徒然なるままに・・・

映画よりJAZZにシフトチェンジ中・・・。

【映画感想・カ行】 クワイエットルームへようこそ ★★★

2007-11-08 | 【映画感想・カ行】
ストーリー:
佐倉明日香は28歳のフリーライター。
ようやく手にした署名コラムの執筆は行き詰まり、
同棲相手ともすれ違いが続く微妙な状態。
そんなある日、明日香は気がついたら、
真っ白な部屋のベッドに拘束されていた。
やってきたナースに「アルコールと睡眠薬の過剰摂取により、
丸2日間昏睡状態だった」と説明されても、
記憶があちこち欠如した明日香は戸惑うばかり。
だが非日常的な空間で見知らぬ人々と出会ううち、
明日香の中で何かが変わり始める…。
(goo映画より引用)

出演:
内田有紀、宮藤官九郎、蒼井優、大竹しのぶ、
りょう、高橋真唯、妻夫木聡

監督:
松尾スズキ

内田有紀がかわいい。兎に角、可愛い。
どのシーンを見ても、スクリーン栄えするなぁ。
久しぶりの彼女の勇姿に惚れ惚れしてしまったが、
精神科病棟を舞台にしているとは思えない天然的な明るさで、
自分の生まれ変わろうとする姿を明確に描いている。

松尾スズキの舞台同様の演出方法を用いて、
前半は笑いを全面に出して映画の世界に引き付け、
この作品の核となるストーリーを炙り出していく中盤、
そして、映画が最も伝えたい内容を導いていくという展開。
舞台のようなオーバーな演出ではなく、
抑制を効かせているあたりは、監督の前作『恋の門』よりも
映画演出での成長が垣間見られた。

笑いは、クドカン扮する鉄ちゃんと明日香のやり取りが最強。
小ネタの連発でもって痒い所に手が届く感じでツボにハマった。
それから、妻夫木の繋がった眉毛も・・・。
また、病棟内の遊戯としてのダンスシーンも唐突だが、
如何にも舞台的演出と感じさせるシークエンスだ。

精神科病棟という閉鎖空間に、奇妙な面々がいる中で、
主人公・明日香は生い立ちと向き合うこととなる。
自暴自棄的な生き方がフラッシュバックされ、
今置かれてしまっている状況が必然的に生み出されたことに気付く。
息が詰まりそうな状況にならないと
自分が見出せない心の弱さは、現代風なのかもしれないが、
明日香にとっては精神科病棟が心の旅であったではなかろうか。

映画の舞台・テイストとしては、辛気臭い内容だが、
軽妙な笑いと重くならない程度の重さで語られる点は共感できた。

(MOVIX三好 シアター6にて鑑賞)


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