言いつつも、元気に現役で働いているというのですから、それはもう尊敬の一言に尽きます。

そんな義父の古稀のお祝いのために、妻と共に実家に帰省しました。実家に到着して地元スーパーに買い出しに出かけた際に、お楽しみお酒のコーナーを観察することに。1年ほど前には皆無だった泡盛が数種類ほど棚に置かれていて、ついにここまでやってきたかと思いつつ、特選コーナーに目を移すと鹿児島の芋焼酎「不二才(ぶにせ)」を発見。しかもプレミア価格ではありません。泡盛は自宅にたんまりありますし、妻の地元は日本酒ばかりなので、ちょっぴり珍しい「不二才」を晩酌用に手にしました。自分で買うつもりだったのですが、義母が「買ってあげるわよ」と言うので、年甲斐もなくつい甘えてしまいました。

焼酎ブームの中心は、芋焼酎だったというのは多くの方がご存じだと思いますが、どちらかと言えば「飲みやすくて、香りのキレイな芋焼酎」が話題になってきました。この「不二才」は、いわゆるそうした芋焼酎とはちょっと違って、どちらかと言えばこってりパンチが効いた「芋焼酎らしい芋焼酎」と言えるでしょう。地元の頴娃町産のコガネセンガンを白麹で仕込み、常圧蒸留でろ過を控えめにすることで芳醇な芋の味と香りが残る、力強い風味の芋焼酎です。甘さ、香ばしさ、渋み、どれもしっかりと感じられつつ、余韻がとても長いのが特長です。

「不二才」を最初に飲んだのは数年前、自宅の最寄り駅にある居酒屋でした。その居酒屋は、お隣の市で酒屋を経営しており、酒に関してはとにかくこだわったお店です。そこの社長と居酒屋でお話する機会があり、話がはずんだときに「面白くて旨い芋焼酎を教えてやる」と「不二才」を一杯おごってくださったのでした。キレイで軽い風味の芋焼酎に飽き始めていた私に、ガツンと一発くれてやろうと企んだのでしょう。「不二才」はしっかりと私の記憶に刻み込まれ、私は社長にまんまとしてやられたのでした。

「こん焼酎は圏外人呑むべからず」とラベルに書かれた「不二才」。これまで店頭で見かけることがなかったのですが、ひょんなことから妻の地元で再会することができました。今回は水割りで美味しくいただきましたが、この焼酎はお湯割りが最も合うだろうと思っています。まだ残暑の季節ですが、涼しくなってきた頃にでも、芋焼酎をじっくりと味わってみたい人、「今日は芋焼酎を飲んだなぁ」としみじみ実感したい人は、ぜひ「不二才」をお試しください。

泡盛マイスターも、ときどき芋焼酎で幸せを感じているというお話でした。
明日は、全国泡盛カクテルコンテスト(銀座)のお手伝いに行ってきます。
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Loch Dhu(ロッホ・デュー)The Black Whisky 10y

2006年07月23日 | スピリッツ/リキュール/ウイスキー/焼酎
余市にいる叔父から小分けで譲ってもらったというウイスキーを父が我が家に持ってきました。ウイスキーといえば「琥珀色」ですが、このウイスキーは、ぱっと見、オートバックスなどのカー用品やさんに展示してある「交換が必要なオイル」のように真っ黒でした。その名も「Loch Dhu(ロッホ・デュー)The Black Whisky 10年」。光にかざしてみても透過することのないほど真っ黒な、シングルモルトウイスキーです。

製造はスペイサイドのMannochmore(マノックモア)蒸留所。1971年に創業し、一度1985年に休業、1989年から再開している蒸留所です。

トップノートは、まずバニラのような甘い香りと干し葡萄の果実香が感じられます。香りからして濃厚さが漂っています。パレートは、ねっとりと黒飴のような香ばしい甘さがまとわりつき、フルーティさと相まってフルーツケーキのような優雅さ。案外さっぱりとしつつ、余韻ではモルトの甘い芳香が感じられます。かなり個性的な香りと味であることは間違いないでしょう。正直、旨いというよりは面白いと言ったほうが誤解が少ないかもしれません。あまり多くの銘柄を知るわけではありませんが、シングルモルトとしてはかなり異端児かなと思います。度数は40度です。口腔がほわっと温まるのは一瞬だけで、非常に穏やかでオイリー。これならウイスキーが苦手な人にも飲みやすいかも。特にバーボン好きの人には、すんなり受け入れられるかもしれませんね。

いろんなリカーショップのウイスキーのコーナーを眺めてきましたが(高くてあんまり買えない)、こういうウイスキーがあるのは知りませんでした。こういう出会いがあるからお酒は楽しいなと思います。

さて、このLoch Dhuですが、断片的な情報で定かではありませんがすでに製造を終了していて、オークションなどでは高騰しているとのこと。もしかしたら、もはや簡単に手に入らないウイスキーかもしれませんね。いやはや父はとんでもないウイスキーをもらってきたものです。しかも、これ私へのプレゼントだったらしく、父はそのまま置いていきました。大事に飲もうと思います。
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ラスティネイル / Rusty Nail

