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泡盛なかゆくい

第一期・泡盛マイスターがお届けする、沖縄やアルコールに関する日々雑感。

アブサン

2006年04月23日 | スピリッツ/リキュール/ウイスキー/焼酎
かつて芸術家に愛されて、20世紀初頭には製造も販売も禁止されていたという「アブサン」の復刻版です。ピカソ、ゴッホ、ゴーギャン、モネ、モーパッサン、ヘミングウェイなど、多くの芸術家がこの酒に魅了され、濁った緑色の液体をもってして「緑色の詩神」とまで言われたお酒です。当時のアブサンは大麻に似た効果があったらしく、いわば「飲むヨーグルト」ならぬ「飲むマリファナ」のようなものだったそうです。アブサンの特徴的な原料はニガヨモギなのですが、習慣的な摂取は、不安感、不眠、悪夢、嘔吐、目眩、震え、痙攣、抗潰瘍性、細胞毒性などが見られ、どう考えてもあまり褒められたものではないみたいです。他、幻覚性物質、鎮静作用物質、抗鬱作用物質なども含まれていて、いわゆるアルコールとしての効用以上に別格の酔いをもたらすお酒だったようです。

こうして中毒症状がでることをきっかけに世界で禁制品としてお蔵入りしてしまったアブサンですが、代用品としてアニスやアニゼットを用いたリキュールが販売されています。フランスのリカール、ペルノー、パスティス51、ギリシャのウゾ12などがまさにアブサンの「模倣品(フランス語でパスティス)」にあたります。禁制品のアブサンの風味など私には知ることもできませんが、現在手に入るこれらのアブサンは、アニスの香り全開でぞくっとするような不思議な緑色でまさに「魅惑」という言葉が浮かぶようなお酒です。私は香草を使った料理やお酒が好きなのでそれほど違和感を感じませんが、中には「殺虫剤みたいな匂いがするぞ」と仰る方もいます。ある一面だけで言えば、そう言えなくもないのですが。万人にはお勧めできるものではないですが、イケる人ならやはりクセになりそうなお酒です。

私が買ったこのアブサンは、かなり甘みが加えられており、伝統的な「角砂糖にアブサンを垂らして、そのキューブを舌に乗せる」という味わいかたは結構無理がありそうです。水を加えると白く濁るあたりは、与那国島の花酒に通じるものがあります。これは溶剤であるアルコールの濃度が水によって低下することで、不安定になった精油成分がその周囲に膜を形成して、 微粒子状になって入射光を乱反射することで起きる現象です。決して魔法ではないので、驚かないように(笑)

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2 コメント

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こ、これって…… (花実幸)
2006-06-04 23:55:53
ご無沙汰しております。花実幸にございます。

「アブサン」と聞けば「あぶさん」を想像する私。

※水島新司先生の野球漫画です(ご存じない方への補足です)

確か、幼い頃に「あぶさん」というあだ名は、凄く強いお酒の名前から付けられたと聞いた記憶がありましたが、

この「アブサン」がそれだったんだなぁ…と、微妙に反応してしまいました。

しかし、飲むマリファナとは大変なお酒だったのですね。

現在の復刻版もえらく強そうですねぇ。

怖くて試せませんが(笑)、収集癖のある私は見つけたら買ってしまうかもしれません。

電気ブランのように、飲みきらずにお蔵入りする可能性が大です。

それでもやっぱり魅力的だわ~。あぶさんのあだ名の由来だと思うと………。

では、書きたいことだけを書いて失礼します!
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香りが独特です (きいとん)
2006-06-08 00:22:27
花実幸さん、ご無沙汰しております。

アブサンは、アニスの香りが前面にでているので、苦手という人が多いかもしれません。私も一番最初に飲んだときは、フマキラー?とかそんなのを思い浮かべてしまったぐらいですから!(当時はアニスがどんな香りが知らなかったので)

私は香草がどちらかと言うと好きな人なので、お酒も薬草系のリキュールが好きな部類になります。電気ブランが苦手であれば、アブサンは無理に手に入れても、結局お蔵入りしてしまう可能性大ですよ。
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