2006年06月25日 | スピリッツ/リキュール/ウイスキー/焼酎
ここしばらくずっとドランブイを切らしていたので、作ることのなかった「ラスティネイル」。ここのところ、スコッチウイスキーをずっと追いかけていることもあって、たまにはスコッチベースのカクテルでも楽しもうかなと思って、久しぶりにドランブイを買いました。「ラスティネイル」は、スコッチウイスキーとドランブイを3:1で作るシンプルなカクテルです。

ドランブイ自体が、約60種類のスコッチウイスキーをブレンドしたものをベースにして、さらにヒースの花から取れる蜂蜜と 種々のハーブの香味を配合したというもの。つまり、ラスティネイル(スコッチ+ドランブイ)は、スコッチにスコッチを継ぎ足すようなもの。スコッチ派には、たまらないカクテルなのです。ドランブイだけでも40度ありますので、スコッチとあわせても度数が下がらならいため、口当たりはよいぶん酔いやすいので注意が必要です。ドランブイはかなり甘いので(とてもストレートでは飲めない)、スコッチと3:1では、個人的にはまだかなり甘く感じます。バーで頼むときは、ドランブイ少なめに、とお願いするのですが、どうしても「甘いなぁ」と思ってしまうこともあって、家では少しずつドランブイの量を減らしてだいたい5:1ぐらいまでになってしまいました。こうなると、もはや「ラスティネイル」とは呼べないかもしれませんが、「男っぽいラスティネイル」と言えばそんなに遠くありません。

スコッチウイスキーには、「ベン・ネヴィス蒸留所蔵出し(40度)」を使っています。ベン・ネヴィス蒸留所はニッカウヰスキーの資本が入っていることもあり、ニッカに勤めている叔父との関係もあって一人暮らしをしていた大学時代から「ベン・ネヴィス」は常備酒でした。いかにもブレンデッドらしい口当たりのウイスキーで、柔らかさとマイルドさは、ニッカ製品に通じるものがあります。贅沢だと言われることもありますが、ハイボールなども家ではベン・ネヴィスです。

さて、ラスティネイルを極めようと思ったとき、ドランブイにぴったりのスコッチはどれでしょうか。例えばアイラのシングルモルトはあまりに個性的なので、たぶんさすがのドランブイでも負けてしまうのだろうなぁと思って試してはいませんが、視野を広げてみれば案外ぴったりくるのもあるかもしれません。今度、アードベックやボウモアあたりで試してみたいと思います。
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アブサン

2006年04月23日 | スピリッツ/リキュール/ウイスキー/焼酎
かつて芸術家に愛されて、20世紀初頭には製造も販売も禁止されていたという「アブサン」の復刻版です。ピカソ、ゴッホ、ゴーギャン、モネ、モーパッサン、ヘミングウェイなど、多くの芸術家がこの酒に魅了され、濁った緑色の液体をもってして「緑色の詩神」とまで言われたお酒です。当時のアブサンは大麻に似た効果があったらしく、いわば「飲むヨーグルト」ならぬ「飲むマリファナ」のようなものだったそうです。アブサンの特徴的な原料はニガヨモギなのですが、習慣的な摂取は、不安感、不眠、悪夢、嘔吐、目眩、震え、痙攣、抗潰瘍性、細胞毒性などが見られ、どう考えてもあまり褒められたものではないみたいです。他、幻覚性物質、鎮静作用物質、抗鬱作用物質なども含まれていて、いわゆるアルコールとしての効用以上に別格の酔いをもたらすお酒だったようです。

こうして中毒症状がでることをきっかけに世界で禁制品としてお蔵入りしてしまったアブサンですが、代用品としてアニスやアニゼットを用いたリキュールが販売されています。フランスのリカール、ペルノー、パスティス51、ギリシャのウゾ12などがまさにアブサンの「模倣品(フランス語でパスティス)」にあたります。禁制品のアブサンの風味など私には知ることもできませんが、現在手に入るこれらのアブサンは、アニスの香り全開でぞくっとするような不思議な緑色でまさに「魅惑」という言葉が浮かぶようなお酒です。私は香草を使った料理やお酒が好きなのでそれほど違和感を感じませんが、中には「殺虫剤みたいな匂いがするぞ」と仰る方もいます。ある一面だけで言えば、そう言えなくもないのですが。万人にはお勧めできるものではないですが、イケる人ならやはりクセになりそうなお酒です。

私が買ったこのアブサンは、かなり甘みが加えられており、伝統的な「角砂糖にアブサンを垂らして、そのキューブを舌に乗せる」という味わいかたは結構無理がありそうです。水を加えると白く濁るあたりは、与那国島の花酒に通じるものがあります。これは溶剤であるアルコールの濃度が水によって低下することで、不安定になった精油成分がその周囲に膜を形成して、 微粒子状になって入射光を乱反射することで起きる現象です。決して魔法ではないので、驚かないように(笑)
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